読書/チェスタートン『青君の追跡』ブラウン神父シリーズ
ミステリ短編
登場人物
〇エピソド主人公:マグルトン(※お人よしを意味する名):探偵・事件の目撃者。容疑者。
〇アンソニイ・テイラー:大富豪の秘書:感じが悪い。マグルトンや神父を見下した態度をとる。アリバイの問題から容疑者となる。
〇J・ブレアム・ブルース:探偵マグルトンの依頼者・大富豪:いとこバートランド・ブルースから命を狙われ、殺害された。
〇バートランド・ブルース:J・ブレアム・ブルースを殺害した犯人。
〇ブラウン神父:小柄でとぼけているが、頭脳明晰。事件を解決する真の探偵役。
〇グリンステッド警部:紳士的で神父に敬意を払っている。スコットランドヤード所属。
〇老漁師:防波堤の所有者:変人・狂信者。
概要
英国が舞台。港湾防波堤で大富豪がいとこに殺害される。用心棒に雇われた探偵が待ち合わせ場所である防波堤小屋に行くと、犯人によって外から鍵をかけられ、依頼主を助けることができず、まんまと殺害されてしまう。大富豪の死体といとこの行方は判らない。――翌日、小屋の所有者である漁師の老人によってドアが開けられ救助された探偵は、一部始終を警察に話す。だがそこで遅れて現地にやってきた大富豪の秘書が横槍を入れ、第一発見者である探偵こそが犯人ではないかと警察や神父に主張する。警部や神父は探偵の言葉通りだと断言する。食って掛かる秘書に二人は、――アリバイの面で、あなたも容疑者の一人になっているがゆえに、マグルトン探偵に冤罪を着せようとしている――と言うと、盲点をつかれて焦った秘書は、――ならば旦那様の死体はどこにある?――とまくし立てる。神父は、――防波堤直下の水面下に老漁師が網を張っている。大富豪といとこの遺体はそこにからまっているはずだ――と言い当てる。探偵が言うように大富豪はいとこに殺害された。いとこは足取りを消すために海に飛び込んだが、海は荒れていておぼれ死んだのだ。
ノート20240930