表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
愛の歌  作者: Dust
9章
229/231

225話 戦火の跡に

戦いが終わり、早幾日。

「漣ー、体調はどう?」

「まだ気分わるーい・・・。」

日にちに余裕があると、心身を癒しながらバールームで過ごしていた。

英雄の子孫、ローグ・・・

その両方が消えた今、国の人々は新しい生活の為の準備に忙しい。

特にローグの方が問題であり、カオスがバールームに運ばせていた生活必需品関連が頼れなくなったのだった。

(・・・カオスはこの国の国民自体は食べるのに困らないようしていた。それと同時に、子供の魔力者への変貌をさせようともしていた。)

カオスを味方と捉えるか、敵と捉えるか。

舜はそれを悩んでいた。


「・・・そうだ。こっちも問題なんだった。」

ふと思い出して、デバイスを取り出す。

そして前に連絡先を交換したビャクシに電話をかけてみる。

「・・・はい。」

「もしもし。・・・。」

「・・・・・・。」

切り出し方に少し困った舜と、黙っているビャクシ。

少しの沈黙が流れる。

「えーーーーーっと。」

「・・・うん。・・・・・・カミラの件?」

「あ、流石に知ってる?」

気まずい沈黙が再び流れる。


「・・・真希様の為にね、咲希ちゃんを仲間にしたいって考えはみんやあるんだ。だけどそのやり方が意見が違ってね。カミラは、その、かなり強行的というか・・・。」

「・・・・・・一枚岩じゃない?」

「あはは・・・そうだね。一応私も動いてるけど、次のリティガルの大会、気を付けて。真希様はヤバい子に行かせようとしてる。その子の名はシュラ―」

急にビャクシ側が騒がしくなる。

「ごめん!またね!」

「え、あ、うん。」

そして、急に切られてしまった。

「・・・大丈夫だろうか?」

一枚岩でないと知った今、下手したら自分との通話も危険なのでは?と舜は心配する。

だが、だからと言って何が出来る訳でもなく、舜は他に今できることを優先するのだった。


「あ、舜兄!」

舜はバーのある部屋に入る。

「その子はまだ、メンタル回復してない?」

「ええ、まだ心の整理がついてないみたいで・・・。」

ある女の子に目を向ける。

彼らがレインを追って見つけた、レインの死体の上で血塗れに笑っていた少女。

「当たり前でしょ・・・。」

か細い声で少女は言う。

「まさかお兄ちゃんがこんなお店でこんな仕事をしてたなんて・・・!!!」

「・・・お兄ちゃんの方のメンタルチェック行ってくるね。」

「はい・・・!こっちはこっちで頑張ってみます!」


「やっほー、アオイ!元気?」

「・・・・・・。」

「・・・うん、まあ、元気無くても大丈夫だよ。」

訳もない話ではある。

両親が殺された上、残された唯一の肉親の妹からはとんでもないものを見るような目を向けられて。

「あら、今日も来てくれたのね。」

プローチがあとからやって来た。

「家族を失った悲しみはアタシが分かるわ。だからアオイちゃんはアタシに任せて、あなたはまずあなたの休みを取って?」

「・・・俺も、家族を失った悲しみは分かるからさ。俺のは義理だけど・・・。」

「・・・そう、大変な人生を送ってるのね。」


少し、沈黙が流れる。

「アラタのお墓に行った帰り?」

「ええ、お隣さんだったから、その跡地に。」

あの後、アピアルは姿を消し、現れなかったが―

アラタが光となり消えた事は、バーのスタッフ達に目撃されていた。

「あなたとアラタくんと、あともうひとり女性?が戦ってくれたおかげでこのお店も守られたのよね・・・感謝するわ。」

「うん、もう1人にも会ったら伝えとくよ。バーの人達が感謝してたって。」

プローチはあの時気絶してたので、詳細をあまり知らないものの、深く感謝をしていた。

舜は自分が何か出来てたかと少し振り返り、1つ息を吐くだけだった。


「しかし妹ちゃんねぇ・・・どうしましょうかしら。アタシも妹がいるけど、妹は理解してくれたからねぇ・・・。」

「へぇ・・・そうなんだ。」

「ええ、とっても綺麗な自慢の妹よ。今は世界中周ってるみたい。たまには帰ってくればいいのに・・・ねぇ?」

2人はポツポツと会話をしながらアオイの様子を見る。

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

沈黙。

痛々しい時間が過ぎていく。

「・・・また、来るよ。」

舜は何もやれること無く、その場をプローチに任せて去った。


舜は自分の部屋に戻るとどっさりとソファーに倒れ込んだ。

色々考えなきゃ行けないこともある。

やってあげたい事もある。

それと同時にかなりの疲労もあった。

「・・・・・・今日、オムライスにするか。」

数分倒れ込んだ後、漣を想い、起き上がりそう決心する。

ナチャの石を取りだし、ボーッとそれを見つめたり

アウナリトやリエーなら顔が効く。

ここの産物と向こうの産物をやり取りして生活必需品をやり取りするのも可能かもしれない。

しかし、それは自分がこの国にいる事が必須かつ、自分1人が何かしらで居なくなっただけでどうしようもなくなる、あまりに歪な状況でしかない。

一方でこの大陸の他の国には顔が効かない。

(大陸間の移動をもっと楽に出来れば交易とかもしやすいんだろうけどな・・・。)

そんな事を考えながら、アウナリトへ食材を買いにナチャで飛ぶのであった・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ