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なろうラジオ大賞3

お菓子屋さんにお手紙を書きました♪ 【胸糞注意】

後味の悪い作品です。お読みになる際はご注意ください。

 新しいお菓子屋さんができた。


 試しに行ってみると大盛況。

 これは無理だなぁと思って引き返したら、娘がチラシを見つけてしまった。


「行きたい! 行きたい!」


 始まったよぉ……行きたい攻撃。

 仕方なく娘と二人で行くことに。


 夫に車で送ってもらい、列に並んで順番を待った。


 店内は販売スペースのみの小さなお店。

 ショーケースにはケーキがたくさん並んでいる。


「これとこれ下さい!」


 娘が商品を指さして言う。


「……はい」


 店主と思しき女性はとても不愛想。


 ケーキはとてもおいしかった。

 娘も満足したようだ。




 しばらくして、お菓子屋さんの悪い噂を聞くようになった。


 アプリで評判を見ると、☆が3を割っている。

 味は良いけど愛想が悪い、態度が最悪。

 と言ったレビューがちらほら。


 んなこと娘には関係なくて、また行きたいと駄々をこねる。

 仕方なく連れて行くんだけど……行くたびにやつれてくんだよね、店主。


 んで、やっぱり何かあったのか、お店は休業することになった。

 娘はそれを聞いてぎゃんぎゃん泣きわめく。


 埒が明かず困っていると、夫がこんな提案をする。


「お手紙でも書いてみれば?」


 娘は「かくぅー!」と大喜び。

 100均で買った便せんにお手紙を書いて、可愛いキャラクターの封筒に入れた。




 翌日。

 手紙を届けに店へ。


 店の前には休業の看板。

 これは無理かなと思ったら、店主が出て来た。

 髪はぼさぼさ、スウェット姿。


「あの……」

「なんですか?」


 ピリッとした空気。

 これやべぇと思って帰ろうとすると……。


「おてがみー!」


 娘が手紙を差し出してしまった。

 店主はそれを受け取り、中の手紙を読む。

 そして……



 びりびりびりびり!



 娘の前で破り捨てた。


「こんなものでどうにかなると思うのか!

 いい加減にしろよ!」


 烈火のごとく怒りく狂う彼女は明らかに異常者だった。

 泣きわめく娘を抱えてダッシュで逃亡。


 帰還したら夫に状況説明。


「おい……お前どうした?」


 夫に肩を抱かれてようやく気付く。

 私は気づかないうちに涙を流していたのだ。




 それから……娘は軽くダウン。

 私も家事が手につかず、何もできない状態に。


 幸いにも母と義母が手助けしてくれたので何とかなった。

 でも……。


「もうケーキいらない」


 娘はケーキ食べなくなった。

 義母が作ったおはぎは喜んで食べるのにね。


 何がいけなかったのか、あの人に聞きたい。

 娘の手紙がそんなに嫌だった?






『はやくげんきになって

 おいしいけーきを たべさせてね

 おしごと がんばってね

 ずっと まってるよ』

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― 新着の感想 ―
[気になる点] えっ。 なんでなんで? うつ病っぽい店主に『はやく げんきになって』とか『がんばって』とか『ずっと まってるよ』みたいな、追い詰める言葉をかけたからってことでしょうか……? 休業中…
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