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読書/チェスタートン『秘密の庭』ブラウン神父シリーズ

Ⅰ 総説


G・K・チェスタトンの推理小説「ブラウン神父」シリーズに登場する探偵役のブラウン神父は、英国サセックス教区のカトリック司祭だ。初登場「青い十字架」(1910年)。「青い十字架」は『ブラウン神父の童心』(中村保男翻訳・東京創元社2016年)に所収されている。要は代表的な古典推理の一つである。


「秘密の庭」も同じく『――童心』の所収短編だ。


Ⅱ 登場人物


視点者:パリ警視庁警視総監アリスティード・ヴァランタン。サロン主催者。

容疑者:仏外人部隊司令官オブライエン:アイルランド人。サロン招待客。

容疑者・被害者:ジュリアス・K・ブレイン:億万長者・篤志家。サロン招待客。

証言者:英国大使ギャロウェイ卿夫妻および娘のマーガレット。サロン招待客。

助手役:仏科学者・シモン博士。サロン招待客。

証言者:モン・サン・ミシェル公爵夫人。サロン招待客。

探偵役:ブラウン神父。サロン招待客。

モブキャラ:警視総監私邸の使用人・イヴァン老人


Ⅳ 舞台


警視総監私邸で催されたサロン


Ⅴ 経過


警視総監私邸でサロンが催されていた。その最中、見知らぬ男の遺体が発見された。遺体は首が切断されている。庭は塀と建物とに囲まれている。いわば密室だった。科学者シモン博士の裏付けを得たブラウン神父は短剣で首は切断できない、斧か長剣でなくては無理だという。


容疑者は、サロンにまだ姿をだしていない招待客の一人である億万長者のブレイン氏と、サーベルを帯剣してきた傭兵隊司令官オブライエン氏の二人だ。英国大使夫妻はオブライエン氏が疑わしいとし、公爵夫人はブレイン氏が怪しいと主張する。オブライエン氏についてはマーガレット嬢がアリバイを証言したので、その線はなくなった。曰く、犯行時刻において、中庭でプロポーズされていた。――招待客の英国大使令嬢マーガレットに求婚したが、マーガレットは好意をもちつつも両親が快く思っていないから――という理由で断っていた。


やがて捜査に当たっていた警官の一人から、サロン会場から離れた河原で、ブレイン氏の首が発見されたことが報告される。


ここで、シモン博士が科学者の立場から、いくつかの疑問点を提示し、それに回答する形で、ブラウン神父が謎を解き明かしてゆく。


最大の疑問は、犯人がなぜ首を切断したのかということだ。


ブラウン神父の結論はこうだ。


犯人が死体の首を切断したのは、サロン会場の私邸に先に来ていたブレイン氏を殺害し、首を斬り落とし鞄に詰めて職場の一つである刑場に行く。刑場にはギロチンにかけられた死刑囚の首がある。それを持ち帰って庭にあるブレイン氏の死体につなげ、サロン招待客が誰も見たこともない別人であるかのように偽装したのだ。――つまり警視総監が犯人だった。


殺人の動機は、科学万能主義の警視総監は精神異常者で、迷信と見下す教会に寄付をする篤志家ブレイン氏が癇に障り、発作的に殺害したものだった。事件解決後、サロン招待客たちは警視総監が自室で服毒自死しているのを発見する。


Ⅵ 所見


キーワード:「革命」

アイテム:「ギロチン」

アイディアが行き詰ったとき、閃く場面で、ブラウン神父が神様に祈るところが萌えである。


ノート20250216

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