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愛の歌  作者: Dust
6章
167/230

163話 prepare

「本気、なんだね?」

「何度も言ったはずだよ、ツォー博士。」

舜とツォーは真剣な顔で話をしている。

「しかし・・・人類の大敵のパーツのいる向こうの大陸に直接行・・・。」

「何度聞いても返答を変えるつもりはない。」



「わかった!じゃあこっちの機械だけでいいから!観測用の試作品で小型に出来てるんだ!」

「だから全部持ってかねぇって言ってるだろ!!!そもそも小型ってなんだよ!その大きさで!」

両手で抱えて何とか持てるか位の大きさの機械を指して言い争いをしていた。

「失礼な!これでもちゃんと軽量化してて90kg台なんだぞ!」

「重てぇよ!」

「貴様!レディになんて事を!?」

「機械に男女ねぇだろ!!!!!」

「今のご時世になんてことを言うんだ!この機械差別主義め!」

2人とも感情的にやり取りをしている。


「そもそも!元からあるあのちっこい自動で動いてる監視のカメラ使えばいいだろ!」

「あれだけじゃあ1部しか情報が手に入らないんだ!それにあれは魔道具を使ってそこから私の機械に繋げているだけだ!」

「だからその魔道具作って使えばいいだろ!空飛んであんな小さく出来るなら他でも―」

応用出来るだろ、とツッコミを入れようとしてツォーの表情に言葉を止めた。

「・・・君は、何を言っているんだい?」

「・・・・・・。」

その言葉は、その表情は、舜がおかしな事を言ったのだと語るには十分過ぎた。

「ああ・・・魔力使ってるから魔力者じゃないのに作るのは無理か。」

「違う、そういう問題じゃなくて・・・本気で言ってるのか?・・・言ってるんだろうな。いいかい?私たちがなぜここまで情熱を持っているかだ。」


ツォーは椅子に座り直し、舜に説明を続ける。

「私たちは過去の遺物―魔道具の解明と、その作成をしたいのだよ。魔力者に実験を手伝って欲しいのも、その魔道具のシステムに少しでも近付けるためさ。少なくとも現代において魔道具の作成に成功した人は、表面上には出てないさ。実際その技術を隠し持ってるだけでいるかは分からないがね。」

呆気に取られていた舜はすぐ様思考を回す。

「魔道具って、いつからあるんだ?」

「さてね、そこも分からないが・・・少なくとも数百年前だ。」

「・・・人間に魔力者が出たのは10年前、そこに間違いは無い、よな?」

ツォーは目線で咲希を指し示した。


「・・・なるほど、竜族のように10年より前から魔力を持った存在、か。じゃあなんで人間に魔力が渡るのはパーツが飛来してくるまで無かったんだ?」

「パーツが何かしたんじゃない?」

舜は愛花の方を見る。

「愛花、少しいい?あ、それはぜっったいに持ってかないから!!」

「えー!ケチ!」

愛花は呼ばれるがままに舜に付いて行く。

「さて、愛花。竜族についてだけど。」

「ええ、知りません。いつの間にか知ってた事になってた種族だと思います。他はヴァンパイア、天使、悪魔、神とかもいてもおかしくないって思えてました。魔族、魔界そのものも、です。」

「天使とは前にやりあったし・・・邪神除いてもダゴンが神か。そしてこれは・・・俺たちにしか分からないもの、と。」


その時、愛花のデバイスが鳴った。

「あ、えっと。ちょっといいですか?誰だろ・・・?」

愛花はデバイスを取り出す。

『はーい!アピアルでーす!』

「愛花、切っていいよ。」

『やーん、いけず。私に初めて奪われた癖に!』

「・・・え?」

2人が固まる。

「・・・・・・あ、デバイスの事か。うん、愛花。切っていいよ。」

『待って待って!あー・・・―』

通話は切れた。


「・・・なんだったんです?あの人。」

「分かるのは出来る限り近付くなって事かな・・・。あいつにデバイス一時的に盗まれたし―」

そしてハッとした。

あの時、色んなことで頭が回っていなかったが―盗んだのは本当にデバイスだけだったのだろうか。

あれだけの盗みの技術があれば他にあってもおかしくない。

そして舜の手持ちで盗むだけの価値があるものといえば―。

「くっ・・・!」

舜は慌てて邪神の石の確認をする。

あの後も使ったナチャはいるのは分かっている。が、他は分からない。


「舜兄?どうしたんですか?」

「デバイスが盗めたなら邪神を盗めててもおかしくはなかった・・・!」

愛花も表情を変える。

「ナチャとクトゥグアとハストゥールと・・・!?」

「足りないんですか!?」

舜は石を5個、取り出した。

「クトゥルフと・・・残り1個。・・・増えている。・・・いつの間に?」

「え?増え・・・え?」

舜はその増えた石を持つ。

「聞こえる?あなたは誰?」

しかし、石は応えない。

「未完成のクトゥルフと同じタイプ・・・か?会話は出来ない、かも。」


その確認をしてる間に愛花のデバイスが再び鳴った。

「・・・今度はメッセージ、ですね。いつの間に私の番号を知ったんだろ・・・。」

愛花はふんふんと何かを読み込む。

「・・・なんて?」

「・・・メヒャーニの観光案内でした。」

「・・・なんで?」

愛花はさぁと首をかしげたあと、その内容を告げた。

「今日の夜、山の方でオーロラ見れるみたいですよ?」

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