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愛の歌  作者: Dust
2章
46/184

44話

グランが空高くから振り下ろしたその斬撃が膨大な魔力となって放たれる。

舜は動けない咲希の前に立ち、精一杯魔力を込めた剣でその魔力の塊を受け止める。

「うぐ・・・ぐぬ・・・!」

骨が軋む。身体が限界だと叫ぶ。

あまりの魔力にただただ真っ直ぐ受け止めるしか出来ない。

余波で大地が抉れ、近くの建物が崩壊していく。

それでもただ歯を食いしばって耐えて耐えて耐えて耐えて―。


爆音と共に砂煙が舞う。

咲希は片手で口を抑えながら、もう片手で地面に手を付き・・・。

違和感に気が付く。

ついた手の1部が地面に触れない。

砂煙が薄くなっていく。

そこには、舜の立っていた場所の左右に大きな穴が出来ていた。


「・・・舜?」

咲希は恐る恐る声をかける。

何も答えず、ただ片膝をついていた影が少し動いて。

ゴボッと音がした。

砂煙が落ち着く。フラフラと立ち上がった咲希は舜に近付いて。

「お、おい!大丈夫か!?」

舜は吐血で服を真っ赤に染めていた。


舜は慌てる咲希を手で静止する。

そしてゆっくりと立ち上がると真っ直ぐと両膝をついて動かないグランに近付いていく。

「・・・さよなら。」

これ以上苦しむ前に、トドメを刺そうと。

―して。

「・・・後を・・・頼む・・・この・・・国の・・・事・・・。」

この国の事は気に病まなくていい。

そう伝えたかったグランはその前に力尽きた。

力尽きてしまった。

「・・・できる限りの事はしてみるよ。」

舜は声を絞り出す。

「グラン・・・ルース・・・お前たちが託したこの国を―救えるだけ救ってみるよ―。」

舜はそう、勘違いをしてしまった―まだ、救えるのだと―


「舜、少し休もう?な?」

「大丈夫だよ、咲希。」

咲希はフラフラの舜を気にかけながら歩く。

「救う前に、まず襲ってくるのを何とかしないといけないのだから—」

「―――――――――――――!!!!」

何とか説得をしようとしてた咲希が動きを止める。

「・・・どうした?」

「今、何か叫び声のような—」

「どっちから!?」


「あ、おい!」

咲希の指差した方向へ、舜は身体に鞭を打ち走る。

「私が!見てくるから!」

追いかけながら咲希は叫ぶ。

確かに聞こえてくる。泣きじゃくるような声が―。

「・・・・・・孤児院。まさか―」

「はぁはぁ・・・追いついた。私に任せ―。おい!」

舜はふらふらと中に入っていく。

「待てって・・・っ!?」


咲希は思わず絶句する。

中は真っ赤だった。まだ赤く乾いていない鮮血に。

倒れている子供たち。

そしてその中央で涙を流しているのは—

こちらを見て絶望の表情をしているのは―

「あ・・・ああ・・・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

頭を抱え、逃げるように桃色の髪の少女は外へ走り去る。

「漣!」

追おうとするが、今の舜の体ではとても追い付けず—

「くっ・・・!」

「落ち着け!とにかくお前は一旦休め!」

咲希に支えられ、仕方なく座り込む。

「他のみんなには連絡しておく。仲間を信じろ。・・・な?」



『舜さん!大丈夫ですか!?』

咲希のデパイスから空間に映像が映し出され、通話先の相手・雪乃の姿がみえる。

「こっちは何とか。そっちは?血だらけだけど。」

『あ、えっと、これはほぼほぼ私のじゃなくて—。』

「うん、分かった。無事ならいいんだ。」

心配されていた事に雪乃は少し照れていた。


「恐らく、無事を確認しようとした子供たちに襲われて・・・それに反撃せざるを得なくて・・・・・・。というわけだ。漣を見たら頼む。」

お互いの状況を確信したあと、咲希が雪乃に漣のことを説明する。

『・・・舜さんの方は。』

「俺なら大丈夫。やらなきゃ行けないこともあるし、だからそっちはお願い。」

『はい!!任せてください!!!』


ふうと舜は一息吐いて、よしと立ち上がる。

「もう大丈夫なのか?」

「ああ、それに時間が無い。」

雪乃の報告によると、もう人をあまり見ないとの事だった。

それはすなわち、操られた人達はもう既に結構返り討ちにあったということ。

救える人数はもう多くないのかもしれない。

(それでも・・・1人でも・・・!)

『あ!そういえば!』

通話を終わろうとしていた時、雪乃が何かを思い出した。

『操られてた人達なんですけど。単純にやらされてると言うよりは、自らの意思でやってるみたいな雰囲気でした。ちゃんとその相手の意思で敵対してたというか・・・。』

「・・・分かった。ありがとう、無理はしないでね。」

はい!という声と共に通話が切れた。


(操りというよりは・・・洗脳に近いのか・・・?ラグナロクで何を壊せば・・・。)

思案しながら舜は探し始める。

もう救えないものを—救えると信じて。

おまけこーなー!


シーヨウの過去編まるいち!

シーヨウ「ふっふっふ!俺はシーヨウ!俺の能力は相手に俺がとんでもない化け物級の強さだと誤認させる能力!どうやら今度四凶とか名乗るヤツらがこの村を襲うらしいが俺の能力で戦わず終わらせ・・・」

オーティエ「なんだお前。思ったよりクソ雑魚だな・・・。」

蹴り一撃で完全敗北!


シーヨウの過去編まるにー!

シーヨウ「ま、待ってくれ!この村には手を出さないでくれ!」

オーティエ「はぁ・・・安心しろ、こちとらカオスに頼まれて使えそうな人材探ししてるだけだから。それより・・・」

オーティエ「守りたかったら強くなれ。その能力だけじゃほんとに強いやつはどうしようもねぇよ。じゃあな。」

シーヨウ、特訓開始!


シーヨウの過去編まるさん!

シーヨウ「くっ、1人じゃ止めきれない・・・!」

賊「なんだコイツ、思ってたよりは弱いな。」

???「いーや、打ち合えるだけまともになった方さ。」

賊「なんだお前?」

オーティエ「天下の『四凶』様だよ。」

オーティエ、無双!


シーヨウの過去編まるよん!

シーヨウ「あの、助けて頂きありがとうございました!」

オーティエ「例言われる筋合いはねぇよ。・・・間に合わない人の方が多かったんだ。・・・それにこっちも元々は救う目的じゃないしな。カオスに言われて強さ見せつけて回ってたらたまたま救えたのがいただけだ。」

シーヨウ「一生ついて行きます姉御!」

オーティエ「姉御はやめろ。殺すぞ。」

シーヨウ、心酔!


シーヨウの過去編まるごー!

シーヨウ(あれからかなりトレーニングを積んだ。オーティエ様にも鍛錬を積んでもらった。)

オーティエ「・・・。」

シーヨウ「・・・オーティエ様?」

オーティエ「・・・あの子が死んだ。・・・殺された。更にそいつらがこっち来るみたいだ。・・・殺す!」

シーヨウ「俺にも任せてください!共に敵討ちを・・・!」

オーティエ「いや、お前は舜と愛花には手を出すな。カオス曰くあの子を殺せるならどっちかで・・・確かにお前は強くなったがあの子を殺せる相手にはまだ通用しない。・・・死ぬな、いいな?」


モワモワモワモワ

(という事があったが・・・目の前に出てこられたら話は別だ。もし殺せたらオーティエ様のためになるよな!よし!舜は俺が殺・・・)

シーヨウ、舜に瞬殺される!

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