通常の強さを逆手にとって強さを魅せよう。
「僕とトウヤが喧嘩したら、僕が勝つだろう」
「お前、なに当たり前のこと言ってるんだ。お前は剣道やってるし、俺は空手。喧嘩するとき、お前初手で武器にぎるだろう。勝てるわけがない」
「まあね。トウヤは知ってると思うけど、昔から剣道三倍段って、剣道家に対して、空手家や柔道家が互角に相対するためには、段位として三倍位が必要とされているんだよね」
「当たり前だろ。武器持ってる相手に素手で挑んだら、触れる前に倒されちまうよ」
「同様に、鎧武者に刀だけで勝負を挑むのは無理がある」
「そうだな。切り込むところなんてほとんどないからな」
「鎧武者だって、銃に戦いを挑んだら、負けるしね」
「歴史で、織田信長の戦い方が証明してるよな」
「という、みんなの常識を逆手にとって、小説では強さを証明するんだ」
「というと?」
「例をあげてみよう」
例
・素手で剣に勝つ。
『そんな剣、当たらなければただの鈍らだ』
・刀一本で、鎧武者に勝つ。
『そんなに鎧を着こんだところで、斬れるところ斬れば意味がない』
・剣で鎧ごと斬る。
『鎧ぐらい、斬れなければ、ドラゴンなんて傷ひとつつけられない』
・銃に勝つ。
『射線を予測して、避けてしまえば、そんな弾はあたらない』
「それができれば、苦労はしねぇんだよ」
「まあ、そうなんだけどね。これで、剣道三倍段、つまり確実に三倍以上強い強者感が出せるってわけだ」
「確かにそうだな」
「僕らが、書いてるのは小説。作り話なわけで、現実にできるかどうかは関係ないよ。いかにして、読者にそれが普通の雰囲気を醸し出しながら、主人公TUEEeeを感じてもらえるかが重要ってわけだ」
「なるほどな。うまく活用できるようになるぜ」
「まあ、たまに、小説の内容をそのまま信じ込む人がいたり、マジレスしてくる人がいるけど、温かい目で見守ってあげようね」
「わかったぜ」
「ということで、まとめだよ」
〇通常の強さを逆手にとって強さを魅せよう。
例
素手で剣に勝つ。
『そんな剣、当たらなければただの鈍らだ』
刀一本で、鎧武者に勝つ。
『そんなに鎧を着こんだところで、斬れるところ斬れば意味がない』
剣で鎧ごと斬る。
『鎧ぐらい、斬れなければ、ドラゴンなんて傷ひとつつけられない』
銃に勝つ。
『射線を予測して、避けてしまえば、そんな弾はあたらない』