表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/57

構ってちゃんほどめんどくさいものはない

猫屋敷仔猫とのLIME(ライム)を手に入れてしまった。ほぼ強制に近い形で。


『仔猫です』

『可愛い仔猫です(ФωФ)』

『にゃ~ん』

『先輩』

『にゃん!』

『見てますよね?』

『おい』

『既読無視』

『次の休み時間』

『先輩の教室行きますから』

『逃げないで下さいね』

『にゃーん涙』

『無視はにゃい』

『s』

『意地悪』

『バーカ』

『ウソにゃん』

『嫌いにならないで』

『先輩』

『銀城せんぱーい』


この後輩は確実に構ってちゃんだ。めんどくさい事この上ない。正直に言うとライムの交換は失敗だった。


(.........この後輩の攻略、どうしよう。)


好意をこちらに向けさせる事はそんなに難しくはないだろう。既に上記のライムで分かるように猫屋敷側からは好印象に見られている。更に言えばこのヒロイン、多分、チョロインなのだ。友達がいないが為に防御力が低すぎる事が露呈している。


(確か、猫屋敷が面林に惚れた理由もゲーゼンで景品を取ってくれたからとかショボい理由だった気がするし.......)


恐らく好感度を上げて、好意を持たれ始めた場合は尋常ではない面倒くささになることだろう。


(好きになられた時のリスクが高過ぎる.......)


故に猫屋敷仔猫は時崎時子と並び攻略が難しいのだ。もちろん、別の意味で。


『授業中』『携帯を仕舞いなさい』


この二通を送りつけるてみる。


『やっと返信くれた』

『にゃんヽ(=`ω´=)ノ』

『お母さんか!』

『先輩にはいろいろ』

『言わないと』

『いけない事が』

『あります』

『にゃん(ФωФ)』

『こんなに可愛い仔猫が』

『相手をして上げてるのに』

『何様のつもり』

『にゃあ(=゜ω゜=)』


なんという返信速度。よし、携帯の電源を切ろう。返事を一つ二つ返しただけでこれだけのライムを送りつけてくる。


(それに今は授業中だぞ..........休み時間に入ったらトイレに駆け込むしかない。それで鐘が鳴るまでは閉じ籠もらないと。)


あの後輩の事だ。面林ではなくラインの件でこっちに突撃してくる可能性が高い。


(それに星々とデレナの視線がさっきから凄まじい。)


胃が痛くなって来た。一旦体勢を整える為に一人になれる場所に行かなければ。







「______________授業中、誰かと連絡してたみたいだけど、誰?」







一限目が終わり、トイレへと駆け込む。それも生徒会室がある階層で人があまり来ないお手洗い。にも関わらず、誰かが隣の個室へと入って来た。


(この声は............)


...........ここ、男子トイレって知ってる?


「ねぇ、誰と連絡とってたのって聞いてるの?」


声が今度は上から聞こえてくる。覗かれてる。覗き込まれてる。


(こ、怖い.......もう誰かなんて言わなくても分かってるけど)


恐る恐る顔を上げてみるが。


「ひ、ヒィ!!?」


釘宮デレナが目を見開き、此方を見下げていた。


「誰と、連絡、とってたの?」


今度はゆっくりとそう言葉にする釘宮デレナ。


「で、デレナ、ここ、男子トイ「誰と、何を、何で、連絡、とってたのって聞いてるの?」


バンッとトイレの扉を開け、教室に戻る為に走る。もうすぐ鐘が鳴る。人のいない場所は逆に危険だ。



「あ、銀城先輩!やっと戻って来た!」



教室に戻ると開口一番に大きな声を上げて手を振ってくる猫屋敷。


「あれ、釘宮先輩と一緒だったんですね。」


..........は?ここまで走って戻って来たんだぞ?


「______________ゆうじ、教室、入ろっか?」

「.........はい。」


背筋が凍るとはこう言う事をいうのだろう。

Sigurðrー狂愛物語―

https://ncode.syosetu.com/n2652in/

感想、コメント、評価、ブクマ、いいね!宜しくおねがいします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ