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猫は気ままである

『せーんぱい』

『にゃーあ(=゜ω゜=)』

『また無視』

『今から』

『遊びましょう』

『土曜日です』

『にゃん(ФωФ)』

『先輩の家に行って』

『いいですか?』


週末の早朝に鬼ライムしてくる猫屋敷。携帯の着信音が鳴りすぎてノイローゼになりそうだ。


『無理』『寝る』『おやすみ』


祝日は唯一猫を被らなくていいのに、何故わざわざ猫を家に招き入れなければならないのだ。


『先輩の最寄駅なう』

『徒歩十分で着きます』

『にゃーん』

『入れてくれるまで』

『帰りま10(テン)』

『先輩』

『ゲームとか』

『します』

『にゃあ?』


この後輩は自分に初めての殺人を犯させたいのだろうか?というか何故、自分の家の場所を知っている?


『ストーカー』『通報案件』『警察呼んだけど、質問ある?』


可愛い小動物系後輩に構われて嬉しい癖になに文句言ってんだとか言う奴がいたら遠慮なく猫屋敷を差し出そう。そんなに欲しいならくれてやると。


ピンポーン


家の鐘が鳴る。無視だ。時計へと目を向けると、針がまだ七時を回ったばかり。来るにしても早すぎるだろ。


(早い...........頭わいてんのか?)


しかも、居留守をしていると分かっているために何度も鐘を鳴らしてくる。


「あああああああああああもぉうるさい!!!」ガチャ


玄関の扉を開ければパァアと嬉しそうに飛びきりの笑顔を浮かべた猫屋敷仔猫がいた。


「______________やっぱり銀城先輩は優しんです。」


開けてくれる事を分かっていたと言わんばかりにずかずかと自分の家へと無断で入ってくる。


「猫屋敷さん、誰も入っていいなんて言ってないんだけど?」

「こんなに可愛い後輩がせっかく来て上げたんですから、素直に喜んだらどうです、銀城先輩。」

「喜怒哀楽で今の感情を現すなら二文字目になるんだけど。」


猫屋敷はリビングのソファーに座り混むと、大きな鞄からゲーム機を取り出し始める。


「先輩のお家って結構大きいですよね!銀城先輩のお父さんとお母さんって何のお仕事なさってるんですか?」

「............飛行機のパイロットと、キャビンアテンダントだった。」

「うわ、凄いですね!世界中を飛び回ってるなんてかっこいいです!今はお仕事で遠くにいるんですか?」


窓からリビングへと入ってくる光が眩しい。少しだけ、カーテンを閉めるために立ち上がる。


「__________そうだね。二人は遠くの国に旅立ってしまったよ。」


そして、猫屋敷へと振り向くこともなくそう答える。すると猫屋敷はそうなんですねと考え深い表情を見せ、ニコッと頬を上げる。


「なら先輩が寂しくならないように仔猫が側にいてやりますよ!」にゃはは


思わず目が見開く。


「あ、あれ!?先輩、どうして泣いて、何処か痛いところでも「いや、なんでもない。ただ、カーテンを閉めた時に埃が目に入ってね。」


やってしまった。不覚を取られた。あんな裏表もない表情で自分を案じてくれる猫屋敷に.............顔を洗って来よう。早朝過ぎて、精神面が安定していないんだ。そうに違いない。


「ちょっと顔を洗ってくるよ。」

「は、はい........ゲームの準備して待ってます。」

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