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全てはチョコレートのせい

「リ、リーナ、その、お菓子のせいで、半日も寝込んだの?」

母様が声を震わせてたずねる。

「いやいや、きっとその菓子になにか良からぬものが入っていたのでは無いのか?」

父様もさすがに原因が美味しいからって事に納得はしない。毒…とまでは行かなくとも何かしらの混入を疑うよね。

そんな両親の困惑をよそに、姉様は手を頬に当てて首をかしげながらボソッと答えた。

「えっ....でもあのお菓子、ボンボンよ?」

ボンボン!?

「でも、他のご令嬢が平気だったのなら、私のだけボンボンだったのかな?」

1人でうーんうーんとつぶやく。

なんか耳慣れない単語があるな?

「姉様、そのお菓子って何だったの?」

「チョコレートボンボンよ。ここでは珍しいんだよね?」

チョコレートボンボンとはなんぞや?

焼き菓子の可愛いヤツとは違うのか?

「チョコレート…だと!?」

父様が顔を強ばらせて言った。

「チョコレートって何ですか?」

僕が父様を見ながら聞く。

父様は強ばった表情で答えてくれた。

「チョコレートとは、最近王宮に献上されたばかりの、とても珍しいお菓子だ。先日の謁見日に南の国から来た商人によって持ち込まれた物のはずだ。」

「お菓子....食べ物ですか。」

食べ物と聞いて母様は少し安堵したらしい。


「だが、まだ王宮外には出てないハズだ。流通の許可も出してないし、持ってきた商人も我が国で1番に王宮に持って来たと言っていたからな。」

「我が国で外国の食材を販売するには、許可証を取得しなければならないのは、商人なら知っている常識のはずだ。」


え、なんでそんな未知の物が子供のお茶会に出てくるの?

「姉様、昨日のお茶会を主催したのはベルアーニャ侯爵家ですよね?他はどなたが参加されたんですか?」

とりあえずメンバー確認からだ。

「うっ....え〜っとぉ」

めっちゃ向こう見てますね?

覚えてないんですね?

お茶会もまだ数回目ですからね。

加えて記憶も人格もなんかおかしいですからね。

でも、覚えてないと母様に怒られると思いますよ?

「あ、でもチョコレートを持ってきてくれたのは白銀の髪の男の子だったよ!天使かと思った。庭からコソッと入ってきてチョコレートをベルアーニャ侯爵令嬢に手渡してサッと帰って行ったの。」

なにそれ、レディーのお茶会に男の子が入って行くってどんな罰ゲームだよ?

勇者だな!

「白銀の髪の男の子!?リナリア、それは本当か?」

父様が凄い顔で聞き返す。

「うん。とても綺麗だった!瞳はアメジストみたいだったわ。でもちょっと慌ててたみたいだったわね〜」

顎に指を当てて姉様が思い出しながら言う。

「瞳はアメジスト....間違いない、王太子殿下のお子様だ。」

父様が額に手を当てて困ったように言った。

「王太子殿下のお子様....カイン殿下ですね。確か、僕の1つ歳下で大変元気な方だと。」

大変元気な方。

そう、とても活発なお子様って聞いてる。

王族なのに良く護衛をまいて居なくなるとか何とか。

「ああ、ユリウスは良く勉強しているな。その通り。カイン=エルシャワール殿下だ」

そのお子様が珍しいお菓子持ってお茶会に参加?

うわあ、なにそれどういう状況?

「そ、それでカイン殿下がそのチョコレートを持って来て皆で食べたのか?」

「みんなで、というか、テーブルの真ん中に箱を置いて、みんなで観察してたんだけど、とても美味しそうに見えて、だから私がちょっと食べてみたらあまりの美味しさ(なつかしさ)に心がドキドキしてしまってぼうっとしてしまって、ふわふわとしてる間にマリアに抱えられて帰って来たのよ、と思うわ。」

姉様は思い出したのかちょっと頬を染めて恥ずかしそうに言った。

ナニソレコワイ。

食べてドキドキして倒れるって、美味しくても毒みたいじゃん。

「なるほど。多分カイン殿下がこっそりチョコレートを持って行って、皆の反応を楽しもうと思ったのだな。だがしかし、倒れるほどの味ならばやはり禁止にすべきか...?」

「えっと、父様。さっきも言いましたけど、あのお菓子にはお酒が入ってたと思いますよ?」

「何っ!酒入りだと!?」

「ええ、ブランデーかしら?甘くて美味しい液体がチョコレートと一緒に喉に入って行く感じがなんとも言えず不思議な感じでうっとりしてるとお腹で火が着いたようにほかほかしてきて、あっという間にふわふわとなってしまうのよ。うっとり。」

姉様がうっとりしながら思い出してる。

ちょっと姉様、その感想子供らしくないですからね?

ほら、父様も母様も焦ってますよ?

「とにかく、チョコレートの件は明日王宮に問い合わせてみよう。子供には危険だとわかった。」

全てはチョコレートのせいだと言うことで父様達は納得したみたいだ。

っていうか、姉様の口調も性格も違うのになんでそこは気にならないのか?

父様も母様もなんでそこには触れないのだろう?


とりあえず、姉様に直接聞くしかない。


「姉様、夕食までちょっと庭でも散歩しませんか?」

「ええ良いわよ。」

僕と姉様は二人きりで夕食まで庭を散歩する事にした。



チョコレートボンボンって好き嫌いが分かれますよね〜(笑)

中の洋酒にもよるし(笑)


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