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いろいろ違和感が酷いよ

初めて投稿しました。

温かい目で読んで見てください。

窓から午後の柔らかな日差しが降り注ぎ、部屋を明るく満たしている。家族がくつろぐサロンには、簡素だが上品な装飾がされたソファで会話も無くただ座っている父様と母様。

テーブルには、中身が半分になった自分のカップをじっと見つめる僕。


部屋には重い空気が漂っていた。


僕は午後のティータイムを父様母様と一緒に過ごしているところだ。


そこに強めのノックと共に勢い良くドアが開いた。


「お嬢様が、お目覚めになられました!」


息を切らしながらメイドが知らせに来た。

「っ!?」

「まあ!」

父様と母様がすぐに反応する。

二人ともすぐに立ち上がり、ドアに向かう。

「ユリウス、あなたもいらっしゃい。」

「はい、母様。」

僕は飲みかけのお茶もそのままに立ち上がり、すごい勢いで部屋を出ていく両親の後ろを、ガチめな駆け足でついて行った。


僕の名前はユリウス=シャルマーニ。

今年で9歳。

シャルマーニ侯爵家の跡取り息子だ。

父様譲りのストレートのアッシュブロンドの髪に母様と同じアイスブルーの瞳で、自分でもまあまあ優秀で落ち着いた性格だと思っている。

ゼぇハぁ。

二人とも早いッ....もう姉様の部屋じゃん!

両親は姉の部屋にたどり着くなりノックもせずに突入して行った。


「「リナリアっ!」」

「大丈夫?「何があったっ!?」気分は?痛い所やおかしい所は無い?」


二人とも部屋に飛び込むと同時に口々に姉様に話しかけた。

いやそれ、絶対聞き取れないから。

ぜぇはァぜぇはァ


僕が部屋に入った時には、ベッドに乗りあげんばかりの勢いの両親に、びっくりしている1つ年上の姉が、ベッドの上で上半身を起こして固まっていた。

「父様母様、姉様がびっくりしてますよ」

僕が呼吸を整えて声をかけた。

僕の言葉にちょっと冷静さを取り戻した両親がハッとして居住まいを正す。

「そ、そうね、私ったら大声で…びっくりさせちゃったわね。リーナ、ごめんなさい。」

「リナリア、大声ですまなかった。大丈夫かい?」

父様母様がひと呼吸して声をかけ直した。

母様譲りのウォームブラウンに緩いウェーブの髪、父様譲りのライトグリーンの瞳、弟の僕が見ても割と整った容姿の姉が両手をちょっと赤くなった頬に持っていき、

「い...」

「「「い?」」」


「....イケメン家族.....」

まるで初めて会った他人のように呟いた。


え、なんて?

いけめんって何?


なんだか一人で興奮してうわーうわーと言ってる姉のそばに寄って、

「えっと、姉様?」

僕はベッドの横で姉様の手を取って顔を覗き込みながら呼んでみた。


姉様は真っ赤になりながら、

弟の僕に向かって

「イケメンショタ尊〜....はわわわ....」

って、片手で顔を隠しながら呟いてる。


うん。

ちょっと何言ってるか分からないよ?


まるで他人のように僕達を見る姉様に、父様母様も異常を覚えたのか姉様付きの侍女のマリアに問いかけた。

「リナリアは何を言ってるんだ…?」

「マリア、何か知ってる?」

マリアは二人に問いかけれれてとても困った顔で答えた。

「あの、お嬢様は先程目覚められてすぐに辺りを見回されて、呆然とされたまま何もおっしゃらず、呼びかけても返事も無く、私共も困惑しておりました。」

「医者を手配するべきか?」

父様が険しい顔でつぶやく。


皆んなが姉の異常事態を認識した時、

きゅう〜っと姉様のお腹が鳴った。

「あ、あら!....やだ、私ったらっ」

姉様が恥ずかしそうに布団で顔を隠す。

マリアがハッとなって、

「旦那様奥様、とりあえずお嬢様の身支度を致しますので、サロンの方でお待ちください。」

と言って一礼した。

「そ、そうだな。リナリアが辛い様なら無理に起きてこなくてもいいから。」

「リーナ、食べれるなら軽食を用意させるわね。」

「あ、ありがとうございます。」

羞恥で真っ赤になった姉様が他人行儀にお礼を言う。


違和感が酷い。

姉様、ほんとどうしちゃったの?


そんな姉を気遣わしげに見ながら父様は母様の肩を抱いて部屋から出ていった。

僕は嫌な予感がして小声で聞いた。

「姉様、僕が誰かわかる?」

僕の言葉にビクッと全身を強ばらせ、明らかに動揺する姉様。

「...えーっと....ごめんなさい。あの、誰かな?」

ええぇぇええええ〜

姉様、マジですか?

「あの、私もびっくりなんだけど…ここは何処できみは誰?....そして私も誰〜?」

姉様は僕の手を握りながら強ばった笑顔で聞いてきた。


姉様、冗談でも笑えません。

しかもなんだか大人っぽい喋り方だし。10歳の見かけとの違和感が酷い。


(ユーリ、リーナちょっとおかしい感じするよ〜)

僕の耳元に小さな精霊が現れて言った。

彼は僕の契約精霊でアリエス。

精霊は精霊契約者にしか見えない存在。

現在シャルマー二侯爵家では僕だけが精霊契約をしてる。

だから僕にしか見えない。

(おかしい感じってどうゆう事?)

(うーん、昨日までとちょっと違ってなんか、濃い?)

(濃い?)

濃いってなんだ?


「うわあ〜その子可愛い〜!」

耳元のアリエスをガッツリ見ながら姉様が言った。

「(えっ!?)」

僕とアリエスが同時に姉様を見る。

「え、ちょっ、姉様、アリエス、見えてるの?」

「肩の上の小さな男の子?うん。見えてるよ?」

え、ええええ〜!?

って事は

姉様も精霊契約者になったの?

いつ?

(ユーリ、リーナの後ろに....)

アリエスの言葉の途中でフワッと風が吹いたと思ったら、

姉の後ろから真っ白な翼の女の子が現れた。

(おやおや、せっかく隠れてたのにバレてしまったでは無いか)

「あら、あなた夢に出てきた子ね!」

姉様が精霊を見て嬉しそうに声をかけた。

「じゃああの話は夢じゃないのね。」

(うむ。これからは一緒じゃ。だから早く名前をつけて欲しい)

「そうねえ、フウカとかどう?風の華って意味よ」

(フーカ?聞きなれぬ響きじゃが悪くないな。風の華か、うむうむ。)

「フーカじゃないよ、フウカ。ここ重要よ!」

(おお、そうか。了解じゃ。)

僕とアリエスを置き去りにして2人だけで話が進んでいく。

口を挟む間もないまま、僕の目の前で姉様と精霊の契約が完了した。


ええええ〜


「失礼致します。お嬢様、お着替えなさいますか?まだご気分がすぐれなければそのまま軽食をお持ち致しますよ?」

続き部屋で色々用意をしていたマリアが声をかけてきた。

着替えや濡れタオルの準備が整ったらしい。

当然だがマリアにはアリエスもフウカも見えてないし声も聞こえてはいない。

多少様子がおかしくとも、いつも通りの姉弟の会話だと思っているのだろう。

だが、姉様はビクッとして少し不安そうに僕を見た。

「私、どうするのが正解なの?」

小声で僕に聞いてきた。

「身体が辛くなければ、マリアに任せれば大丈夫だよ。」

僕も小声でそう返した。


えーっと、なんか色々聞きたいし、ちょっと落ち着くためにも状況を整理したいから、

「マリア、姉様は着替えるって。じゃあ僕、着替え終わるまで自室に居るから。」

(って事で、姉様の精霊もちょっと一緒に来てくれる?)

(うむ)

「承知しました。」

「じゃあ姉様、また後で」

「え、あ、うん。」

ちょっと不安気な姉様を置いて、僕は精霊2人を連れて姉様の部屋を出て自室に行った。



読んでくださってありがとうございます。

続きも頑張って書いてみます!

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