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愛の歌  作者: Dust
3章
52/184

50話

月明かりの下。

歪な像の周りには呻く人が群がっている。

「ね?まずいでしょ?やべぇ集団でしょ?だからその〜一緒に逃げて貰えると〜。」

トワは小声でずっと話し続けてる。

「場所さえ教えてくれたらついてこなくてよかったのに。雪乃達が残ってるんだし。」

今この場に来てるのは舜とトワと怜奈だけだった。

「タダで助けられる訳にもいかないからね。依頼にはそれ相応の対価を、が私の座右の銘!」

そう言いながら身体は恐怖から震えてる。

「肝は座ってるね。じゃ、問題解決までは大丈夫そうっと。」

そんな!?っと小声でやいのやいの異を唱えるトワを一旦放っておく。


「大丈夫か?顔色悪いけど。」

「・・・・・・・・・・・・。」

怜奈はただ群がる民衆を見守っている。

「んー・・・・・・。トワ、昼ってこいつらは何を?」

「見つかったら襲われるからよく知らない。」

(襲ってくる・・・。とりあえずまだ観察が必要かな。)

そう思いながら呻き声に耳を立てる。

「・・・なんて言ってる?・・・いあ?」

バラバラの声ははっきりと聞こえない。


「・・・隊長。」

「あ、はい。」

黙っていた怜奈がようやく口を開く。

「・・・一旦戻ろう。」

「うん、分かった。・・・戻ってから話って事ね。」

厄介事なのは間違いない。舜もこの間に頭をフルに回転させる。

(実験に彼らも関わっているとしたら・・・例えば実験で何らかの悪影響を受けた・・・とか。・・・まあまずは怜奈の話を・・・。)


「・・・ん?」

まさに帰ろうとしてる途中、何かが気になって振り返る。

「・・・・・・?」

1度目を閉じ、精神を集中させる。

『・・・ん。・・・舜。』

「・・・誰か呼んでる?」

世界が、ぐにゃりと曲がった。



「・・・ここは。」

ふと下を見ると足場が無く、思わず身構えたもののあるのは浮遊感による気持ち悪さだけ。

白と黒・・・いや、光が差し込もうとする部分と闇が差し込もうとする部分で覆われた空間。

「舜。」

声をする方を向く。光と闇に包まれるような中で、ちらりと見える顔。

身体も大半が見えず、男か女かも判別が付かないが・・・背から生えた黒い羽ははっきりと見える。


「・・・誰?」

この空間に慣れようともがきながらも舜は声をかける。

武器を出そうとすら思わない程、警戒心は無かった。

親近感すらあった。

「僕は・・・復讐鬼。・・・君の敵だ。」

刺すように感情が流れてくる。

何もかも否定されるように。

それでもなお―いや、だからこそ舜は武器を出すことはせず。

そして・・・


「・・・。」

「・・・起きた?」

隠れ家の天井があった。怜奈が覗き込む。

「あー!よし、起きたね!突然倒れるような身体でここにいると危ないっすよ旦那!へへっ、逃げるついでに一緒に連れて行ってくれや・・・。ねぇ、本当に大丈夫?」

まくし立て用と張り切っていたトワだが、手の甲を額に当て黙り込む舜はそれどころじゃない。

しかし、それでも舜は怜奈の目を見る。

怜奈はその意図に頷く。


「・・・・・・この世界・・・いや・・・。・・・・・・世界を滅ぼせるかもしれないじゃ・・・化け物がいて・・・。」

怜奈はいつも以上に発言前に考え込み、何度か訂正を織り成しながら続ける。

「・・・多分この海に・・・化け物がいる。・・・あれはそれを崇めてる。・・・でも。・・・・・・きっと何かあって・・・崇めてて・・・。・・・彼らは被害者で。」

「・・・つまり何をすればいいの?」

ようやく頭がはっきりとし始めた舜が問う。

「・・・もし目覚めてるのなら・・・化け物と・・・戦うしかないかも。」



窓から海が見える部屋で13~14歳位の少女がクスクス笑う。

「せっかくみんなを幸せなのに。邪魔するんだって!それじゃあ潰しちゃおうか!」

海に向けて、少女は続ける。

「じゃあ行こうか!クトゥルフ様!」

漣「漣ちゃんだよ!」

雪「雪乃です。」

漣「これで50話目!」

雪「文字数少なく投稿してるから展開としては半分行ってない位・・・だね。」

漣「ここまで読んでくれてる人はありがとう!更新遅くなりすぎないよう頑張りますだって!」

雪「それではまた次回。」

漣「そのまま読んで欲しいな!」

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