時崎時子の喧嘩独学
「へぇ銀城くんって結構喧嘩慣れしてるんだぁ。」
数手の攻防を得て、感心した様子で自分を評価する時崎。
「はぁ........はぁ.........」
(鳩尾、それに膝に鋭いローキックの連続.........痛みがジンジンして立っているのも辛い。)
というか痛みで膝が地面へと着きそうだ。
(だけど、倒れたらやられる。)
再起不能になるまで物理的にたこ殴りにされる。それだけはあってはならない。敗北の二文字を決定づけてはならないのだ。
(ただこの女、短気過ぎる.........)
挑発一つで手を出して来た。一般人が相手だったら確実に病院送りになっている案件だ。
(自慢ではないけれど、こちとら元全国中学生空手道選抜大会優勝者だぞ。にも関わらず防御で手一杯.......その細腕の何処にそんな力があるんだよ。)
もう一度言う。ハーレム主人公の友人とはスペックが高いものなのだ。だが、その高いステータスを持ってしても意識を刈り取られないようにするだけで精一杯だった。
「はぁ..........はぁ............流石に殴り慣れてるね。」
(顎を穿たれたら沈む......なんとか顔面、それと抑え込まれないように立ち回っていたけれど、足も限界に近い。それに腹に重いのを貰ったせいで呼吸も厳しくなってる。)
逃げるか?いや、逃げる余力はもうない。追走された後に拘束されてボコボコにされる。
「すごいすごい......ここまで私と戦えるなんて素直に凄いよ。通信空手なんて嘘でしょ。めちゃくちゃ基礎が出来上がってる正統派空手だもん。でももう限界みたいだ。もし銀城くんが私に勝てたら付き合って上げてもいいかなぁなんて考えたけど.....その様子じゃあ無理そうだね笑」
そう小馬鹿にすると、右脇腹を狙い、鋭いフックを打ってきた。
「ぐっ!!」
(避けられないっ、なら威力が乗る前に喰らいに行くッ!!)
距離を取るのではなく、距離をつめ威力を軽減させる。
「!?」
時崎の拳が右脇腹へと打たれるが威力は予想以上に弱い。時崎の右腕を即座に掴み、拘束を試みる。
「くっ、舐めるなよぉーーッ!!!」
男の急所を狙って来た。
(__________金的)
だが、それも想定内。金的をしようと思い切り蹴り上げて来たが、掴んでいた腕を引っ張る事で体勢を崩させ、蹴りは空を突く。
「_________________僕の勝ちだ。」
蹴り上げた遠心力を利用し、彼女を拘束する。
「いたい、いだだだだだ!!?ちょ、上下逆、え、ちょ、これ空手技じゃない!!!ま、まって、ねぇ、ちょ、ま、は、はなせぇこらぁあああ!!」
「あまり声を出さないでくれないかな。デートをしてる人達に迷惑だ。」
WWE選手AJス○イルズというUSAのプロレスラーを知っているだろうか?今から彼の代名詞であるス○イルズクラッシュと言う技を決めようと思う。
「この人痴漢です!助けてください!!」
「こんな体勢になるまで放置する被害者はいないと思うけど......舌だけは噛まないでよ。死んじゃうから。」
「いやいや、無理無理っ!!ここセメントッ!!リングじゃないから!!!銀城くんが今やろうと考えてる技はこんな可愛いJKにするもんじゃないよ!よ、よーし、分かった、せめて芝生でぇがぁっ!!!?!!」
決まったな。無事、時崎の意識を削ぐことに成功する。鼻血を流しているけど、それくらいで済まして上げたのだから勘弁して欲しい。そもそも格闘技が鬼強い美少女JKがいて堪るか。




