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覚書/歴史学の通説的な時代区分

動画で日本には中世が存在しないとか、欧州には近世がないとか、異説が横行しているので、歴史学の一般論を解説。一応私は史学科の出です。


《時代区分と特徴》


〇原始:文明以前の段階。人類の登場。原始共同体(石器時代以前)→氏族制(新石器時代)。言語・石器・火の使用。舟・衣類・家屋・土器の発明。狩猟採集から農業牧畜への移行。集落の発生(一部は都市化)。


〇古代:奴隷制を基本とする。王権の確立。都市・金属・文字の文明三要素が揃う。メソポタミアやエジプトなど各地域の古代文明。欧州ではギリシャ・ローマ文明などの地中海文明。中国では殷王朝。日本では、弥生時代あるいは古墳時代からと言われる。弥生時代段階で文字・金属・都市は出そろうが、文字の発見例は少なく、金属は鉱石からの冶金技術がない。本格的な冶金は、たたら製鉄が確立した5世紀からである。ゆえに日本における古代はそのころであると個人的には考える。7世紀の大化の改新以降、古代的な特徴が際だつようになる。

縄文時代は確かに高度ではあるが、「都市」と仮定されるかもしれない三内丸山遺跡のみを要件として「縄文文明」と言うのは、メタファー的な誇張であって、通説ではない。

 ――通常、古代都市は城壁に囲まれた集落を指すので、その要件を満たす日本のそれは、弥生時代の環濠集落以降の集落である。


〇中世:農奴制・封建制・荘園制が基本。城塞都市が発達。欧州では西ローマ帝国滅亡後。中国では三国時代。日本では鎌倉時代以降。ただし考古学的には、土器と体制のすり合わせの都合で、院政が確立した平安時代末期・12世紀とする。


〇近世:中世と近代の過渡期。非城塞都市・運河・貨幣経済が発達。小作制。火薬武器の発明。新大陸発見・列強植民地の発生。欧米では東ローマ帝国滅亡以降。中国では宋王朝。日本では安土・桃山時代もしくは江戸時代以降。マルクス史観の補足。


〇近代:資本主義・帝国主義体制。新聞・雑誌・ラジオなどのマスメディアが発達。市民社会。産業革命以降の世界。化石燃料の大量消費(※アスファルトは原始時代から、石炭は中国・宋朝から利用されてきた)。反射炉発明にともなう鉄の大量生産。(なお鉄大量生産に欠かせない高炉については中国が古代・漢代に、ドイツが14世紀・中世に発明している)。ガス・電気・鉄道・自動車・飛行機・無線・電話・映画・レコードが発達。マルクス史観では近世~現代が未整理。


〇現代:コンピュータの登場とネットの構築。レーダー、テレビ。遺伝子情報の解析。宇宙探査。市民層間で格差が開く。マルクス没後の世界。米国が世界の自由主義・資本主義を牽引。一方でロシア・中国など社会主義国家が台頭し対抗する。マルクスは社会主義体制から共産主義体制になると予測したが破綻。ロシア・中国は資本主義採用をしつつ権威主義に移行。自由主義諸国の資本主義体制は維持される。欧米ではスペイン内乱後、日本では第二次大戦後。


ノート20250723



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