幸せの尺度は人それぞれ
現実/恋愛ランキング三位ですよー(o≧▽゜)o
「..........一人言の域を越えてるよね。」
目をパチリと開け、大きく深呼吸する。
「僕の計画の邪魔をするだって?何をいってるんだ。君は一度だって僕を理解した事はない。君が僕をものにすると言ったね。違うよ。僕が君を幸せにするんだ。」
歪んだ愛じゃない。純愛にも等しい正当な気持ちからそう言葉にしている。
(僕は君のパートナーにはなれないけれど、面林最照なら君を本当のヒロインにすることが出来る。)
だからそれを後押しする為に歩みを止めはしない。
「邪魔をするというのなら、僕はそれを乗り越えて、障害を踏み潰していく。」
覚悟は君以上に出来ている。君が針を進めたんだ。もうあの頃のようにはいかない。
『___________ゆうじ、明日からは一緒に登校できないから。』
_____________僕から離れる選択を選んだのは君だ。勘違いされるからと突き放した。
「くっ、ふふ、あはははははは!!!」
目元に手を当て、笑い声を上げる。
「___________僕は君を幸せにするよ。それが君への細やかな復讐となる。」
「____________やぁ、モテル。今日も賑やかだね。」
いつものように異性に囲まれる面林最照。ただ、以前と違うのはそのハーレムヒロインズの視線が自分に向いている事だ。
「おはよう、銀城くん。三年生がもう直ぐ卒業だ。来週には次期生徒会役員を決める校内投票が始まる。気張って行こうじゃないか!」
「はい、お互いに後悔がないように頑張って行きましょう。」
「あぁ、あぁ!私"達"の生徒会だ!」
そうそうこれだよこれ!と内心で喜んでそうな星々。そんな彼女と自分の間に一学年下の猫屋敷が割り込んで来る。
「先輩、仔猫も生徒会に立候補しますから!というかなんで昨日はライム返してくれなかったんですか?激おこぷんぷん丸です!」ジト
何が激おこぷんぷん丸だ。昨日今日ライムを放って置いただけで、百件近くのメッセージが溜まるって怖すぎだろ。
「生徒会に入る?君が?ぷっ、やめた方がいいんじゃないかな。社会性に欠ける君では恐らく上手くは行かない。」
星々が吹き出してしまう。そして猫屋敷の欠点を上げた。個人的には星々に同感だ。猫屋敷は面林と愉快な仲間達の前では口が達者になるが、それを外れると寡黙なクールビューティーになり下がる。
「むっ、こう見えても仔猫、中間テストで学年一位の成績を取りました!」
こう見えてって言っているところを聞くに自分がちんちくりんである自覚はあるようだ。
(大方、友達もなく部活も無所属で勉強する事くらいしかすることがなかったんだろう。)
にこにこと笑みを崩さず聞きに徹する。
「仔猫ちゃんも生徒会に立候補するの!?すげぇ!絶対に仔猫ちゃんに一票入れるからね!」
「モテルくんが入れるなら時子も入れるよーがんばれー」
興奮した様子で猫屋敷を応援すると立ち上がる面林。反対に興味がなさそうに棒読みで応援する時崎。
(.............時崎。)
手強い相手になる。自分とデレナの関係性を見てとれるように時崎と面林の絆は深い。
(面林が恋愛面で鈍感である事を除いても、互いの信頼度は僕とデレナの関係性よりも格段と上。)
他のヒロインズとは深度が違うのだ。時間があれば徐々に感情を此方へと誘導をすることが出来ただろう。だが、自分には猶予がない。生徒会選挙日は来週。それまでにケリをつけなければ僕の計画はより難しいものになる。
(...................過激なやり方になるが、やるしかないな。)




