会話文練習法
「うーん。悠久また質問いいか?」
「今日はどうしたんだよ」
「今度は会話がうまくいかないんだよね。なにか練習法ないか?」
「そうだね。いろいろあるから、一つずつ考えていこうか」
・決め台詞を考えよう
「そのキャラ特有の決め台詞を決めるといい感じになるよ」
「例えばどんなだよ」
「『転生者とかいう外来種は俺が駆除してやんよ!』 とかかな」
「癖つよすぎないか」
「現実だと絶対言わないようなセリフだとインパクト出ていいと思うよ。戦闘シーンのたびに繰り返し使ってみたりするとキャラクターに味が出るしね」
「特撮の変身シーンみたいな感じか」
「そうだね」
・作ったキャラクターに成りきってしゃべらせてみよう。
「自分にキャラクターが憑依してきたぐらいのつもりでしゃべってみるといいよ」
「例えば?」
「世界征服しようとしてる魔王とかかな。やってみて」
「はっはっはっは、この世の全ては俺の物だ! みたいな感じか」
「うまいうまい。今度は、世界は征服しようとしてるけど、部下にもどう配分するか悩んでいる魔王で」
「この世はすべて俺の物だが、部下たちにはどう配分するべきなのだ。あやつは優秀だが、実績をあげておらぬ。だがやる気を失わせるわけにも……って難しすぎるだろう」
「いい感じだよ。しゃべることによって、キャラクターの深みも出てくるからね」
「キャラメイクも同時にできるのか」
「そういうことだね」
・キャラクターの設定をより深くしよう。
「今はなしたことだけど、会話がうまく出ない理由の一つに、キャラクターの作り込み不足があると思うよ。設定をより深くしてみるといいかもしれない」
「例えば、どんなキャラだよ」
僕はトウヤを見ながら説明する。
「キャラ属性で、守銭奴というキャラがいたとするだろう、さらに仲間よりもお金の方が大切だって条件を足すと独自性がでてきて、会話が面白くなるだろう」
「そんな人でなしいるのかよ」
「友達にね」
「そんなやつと友達になるなよ」
僕は苦笑いを浮かべた。
「まあ、いいじゃないか。いいとこもあるんだよ」
・ジョーク集の内容をしゃべらせてみよう。
「ジョークは基本会話だからね。真似してみると会話の質が高まるよ」
「例えば?」
僕はホワイトボードに書いてみる。
―私、歌手か絵描きどっちになるか悩んでて。
―迷わず歌手になりなさい。
―歌聞いてくれたの?
―絵をみたのよ……。
「こんなジョークがあるけど、ぼくらがしゃべってみると」
「俺、コメディ作家か推理小説作家どちらになるかなやんでるんだけど」
「迷わず、コメディ作家になれよ」
「コメディ小説読んでくれたのか?」
「推理小説読んだんだよ……」
「ああ、ジョークぽくなったな」
「そうだろう。こんな感じで練習してるうちに、作品中に入れれるようになってくる。おすすめだからぜひやってみてほしい」
・アニメなどのお気に入りのセリフを、自分のキャラにしゃべらせてみる
「まあ、あくまで練習でね」
「それはそうだよな」
「でも、『こんにちわ』って書いて、俺の文章のパクリだ! っていうのは、やっぱりおかしい。そもそも人間は祖先から言葉ならって、しゃべっているんだから、一言だけなら、パクリとはいわないとおもうんだよね。キャラクターの作り込みとか会話の流れをまるまる写しちゃうのはもちろんダメだけどね」
「了解」
「じゃあ、まとめだよ」
〇会話練習法
・決め台詞を考えよう
・作ったキャラクターに成りきってしゃべらせてみよう。
・キャラクターの設定をより深くしよう。
・ジョーク集の内容をしゃべらせてみよう。
・アニメなどのお気に入りのセリフを、自分のキャラにしゃべらせてみる