覚書/古代帝国の人口・兵員の推移
中国各時代:人口(兵数)
〇春秋時代後期(青銅器時代):500万(兵員87.5万説:兵率20%)……戦車数から試算
※(兵員の補正:人口500万×兵率0.03=15万人)
〇戦国時代(鉄器時代):2000万(兵530万人説:兵率26.5%)……兵員数から試算
※(兵員の補正:人口2000×0.03=60万)
〇前漢末(統一帝国時代):6千万……戸籍から試算
〇後漢:5.6千万
〇三国・南北朝:詳細不明(国家把握戸数が1/10になる)
〇隋:4.6千万
〇唐:5.2千万
引用参考文献
加藤徹「中国人口の歴史」明治大学(1999.05.20)
※所見:春秋・戦国時代の人口は、『孟子』『戦国策』『史記』といった古典から、梁啓超氏、加藤徹氏ら研究者が戦車・兵員数を算出している。加藤氏は後述するようにこの兵率はあり得ないとしている。……私は、漢代以降の人口から勘案して、もともと人口は合っていたのだけれども、往時の歴史家達が兵員数を盛ったと推察される。また、ローマ帝国5千万(漢帝国とほぼ同じ):この推移は地中海世界での青銅器時代、鉄器時代、統一帝国時代での人口の推移と同様のものだと推察される。
資料1 第二次世界大戦の兵率:
1945年米国:人口1億5千万(800万):第二次世界大戦での兵率5%
――戦後:人口1億5千万(59万):常備兵力0.04%
1950年米国:人口1億5千万(100万):朝鮮戦争での兵率0.06%
追い詰められた国家日本の場合の兵率:
国交省「1945年、終戦直後の日本の人口」より
https://honkawa2.sakura.ne.jp/8050.html
「第一説 日本の人口構造の変化」で示されたアジア各地における終戦時の日本軍の兵数は、日本の兵員1945年:660万人。当時の人口は7200万人である。つまり総人口に占める兵率は9%だった。
資料2 現代の兵率
一般的な兵率上限の指標:人口に対して3%
比較的余裕のある超大国(アメリカ)が本気をだしたときの兵率:5%
追い詰められた列強(日本)の兵率:9%
アメリカの人口(2023年):3.5憶人 兵員46.1万 兵率0.13%
日本(2023年)の人口1.25億 15.4万人 兵率0.12%
兵員(常備)14.8万人・予備役0.6万人:15.4万人
中国の人口(2023):公称14憶(実質10億) 兵率0.22% 兵員223万人
北朝鮮(2021):人口2597万 兵率4.65% 兵員120万
スイス人口(2023):900万人 兵率1.5% 兵員14万人
∴結論:兵率は平時1%前後、軍事国家5%、最大動員9%
ノート20240304
※現代の日本の兵率は予備役を加えても15.4万人、0.12%に過ぎない。在日米軍兵員5万を日本の自衛隊兵員15万に加えて20万、日本の人口1.25億人で割ると、0.16%となる。その差0.04%が戦争を抑止させているわけだ。
日本(2023年)の人口1.25億 15.4万人 兵率0.12%
兵員(常備)14.8万人・予備役0.6万人:15.4万人




