覚書/アニメ『機動戦士ガンダム・ジークアクス』
2025 年4月から始まった本作『機動戦士ガンダム・ジークアクス』全12話が6月下旬、ついに完結した。
アンチ視聴者が、「ジークアクス」の疑問とされることで、シュウジとララアの関係がなされていないではないかとしている。これについて個人的に、シュウジはララアのストーカーだと解釈しているW それはさておき ―― 真面目な話――村上春樹の小説に、伏線未回収のような欠陥作品のほうが読者の印象に残る。そういう意味で伏線未回収もまたありなのだと思う。
本作は、
〇シャア大佐とララアがいる。
〇ヒロインのポーズがアニメ版『時をかける少女』。
〇『タイムボカンシリーズ』のドロンジョ様みたいなトリックスターがいる。
〇シュウジは往年のシャア役池田秀一からきている? 『重力ピエロ』に出て来る落書き消し屋にして画家ヴァンクシーみたいな子。異世界転移者。
〇実は物語世界がアムロに撃たれたララアの夢。ラブクラフトの「幻夢境」というよりは、映画版『魔法少女まどか☆マギカ』の救済世界。――いや、『うる星やつら:ブーティフルドリーマー』だ。すると夢世界の破壊者という点でシュウジは、諸星あたるの置き換えということになる?(W)
――萌え要素てんこ盛りだ――
本作を『シュタインズゲート』のような世界線だと語る方がいた。その作品の名前はときどき耳にするのだけれども未視聴。検索するとゲームからTVアニメ化した作品で、ある開発者チームが、とある少女二人を生き残らせるために、過去にメールを送り続け、過去を改ざんするものなのだそうだ。
私にとってのガンダムシリーズは、シャアがいないと面白くないので、ジークアクスに登場するというので視ただけだ。――「正史」にありがちな、皆殺しのクライマックスになりがちなガンダムにおいて、メインキャラをほぼ生かしたところは真逆の展開で、大きいところ。――もちろん、スーパースターである、シャアとヒロインのララアを生き残らせたことは、極めて大きな救いである。
戦闘場面でも最後までテレパシーによる対話し、歴代ガンダムにありがちだった、ちょっとしたすれ違いで殺害に及ぶセンシティブ度が小ささはありがたかった。――マチュの姿勢をファンは、「ガンダム史上初の不殺のヒロイン」とも「聖女」だとも書き込んでいる。
『逆襲のシャア』でシャアが陥ることになる「虚無」を、友人のシャリアブル中佐が察知し、小惑星要塞アクシズを地球に落とすのを、身体を張って押しとどめる。
シュウジ少年はもう一人のシャアである。ララアがシャアを救済するために作り続けては失敗してきたため、何度も愛するララアを殺害しては破壊し続けてきた。そうしているうちにやはり「虚無」に陥ろうとしていたのである。
――シャリアブルと行動をともにするようになったマチュは、
「正史」では破滅してしまうあのカップルを、シャリアブルとともに救った。
――ラストでシャアが、避難民キャンプにいるララアを迎えに行くシーンは、涙腺を誘うものである。長らく描いた私の願望通りの結末だった! 満足!
ノート20250626
追記「ジークアクスの楽しみ方」:
アマプラで☆2.5/5にした人たちは、楽しみ方が判っていない。ジークアクスはデザートだ! ――メインディッシュがファーストで、他はスープとかサラダとかね。




