それはもしかして恋?
(............心眼先生、凄い綺麗だった。)
心臓が未だにバクバクと高鳴ってる。衝撃的なまでにあの笑顔にはやられた。今まさに授業中なのだが、言葉が耳に入って来ない。
(なんだ、なんなんだ.......この気持ちは.........)
気色が悪い。もやもやする。心臓を抉りとりたい感覚に陥る。もどかしい。なんなんだ、この奇妙な感触は。
「______________銀城!」
国語の教師が自分の名前を呼ぶ。
「は、はい!」
「大丈夫か銀城.......体調でも悪いのか?」
「い、いえ.....集中力を切らしていました。気を付けます。」
「生徒会選挙を控えているからな。ナーバスになるのは分かるが、あまり気負いすぎるなよ。」
優等生であるために注意ではなく、心配の声を掛けられる。こういう時に日頃の行いが生きてくる。
(..........スピーチの原稿は提出積み。生徒会顧問からのゴーサインも出た。後は丸暗記して、当日に控えるだけの簡単な作業。生徒会方面の仕事は問題ない。)
問題はハーレムヒロインズとの適度な距離の取り方だ。学園四代美少女(釘宮デレナを除く)の攻略は成功したといっていい。思っていた結末とは大分違うが、ヒロインズのハーレム脱退はすぐそこだ。
(そうだ.......あと少しで完成する。)
________________釘宮デレナ、確定ヒロイン化計画。なんてクソダサイプラン名だけど、絶対に計画を成功させてやる。
(その為に高校卒業後の人生を捧げたんだ。上手く行ってくれないと困る。)
今日は金曜日。週末。そして来週の月曜日が生徒会総選挙日。ヒロインズ攻略はなんとか自分が設けた期間内で達成できた。今気にしなければならない点は新生徒会となった後の動きだ。
(心眼心のバックアップもある......大丈夫、僕なら出来る。)
星々姫々のコントロールは容易い。そして猫屋敷が仮に生徒会に入って来たとしても星々同様に御しやすい。
(そして蓮華一華.......新たな生徒会の顧問に自ら立候補したって言っていた。)
彼女の行動パターンは未知数ではあるが、心眼心の助力に期待が出来る為、あまり心配はしていない。
(あの一件から姿を見かけたら避けるようにしていたけれど、正式な顧問になる以上、彼女と会話を交わさなければならない。)
それ自体は問題ではない。問題は生徒会外にあるのだ。釘宮デレナの奇行。そして時崎時子の破天荒、予測不能な行動パターン。制御が出来ない。
「_____________________ここからが勝負だな。」




