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愛の歌  作者: Dust
2章
39/229

37話

「さあ、思いきってごー!」

夕方、午後いっぱい鍛錬や動きを指導した舜は後ろから声をかける。

「これ、負けたら、さ・・・。」

「姐さんのあの微笑みは・・・地獄を見るぞ・・・!」

対峙するクーガとリオンが気を引き締める。

「どうです?自信の程は。」

表情緩やかにルースは聞く。

「んー・・・まあ能力無し遠距離なしでやってくれるし何とかなるんじゃないかな。」

その回答に頷いた後、ルースは開始の笛を吹いた。


「ウォォォォォォォォォ!!!」

巨体の兵士が雄叫びをあげながら先陣を切る。

『どうせ速さは身体能力の上がってる能力者には勝てないから、先頭は君で行こうか。それで・・・。』

舜の指示通りに巨体の兵が突き進み、剣を突き出したまま巨体を倒す。

「うわっと!」

受け止めようとしたリオンの剣は地に押しのけられる。

『いくら力に差があっても全体重をかけた不意打ちは受け止められない。で、そこを・・・。』

巨体に隠れてた小さな兵が飛び出し、リオンに一撃を入れた。

「決まった・・・!」

舜はそれを見てガッツポーズをした。

「だけどそんな初見殺し!」

クーガは素早く1歩踏み込むと小さな兵の剣を弾き飛ばし、倒れてる巨体の兵の剣を蹴り飛ばす。

だが、次の瞬間クーガの背後から剣が突き出された。

『雄叫びあげた上に不意打ちまでして目立ったなら他の人は後ろに回れると思う。視界は狭くなってるだろうけど、入らないように動くこと。』

事前の作戦会議通りに行った。

ワーッと兵士たちが舜の元へ集まってくる。

「よーし!よくやった!」

ワイワイと盛り上がる横でルースがドス黒いオーラが放たれ、クーガとリオンが震えていた。



「本日はお疲れ様でした。お陰様でみな有意義な時間を過ごせました。」

「遠距離対策どうするかとかまだまだあるけどね。・・・・・・。」

帰り道、ルースは舜に付き添っていた。

「・・・1つ、よろしいでしょうか。」

「うん、もちろん。」

「私たちに警戒していてください。」

舜はピタリと足を止めた。

じっとルースの顔を見る。

「何か・・・何か違和感があるのです。」

「・・・分かった。」

「勘違いなら・・・いいんですけどね。平和なままで、みんなで楽しく。あなた達も永住してくれて構わないのですよ。」

ふふふと笑いながら言う。

「永住ねぇ。」

心が惹かれる言葉だった。

ここを拠点に舜だけ戦って、他の子達は平和に暮らす。

居場所が無くなったみんなにとってそれはとても有難い事だろう。

(・・・だけど、四凶と敵対してる上にアウナリトでは裏切り者扱いだしなぁ。迷惑がかからないとは言いきれない。)

「ふふ、そんな決断を焦ることでもありませんよ。」

ルースが足を止める。

「それではまた。・・・此度の警告は頭の片隅に入れて置いてください。」

ルースは真剣な眼差しをした後、笑みを浮かべ手を振った。

舜はそれにお辞儀を返して、喧騒な街並みに足を向けた。



「さて。」

商店街に来た舜はキョロキョロと店を見回す。

買うか分からないのにジロジロ見てもなと、遠くから少し見てはコソコソと離れ別の店でも同じようにしてるそのすがたは怪しさ満点であった。

買いに来たものはズバリ、留守番組へのお土産である。

(女の子の喜びそうな物が分からなーい!)

女性向けのお店をコソコソ覗いては逃げるように離れていく姿は最早不審者であった。

ようやく1つの店に決断し、商品を見ていく。

が、店員が近くにいるとサササッと離れようとするのはもうなんと言っていいのやら。


「ただいまー。」

舜は紙袋2つを大事そうに抱え、両腕に他のビニール袋をぶら下げながらようやく帰宅した。

「咲希ー、体調はどう?」

ちょうどソファに座ってる咲希に声をかける。

「・・・ん、良くなった。」

「良かった。あ、桃缶買ってきたけど食べる?」

「・・・・・・まあ、せっかくだし。・・・あ、ありが、とう。」

ふんふんふーんと鼻歌を歌いながら舜は準備する。

「はい。あ、あとこれお土産ね。」

「え、ああ、ありがとう?」

恥ずかしさからか、ついでと言わんばかりにちょこんと片方の紙袋を机の上に置いてバタバタと舜は走り去った。

残された咲希は紙袋を開ける。

「・・・白い花の髪飾り、か。」

咲希は中身を綺麗に紙袋に1度戻し、桃を食べた。


「雪乃。ちょっといい?」

雪乃の部屋をコンコンとノックしながら舜は言う。

雪乃はドアを少し開け、覗くように出た。

「あ、お、おかえりなさい。えっと、私なんかに何か用ですか?」

「咲希の看病してくれたでしょ?だから、えっと、お土産的な物を。」

舜が紙袋を差し出すと雪乃はそれを両手で受け取り、胸に大事そうに抱える。

「あ、開けていいですか!」

「あ、えっと、どぞ。」

ガサガサと開けるとピンクの花の髪飾りが出てきた。

「家宝にします!!!!!」

雪乃は目をキラキラと輝かせる。

「良かった、喜んでくれて。」

「ふへ、ふへへ。舜さんからの私だけのプレゼント。私だけの・・・ふへへ。」

(こんなに喜んで貰えると悩んだ甲斐があったなぁ。)

舜はニコニコと雪乃を眺めてた。



「今日は疲れたなぁっと。」

夜、いつもより早めに睡魔に襲われた舜は伸びをしながら布団に入った。

(・・・・・・・・・・・・。)

窓の外には月に靄がかかっていた。

漣「漣ちゃんだよ!」

雪「雪乃です。」

漣「まーた1ヶ月ぐらい空いたね。全員ルート+続編の全ルート書く前に寿命が来そうな勢いだよ。」

雪「一応対策は打ってるみたいだよ。」

漣「と言うと?」

雪「日常パート削りまくる。」

漣「そこ犠牲にしちゃうんだ!?」

雪「それではまた次回。」

漣「次の投稿日はいつになるかみんな予想してね!」

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