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読書/チェスタートン『青の十字架』ブラウン神父シリーズ

Ⅰ 総説


G・K・チェスタトンの推理小説「ブラウン神父」シリーズに登場する探偵役のブラウン神父は、英国サセックス教区のカトリック司祭だ。初登場「青い十字架」(1910年)。「青い十字架」は『ブラウン神父の童心』(中村保男翻訳・東京創元社2016年)に所収されている。代表的な古典推理の一つである。



Ⅱ 登場人物


視点者:仏パリ警視庁の敏腕警部アリスティード・ヴァランタン。大泥棒フランボウを追っている。

容疑者:ノッポの神父・実は大泥棒フランボウ

容疑者:小柄な神父・実はブラウン神父

NPC(証言者):果物屋の親爺、レストランの給仕

探偵役:ブラウン神父。サロン招待客。



Ⅳ 舞台


ロンドン



Ⅴ 経過


神出鬼没、狙った獲物は逃がさない大泥棒フランボウ。頭がよく、教養もある大泥棒にパリ警視庁は翻弄されていた。この男の逮捕に執念を燃やすパリ警視庁の敏腕警部が、ロンドンまで追って来た。


そこで奇妙な事件が起きる。フランボウ警部は、レストランの壁にスープをかけたり、果物屋の果物がひっくり返したりといった奇行を繰り返す小柄な神父を目にする。小柄な神父はノッポの神父と行動をともにしている。証言によるとノッポのほうはまともなのだが、小柄な神父の奇行を止めようともしていない。警部は神父を取り押さえるべく、ロンドン警視庁の警察官の協力を仰ぎ、ついに川沿いの公園で、二人の神父が神学談義をしているところを警察官で包囲した。


小柄な神父は探偵役のブラウンだ。数多の犯罪者たちの懺悔を聞いているうちにブラウン神父の脳内には大容量の犯罪データが出来上がっていて、たまたま出会った大柄な神父のいくつかの所作から彼が大泥棒であることを悟った。――事実、大泥棒は教会から値打ち物である「青の十字架」を盗み、警察をまくために部下に手渡そうとしていたのだった。――ブラウンは大柄な神父が大泥棒であることを証明するため、レストランで、誤った勘定を提示したり、窓ガラスを壊したり、はたまた壁にスープをかけたりしたかと思えば、果物屋の果物をひっくり返すなどの悪戯をしていた。そしてまた、そんな器物破損行為を繰り返すことで、ヴァランタン警部が大勢の警察官を率いて追いかけて来て、大泥棒一味を一網打尽にする策略でもあったのだ。



Ⅵ 所見


キーワード:「理性」

アイテム:「青の十字架」

神様を必要としない近代合理主義「理性」を象徴する警察。対して、中世的な「信仰」神様の代行者である神父が探偵役として一枚上なのがミスマッチでニヤっとなる。

神父のもとには、やってくる犯罪者たちが「懺悔」することで犯罪情報をビッグデータ化させてしまった。


ノート20250222

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