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第1話 よく見る風景

10月10日(木曜)

時間は24時が過ぎたところ。


お知らせします。

こちらの電車は埼京線、大宮行き普通の最終電車となります。


ご乗車のお客様は乗り遅れがないようにご注意くださいませ。



ふぅ…今日も終電かぁ…



時間は24時ちょうど。

周りを見渡すと多くの人が疲れた表情をして電車を待っている。


ぼーっと待っている人もいれば、音楽を聞いている人、同僚らしき人と会話しながら待っている人など様々だ。


人の数は…さすが東京。

平日にも関わらず満車になるくらい。


仕事ばかりの日本で嫌になってしまう。。



そんな終電にはコソッと1日の最後の戦いがある。

それは乗車時に座席に座れるか?だ。


最寄駅まで近くならいいが、遠いとその分

立っていないといけない。

疲れた体にこれはかなり辛い…

座れるかどうかが次の日の体にも影響するとも言えるくらいに。


そして今日もその争奪戦が始まる。



ドアが開くまで離れてお待ちください〜

本日の最終電車になりますー


プシュー

ドタドタドタ


すぐ空いてる席に向かう人もいれば、入り口付近で止まる人もいたり。

もうそんな体力がなく人流にされるがままの人もいる。


その中でも今日勝った人がチラホラ。

座席を見ると、同年代くらいの男女が座れたようだ。


彼らはどこまで行くのだろう。

少し見てみよう。



ガタンッゴトン…



乗車してから30分は過ぎた。

まだ座っている。


これは今日の戦いの勝者だ。


見てみると、男性は動画を見ながらスマホを触っている。

女性は…コクッコクッ…と睡魔と戦っているみたい。


と。


男性の肩に頭が少し触れた。


電車の中でたまに見かける光景だ。

男性目線からしたら、相手が女性なら問題ない。

が、相手がオジサンだったら…(笑)


その後も何度も女性は、コクリコクリと睡魔と戦いながらも男性の肩に触れては離れてを繰り返している。


意識は夢の中のようで、女性は頭が触れている事に気がついていないみたい。


ガタンゴトン…ガタンゴトン…


もう乗車してから45分は過ぎようとしている。


コクリ…コクリ…


ドサッ


「!!!」


「はっ…!!」


女性の頭が完全に肩にぶつかった。

それと同時にお互いびっくりしたリアクションをしている。



ペコ…ペコ



眠い目も覚めたような勢いで女性が何か言いながら頭を下げている。

男性も気にしていないそぶりで何か話しているようだ。


と、次の駅に着いた。


スッ…


2人とも立ち上がった。



どうやら偶然にも自宅の最寄駅か同じだったようで。

さっきのことがあったから、気まずそうな2人。

立ち上がった2人はまたなにか会話を交わし、降車した。



今日はすごい偶然があった。

横に座った人の頭が肩に当たることはあったりする。


けど、その相手とまさか同じ駅が最寄りなんて。


でも、もしかしたらこれは何かのご縁になるのかもしれない。



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お読みくださいましてありがとうございます。

いかがでしたでしょうか?

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