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異世界転生系1

 勧誘結果は……ダメだった。

 

 

 トウヤとも合流できたので、

 気を取り直して、レミちゃんが頑張って獲得した部室で早速部活動をやることに。


 部室には、まだ安っぽい椅子と机とホワイトボードしかないけれど、

 部活動をやるには十分。


 僕はペンを取ってホワイトボードに異世界転生系と書いた。


 とりあえず一回目なので、高校の頃のように、僕が仕切ることにした。


「記念すべき部活動第一回目は異世界転生系で行こうと思うよ」


「「はーい」」


 ののかとレミちゃんが嬉しそうに返事をしてくれる。


「なんかこの感じ久しぶりだな」


 トウヤも楽しそうだ。


「そうだね」


 この四人でやるのは、久しぶりだ。

 いろいろあったからね。

 でも、思い出に浸るのは後回しにして早速、部活動を始めていこう。


僕はホワイトボードに

転生候補者と書いた。


「今日のお題は、異世界転生系なので、まずは、どういった人物を転生させるといいかについて考察していきたい」


「考えやすいように、転生元は日本、転生先はとりあえず、剣と魔法の世界としようか」


レミちゃんが手を上げる。


「はーい。あたしからいいですか」


「はいどうぞ。レミちゃん」


「見た目さわやか系なのに、内面サイコパスな人が強いと思います」


 なんかすごく具体的だし、僕を見ながら言うのはやめてほしい。

 鏡を見ながら同じこと言えるのだろうか。

 それはともかく、

 

「サイコパス、殺人鬼とかは転生したら強そうだよね」


 今度は、トウヤが手をあげたので、僕はうながした。


「強いやつなら、特訓している奴とか、格闘技で優勝した奴とかがいいんじゃないか」


「たしかに、日本の独自の戦い方を剣と魔法の世界に持ち込むのは強そうだね」


「織田信長とか戦国武将に転生してほしいなぁ」


 歴女の、ののかがそんなことを言う。


 僕は『現代』日本とは言わなかったので、それもありだろう。


「戦争経験者を転生させるのも強そうだね」


「それがいいんなら、日本の妖怪とかでもいいのか」


 トウヤがそんなことをいう。


「いいと思うよ」


 僕はうなずいた。


僕はホワイトボードに

・サイコパス 殺人鬼

・格闘技武術経験者

・戦争経験者、戦国武将

・妖怪など空想上の生き物

と書いた。


「今書いたのは、最初から強い人たちだよね」


「そうだな」


「やっぱり異世界転生系は、無双系、強さでどんどん敵を倒していくのも人気だから、いいと思うんだけど、今あげたに例だと弱点があるんだけど、トウヤ何かわかる?」


「わからない。何が弱点なんだ?」


「共感や自己投影しにくい、かな?」


 代わりにののかが答えてくれた。


「ののか正解! 読者って普通の人がおおいだろう。読者が、妖怪や戦争経験者なわけないし、サイコパスや格闘技経験者で読書するのは少ないと思うよ」


「悠久や俺みたいなのは少ないよな」


 どうしてトウヤまで僕をサイコパス扱い……僕は剣道経験者だった。

 最近あんまり剣道はやってないから自分のことなのに忘れていた。

 トウヤは空手をやっている。現役バリバリだ。


 気を取り直して、僕はしゃべる。


「共感優先するなら、やっぱり普通の人が候補になってくると思う」


僕は

・普通の人

とホワイトボードに書き足した。


「さらに言うなら転生系を読むのって、やっぱり転生したい人たちだと思うんだよね。そこにフォーカスするなら、自己肯定感の低い人ということになるかな。いじめにあっている人、容姿が悪い人、ブラック企業に勤めているとか不幸な人というのも候補にあがってくるかな」


「悠久は本当に口が悪いよな」


「まあ、あくまで物語を書く上でのことだから、オブラートに包んでもしょうがないし」


 僕はそう言いながら、

・不幸な人

 と書き足した。


「悠久、こうなってくると誰でもいいってことか」


「まあ、そうなるね。書きたいので書いたらいいんだけど、メリットデメリットを整理すると」


・最初から強い人

 メリット 強さの理由付けが簡単

 デメリット 読者の共感、自己投影がしにくい


・普通の人、不幸な人

 メリット 読者の共感、自己投影がしやすい

 デメリット 強さの理由付けを別で用意する必要がある


「となるんだけど、難易度でいうと、普通の人、不幸な人の方が転生系は書きやすいんだよね」


「なんでだ?」


「共感を得る方法のテンプレはあんまりないんだけど、強さ理由付けのテンプレが結構もうすでにあるからかな。一番簡単なのが、神様や召喚者がチート能力を授けてくれましたという他力チート型、転生先の人物の才能を得る転生才能型、異世界がゲームの世界の場合のゲーム型、不幸な人の限定だと不幸反動型などかな。他にもあるとおもうけど、メジャーなのはこの辺りだと思う」


強さの理由付け

・他力チート型

・転生才能型

・ゲーム型

・不幸反動型


「転生して一回リセットはさんでるから、強さの理由付けは何でもありなんだよね。本当は転生なんかさせずに、その世界の人物として書き始めてもいいはずなんだけど、むしろ共感を得るためだけに、主人公を冒頭で死なしているまである」


「なんか酷いな」


「物語の書き方なんてそんなもんだよ」


「そういえば悠久は、ホラー系書くなら、人いっぱい死ぬから、人いっぱい登場させとけみたいなこと言ってたよな」


「よく覚えてるね。似た感じだよ」


「そうなると転生理由の方がむずかしくないですか?」


 レミちゃんが聞いてくる。


「そうなんだよね。転生理由だと、運よく、運悪く、いいことをしたご褒美、悪いことをした罰とかかな。もう転生理由については触れないとかもある」


「触れないとかありなのかよ」


「じゃあ、なんでトウヤは今生きてるんだよ」


「それは……なんでだろう」


「まあ、答えられないよね。僕らが生きていることに理由があるわけではないから。普通に仏教でも輪廻転生の考え方もあるし、転生は特に理由もなく転生するものとしてるのも多いかな、この辺りを自然に見せるのが作者の腕の見せ所かな。もう読者の方が慣れてて、理由がなくても、スルーして読んでるというのもあるかもだけど」


「そんなに転生系の物語多いのか?」


「転生系はなろう系っていうこともあって、小説家になろうってサイトにいっぱいあがってるから、そこで面白そうなのを探すのがおすすめだよ」


「うん。トウヤ君、私もよくそこで読んでるよ」


 ののかが賛同してくれた。


「へーそうなんだ。今度見てみようかな」


「今日はこのくらいにして、最後にまとめて、続きは明日にしようか」

「はーい」


異世界転生系1まとめ

〇転生候補

 ・最初から強い人

  ・サイコパス 殺人鬼

  ・格闘技武術経験者

  ・戦争経験者、戦国武将

  ・妖怪など空想上の生き物

   

  メリット 強さの理由付けが簡単

  デメリット 読者の共感、自己投影がしにくい


 ・普通の人、不幸な人

  メリット 読者の共感、自己投影がしやすい

  デメリット 強さの理由付けを別で用意する必要がある


〇強さの理由付け

 ・他力チート型

 ・転生才能型

 ・ゲーム型

 ・不幸反動型


〇転生理由

 ・運よく

 ・運悪く

 ・いいことをしたご褒美

 ・悪いことをした罰

 ・転生理由なし

  など


〇読むなら『小説家になろう』のサイトがおすすめ

物語の特性上、若干メタ発言が入ります。

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