番外編①
特別編です
今のストーリーよりかなり未来の話になっちゃいますがストーリーに関係ないからヨシ!
ストーリー的には8ヶ月くらい先の話だけどその時期ってどこにいるんだろな?誰がいるんだろな?っていう疑問を完全に忘れて今いる人達でやります。
居なくなったり別の人が本来ならいなくちゃいけなくてもパラレルワールドっぽい何かって事で!
9月27日。誕生日であるこの日は毎年祝ってくれる人はいなかった。
そもそもなんとなくこの日だった気がするってだけの日なのもあり、あまり言いふらして無かったのだがそれ以上に王族の養子という立場上、上にも下にも関わりにくいという狭い交友関係が背景にあった。
この日―俺は時間をかけて基本的にある事をする。
そのある事とは―。
「えーと・・・粉チーズとバターに・・・白ワインにコンソメ・・・と。」
ある国の通り道。お店が所狭しと並んでいる。
「お、八百屋ここか。・・・そういえば何の野菜入ってたかな?」
「へい、兄ちゃん!何をお探しで!」
「うーん・・・玉ねぎと・・・セロリ、かな?」
両腕に袋をぶら下げた舜は帰り着く。
真っ直ぐ厨房へ向かうと手をしっかりと洗い、袖をまくった。
―毎年この日は、舜は自分の為に趣味である料理に全力を注ぐ日であった。
本の付箋をなぞる。作りたい料理を―と言ってもアレンジを入れる気満々で材料から多少違うのだが―そのページをあける。
早速手順にない玉ねぎとベーコンをみじん切りにする。
(あーなんか適当に食感良くするためにマッシュルームとかあっても良かったかなぁ。アスパラガスとかも良さげかなぁ。まあ今日はないしまた今度また今度。)
そんな事を思いながら切り終えると2つ鍋を準備する。
片方はコンソメをお湯に溶かして温めてとく。
もう片方はオリーブオイルとバターを鍋の中に投入し、生米を入れて優しくかき混ぜていく。
(手順にない玉ねぎ達は・・・火通りにくいしもう入れちゃうか。)
「あー!いい匂いすると思いましたよ。」
バサーとみじん切りしたものをぶち込んだ時に明るい声が飛んでくる。
「手伝うので分けてくださいよー!」
「手伝わなくても分けはするけど・・・愛花料理経験は?」
愛花はドヤっと表情を変える。
「よく怜奈ちゃんに作りましたよ。そしてその怜奈ちゃんは ・・・食べれれば、何でもいいから。 と評価してくれました!」
「よし、愛花は座って待ってろ。いいな?」
「ほ・・・本気だ・・・!この人今日本気だ!」
そんな嵐のようなショートコントを終え。
白ワインを適当に入れて火力をあげる。
アルコールが飛んだらコンソメスープを米のラインまで入れる。
後は焦げないよう定期的にかき混ぜながら水分が減ってはコンソメスープを追加し煮詰めていく。
「ただいまー。・・・愛花何してんの?」
漣の声が聞こえてくる。ちょうど帰ってきた所だった。
「俺は舜兄に近付かない・・・。」
「何そのポーズ。というかいつの間に俺っ子になったの?」
そんな声を聞きながら―米がちょうどいい感じになった。
仕上げとばかりに塩コショウにチーズを入れて弱火にする。
チーズが溶けたらお皿にうつし、パセリを乗っけて終了!
「的な感じで作ったなんちゃってリゾット。」
「なるほど。」
いつの間にやら全員が長机に揃っていた。
「まあみんなで少しずつ分け合いましょ。」
「いいんですか?舜兄あんなに迫力あったのに。」
「美味しく出来てるか分かんないし。割とテケトーにやったから。」
「そんなものなのか?」
咲希は訝しげに聞く。
「んー・・・人によるとは思うけど俺はガチガチにやるより好きにやって美味い!とか次はこうしよ!ってやる方が好きだから。続けられるんだよね、こっちの方が。」
ワイワイガヤガヤと食べ終わる。
その光景にいつもと違う温かさを感じながら。
「さて、食べ終わったし片付けますか!」
「あ、手伝います!」
「ん、ありがと雪乃。」
その雪乃の手を漣が掴む。
「その前に、あれ。」
「あ、そうだね。」
舜は首を傾げる。
「「「「「誕生日おめでとう!」」」」」
「・・・おう!」
こうして何事もない特別な一日は過ぎていった。
漣「漣ちゃんですよー!」
雪「雪乃です。」
漣「本編まーたしばらく進めてないのに番外編でしたね。」
雪「しかも誕生日って気がついて慌てて書いてるから設定的に都合合うかも分からないおまけ付き。」
漣「味に関してはあえて何も描写なしらしいです。舜君、普段は普通に美味しいの作るんですけど毎年この日はチャレンジ精神旺盛になるからとか。」
雪「普通に美味しいって言わせようとして全員にそれぞれ言わせるとなんか・・・難しい・・・ってなっただけでしょ?」
漣「まあそんな所でしょうね。次回は普通に本編進めます。出来るだけ早く投稿させるから待っててね!」
雪「それではまた次回。」
漣「見てねー!」