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愛の歌  作者: Dust
1章
7/212

6話 それぞれの動機

日は過ぎ去っていき、12月31日になった。

明日、1月1日が舜達の就任式である。

ここまで一緒に暮らすとそれぞれの人柄も理解していく。

特に料理を作る舜はそれぞれの好みに関して詳しくなっていた。


(そういえば愛花はコーヒーを飲むこと事態には憧れてるって言ってたっけ?)

数日前、食後の飲み物を用意した時の愛花の視線が気になり聞いてみた時の事だった。

苦いものは苦手だがコーヒーを飲むという行為はかっこいいし1人だけ違うのを飲むのが少し悲しいと。

そんな事を言ってた気がした。

そんな事を思ってふと自動販売機を見つける。

缶コーヒーはいくつか並んでいる。

ブラックはもちろん、微糖も並んでいるのを見て何となく微糖を買ってみた。


「・・・ブラック派かな。」

そうとだけ呟いて・・・何となく他の種類も買ってみる。

「苦味が強いかな・・・。」

次の種類へ。

「うーん・・・。」

次の種類へ。

「・・・甘い。これなら?」

ほとんどカフェオレと呼んでいいほどミルクが入ってる種類。

これなら少なくとも舜は飲める。

みんなが飲めるか分からないが・・・もし愛花が飲めるのであれば少なくとも2人で飲めるわけだ。

舜はとりあえずそれをあと5つ購入した。


部屋へ戻るとみんなで何かをやっていた。

主に愛花に何かを教えているようだった。

「・・・これは何を?」

(あ、おかえり!今愛花ちゃんに礼儀作法を教えてたんだよ!)

「・・・就任式明日だよな?」

「こ゛ん゛な゛に゛む゛ず゛か゛し゛い゛と゛は゛お゛も゛わ゛な゛く゛て゛!゛!゛」

愛花はもういっぱいいっぱいという感じだった。


「ほれ、息抜きに。ちょっと休もうぜ。」

舜は買ってきた缶コーヒーをみんなに配る。

「コーヒーですか?えっと・・・」

「甘めの探してきてみたんだけどさ。まあ口に合わなかったら貰うよ。」

「まさか私の関節キスを狙ってわざと苦いのを・・・!?」

「よし、お前のはもう俺が貰う。」

愛花はダメー!とその缶コーヒーを守るような姿勢を取る。


「せっかく買ってきてもらったんですし飲みますよ。それに・・・」

愛花はボソボソと続ける。

「え?何て?」

「いえ、何でも。」

「関節キスレベルなら気にしないって?」

「んな!?」

全部聞こえてた舜は意地悪く笑い、周りもくすくす笑う。

チームの関係は良し。舜はその事にほっとするのと同時に手応えを感じていた。


がその前に

(あれだよな!関節キスってそもそもそんなに気にすることでもなくてって事だよな!?)

今の心境はそれどころではなかったが。

「あ、これなら飲めます!」

「よかった。他のみんなは?」

そんなこんなでワイワイする。

そんな時、そういえばオーフェがふと思い付いたように言う。


「お前らなんで特別部隊なんざ、そしてこいつの元に居ようと思ったんだ?」

「確かに気になるかな。」

うんうんと頷く舜にオーフェは

「いや、お前含めて理由聞きたいんだが。」

と一刺しする。

「はいはい!私から!」

愛花が元気よく挙手する。

「よしでは愛花さんどうぞ。」

「いやぁ、実は舜兄のファンでして。」

「そういえば前そんな事言ってたな。」

「・・・学生時代もずっと言ってた。」

怜奈の言葉で周りを見るとみんな聞いた事あるという感じでうなづいていた。


「よし、次!」

「・・・私は、隊長を知ってたから。」

怜奈の言葉にそういえば初対面時に覚えてるか聞かれたのを思い出す。

「そういえば詳しく聞きたかったんだ。俺は覚えてないんだけどもしかして記憶なくす前の話?」

「・・・ん。・・・・・・私はあなたのために戦うと約束させられた。」

どこでどういう話になったらそんな流れになるのだろうかと舜はひたすらに頭を悩ます。

記憶の前なら・・・10歳以前。10の時は実験動物として過ごしてたから・・・いつ攫われたか分からないもののとりあえず9以前だとして。

(そんな幼い2人がする会話か・・・?)

舜の思考がそこまで巡って行った時、次のオーフェが話し始めていた。


「僕は選ばれないだろうなと思ってたところをこの変態に選ばれた訳だが・・・。」

「誰が変態だ。」

すかさず舜は突っ込んだ。

「・・・僕の目的はただ一つ。僕の身の安全だ。こいつは変態だがそれでもこいつの下なら、とある程度は安心してる。」

「なんだよもう!素直じゃないなぁ!その変態は照れ隠しって訳か!」

「いや、本音だが。」

「誰が変態だ!」

一通りショートコントを終えてからイパノヴァの番に回る。


(私も選ばれるとは思ってなかったけど・・・。目的はお金かな。)

意外な言葉に舜と愛花は目を丸くする。

「え?お金?」

(うん!私いつか素敵な家庭を築きたくて、その為にお金あったら便利だろうなぁって。)

「なるほど・・・。」

話せる相手が少ないイパノヴァだからこそ普通の家庭には並々ならぬ想いがあるのだろう。

「さて、最後は舜の番だ。僕はお前のが1番気になっている。」

オーフェに急かすように要求する。


「俺は・・・そうだな・・・。」

復讐、だなんてなかなか言い出せない。

「誰も魔力者によって傷付けられない世界があれば―かな。」

決してこれも嘘では無い。そんな言葉だったのだが。

舜の言葉にシンとしながらみんな見つめてくる。

「いやほら俺が実験動物だったからそういうの無くしたいなって!・・・無理な願いだってのは分かってるんだけど・・・。」

少しずつ舜の声は小さくなっていく。


「いえ、立派だと思いますよ。」

(うん!自信持って!)

愛花とイパノヴァがそれぞれ声をかける。

「いやいやそう言うのいいから!あーもう熱い・・・。」

舜はパタパタと顔を扇いだ。

「・・・寒い時期なのに熱いの?」

「・・・お前は思ったより天然だったんだな。」

不思議そうに言う怜奈にオーフェが突っ込んだ。

「そんな事より!」

舜は話題を変えようと大きな声を出す。

「愛花、礼儀作法の勉強の続きをしようか。」

「う゛!?」

愛花の勉強は夜遅くまで続いた・・・。

1話1話が短くても頻度高められるなら高めようかなと思い始めてます。

間が空いたら長いのぶち込もうかなと。

しかしそうなるとタイトルが付けにくくて・・・という問題もあるのでちょこちょこがんばりたいです

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