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愛の歌  作者: Dust
7章
171/229

167話 眠るモノに手を伸ばして

「・・・成程。仮にそうだとして、なぜ俺の過去だけ?」

「この世界の影響を振り切った存在だからだ。」

「・・・影響を?・・・回復魔法とかの事か?」

「待て待て待て!なんなんすかこの会話!俺たち置いてきぼりなんすけど!?」

舜とカオスの会話にシュメールが口を挟む。

「私たちが理解する必要は無い。黙っていろシュメール。」

「そうは言っても・・・!俺の頭だと今とんでもない可能性の話をしてる事に・・・!あ、そうだ!そっちの女も分かってないじゃないすか!」

シュメールは愛花を指差す。

「私は・・・その・・・話せる内容なら後から聞けばいいかなって。」

その女が知りたいと思っていて無視するような男では無いだろと言わんばかりにシュメールが舜を見る。


「愛花、世界五分前仮説って知ってる?」

「いえ・・・何となく名前から察せますけど・・・。」

「そうだね、名前の通りもし世界が5分前に出来ていて―過去すらもそういう風に植え付けられたものに過ぎない―この仮説から記憶や知識について考える哲学の内容なんだけど、今回のカオスの話で重要なのはむしろ"世界がある時からありもしない過去と共に造られたかもしれない"、こっちの方だ。ここまでは大丈夫?」

愛花は内容をしっかり頭で噛み砕きながら、首を傾げた。

「でもその仮説だと・・・そもそも気が付きようがないですよね?その過去も私たちは本物と思ってしまうから。」

「ほう、そちらのお嬢さんも頭が切れるな。その通り、本来ならこの論は証明も反論も出来ないものだ。さて、そこまで分かった上で先程の俺と舜の会話を思い出してみるといい。」

「・・・あっ!?」

カオスに言われ、愛花は驚きの声をあげる。


「ど、どういう事すか!?カオス様!」

「シュネール、お前も勘づいてはいるだろう。」

「じゃ・・・じゃあ!この世界はあの男の記憶のある時から実在してて、それ以前は造られた過去とでも・・・!」

カオスは頷く。

「あくまで推測だがな。まだ推論には至ってないレベルのものだ。」

「なんでそんな・・・無からこんな世界が生まれるとは思えない。人格を与えたデータで何かの観測を?もっと大きな世界の魔力者がこの空間だけ作り出した?」

「そこまではまだなんの予想も立たん。だが・・・彼らだけが気が付ける存在しない過去が実在している。」

騒いでるシュネールに語りかけるカオスの説明を聞いて舜の視線が鋭くなった。

(彼ら・・・か。その説明を漣にしようとした時は何かに阻害されたかのように伝わらなかったが・・・自分でそこまで辿り着けたのか、それとも俺らと同じく気が付ける側の人間なのか・・・。)


「・・・ふっ、まずは信頼を買おう。今疑問に思ったであろう答えだ。俺もある時から気が付けるようになった。」

「・・・ある時って?」

舜の疑問にカオスは石を取りだした。

「・・・!七邪神か・・・。」

「否。此奴は七邪神のうちの一柱ではない。ただの邪神に過ぎぬ。だが、邪神は邪神だ。ふっ、同じ答えに辿り着いたというわけだ。」

ツォーとの会話で舜が辿り着いた1つの考察。

「・・・ちょっと待ってて。更に・・・確認出来るかも。」

舜はデバイスを取り出し、通話をかけた。

『はい、シィラです舜お兄様。どうかされました?』

「うん、ちょっと聞くよ。回復魔法って知ってる?」

前にローグに居ないかはムルシーには聞いた。

だが、彼女のいる場所で確認した訳では無い。


『・・・えっと、治療出来る能力者をお探しという事でしょうか?そんな能力に目覚めてる人は残念ながらシィラの知り合いには居ません。』

「・・・・・・竜族って、知ってる?」

『へ?えっと咲希姉様の・・・あれ?えっと・・・え?なんでそんなファンタジーの世界の存在が・・・?』

念の為別の質問をしてみると困惑の声が挙がった。

「・・・うん、ありがとう。今度ちゃんとゆっくり説明するよ。今、カオスと一緒にある仮説の話をしてたんだ。」

『カオス様と・・・!?カオス様が直接舜お兄様と・・・?』

雑音が耳を劈く。

『舜さん!大丈夫っすか!今カオス様といるって!?あ、ちょっ!』

『舜さん!私!ムスルス!何かあったら即ナチャで呼んで!!』

「2人とも落ち着いて。敵対は今のところしてないよ。・・・一旦切るね、待たせてるから。」


「・・・待たせた。邪神と関わりがある人は気が付ける、それは・・・。」

間違いないと言いかけて愛花と目が合った。

「俺は・・・関係者だけど愛花は?」

愛花はプルプルと首を振る。

「そうだ。舜、お前本人は間違いなく邪神と関わりを持ち、お前の仲間の怜奈は―」

舜は手で静止をした。

「怜奈に関しては本人から話すのを待ちたいんだ。何か知ってるのかもしれないけれど、言わないでくれ。」

「ふむ・・・ともわれ愛花とやら。お前はイレギュラーなんた。お前は何者なんだ?」

「えっと・・・。」

愛花は困惑の声をあげながら舜を見た。


「・・・一旦話を戻そう。何故、俺の過去だけ創られてないと思う?振り切ったとは言われたが・・・。」

「単純明快だ。」

カオスは少し間を空け、舜を見た。

「お前が人間では無いからだ。」

各キャラ理解度チェック

舜 カオス 会話を率先してやれるほど理解しながら会話

愛花 ところどころ追い付けてないが要点でしっかり頭を回す

シュメール 爆弾発言されてそれどころじゃない

フーロ 何の話をしてるか分かんないけどカオス様は流石だなと思ってる

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