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愛の歌  作者: Dust
6章
152/228

148話

メヒャーニに到着した舜達は入国の為の手続きを行おうとしていた。

のだが。


「みんな、これサインしちゃダメだ。」

「おや、旅人さん。どうかしましたか?」

舜は手続きの紙を突き返した。

「これ入国の手続きじゃないじゃん。長ったらしく書いてるなって思ったら、実験に協力するかって書いてあるじゃん。」

「・・・チッ。」

「舌打ち!?今舌打ちした!?」

「いえ、旅人さん。空耳です。・・・チッ。」

困惑しながらも舜は冷静に考える。

「・・・実験ってそもそも色んなところでやってるんだろ?国全体で1つのじゃない。なんで受付で実験の協力者を?」

「それは勿論。」

受付の人はお金のマークを指でした。

舜はドンと大金を置いた。

入国した。


「はぁ、いきなり変人の国としてかっ飛ばされましたね。」

「変人というか、失礼な国じゃないか?」

溜息をついた愛花に咲希は答える。

巨大な機械の扉が、無駄にガシャンガシャンと複雑な畳まれ方をして開いた。

「・・・これ、実験の成果なのかな。・・・無駄じゃない?」

漣の感想とともに、メヒャーニの国の光景が広がる。

視界に映るは機械、機械、機械。

歩道すら全て自動のコンベアで止まったままでも動けるようになっている。

四足の足を付けられたカメラが次々と物珍しそうに寄ってくる。


『あーあー。君たち旅人だね?しかも若い、こんなところにくる若い人は十中八九魔力者だろ?どうだい、うちで一杯実験ひっかけない?』

「そんな酒みたいなノリで誘う事?」

『魔力者!?そんなとこよりうちのが報酬高いよ!五体満足は約束出来ないけど!』

『どうか俺のところを手伝ってくれ!魔力者の死体が欲しいんだ!』

「いや・・・あの・・・。断る以外の選択肢ないよね?」

「漣、さっさと行こう。」

空飛ぶスピーカー帯をコンベアを更に歩くことでさっさと通り抜ける。


だがスピーカーも構わず付いてくる。

『分かった!脳死状態で手を打とう!どうだ!』

『片腕だけ!片腕だけもげる程度だから!』

『とりあえず実験、どう!?』

はっきりと断らないといつまで経ってもこの不快な誘いは消えないであろう。

「・・・・・・はぁ。先約があるから、ツォー博士に用があるんだ。」

『『『あー・・・ご愁傷さま。』』』

「ねぇ、舜くん!?このメンバーにこう言われる人と会って大丈夫かなぁ!?」

「言わないで・・・俺も不安になってきてるところだから・・・。」

その時、空からロボットが落ちてきた。


「はっはぁ!随分な言いようだねぇ!安心したまえ、ネビロスさんとこの弟さんだろ?話は聞いているさ!」

「・・・ツォー博士?」

「ああ!その通りさ!それでは少し身体を失礼!」

ロボットに誘導され、舜は道端の何かに入れられる。

チリチリという音。

「・・・・・・・・・なあ、これ。」

そして舜の身体は発射され、宙を舞った。

「大砲だよなーー〜〜・・・。」

「ツッコミまで空に消えてっちゃった。・・・私達も、これに?」

ロボットは早くしろと言わんばかりに詰め込もうとする。

それぞれが飛ばされてる間、怜奈は飛んでった舜を追ってその足で目的地へ向かっていた。


「さて、ようこそ我が実験室へ!」

ボサボサの髪。眼鏡と白衣の女性。

ツォーがふわふわした物体の上に着地した女性陣と、地面にクレーターを作りながら倒れている舜に話しかける。

「・・・いつまで地面に横たわっているんだい?好きなのかい?」

「ぶっ飛ばすぞ。」

舜は起き上がって這い上がる。

「成程、頑丈だねぇ。ねぇ、どうだい?君はモルモットだったんだろ?ここでも私のモルモットにならないか?」

「・・・雪乃、ステイ。」

剣を出して殺さんとする雪乃を舜が止める。


「・・・何をそんなに怒ってるんだい?人類の為になると言うのに。」

「道徳の授業、してあげましょうか?」

珍しく怒りに声を震わせた愛花が睨む。

「道徳・・・?持ち合わせてるよ?」

「おい、舜。このサイコパスに道徳を教えられたような異常者と何をするつもりなんだ?」

舜は心からのため息をついて、ツォーに向き直す。

「生きてる隕石とやらについて教えてもらいたい。対価は金。どう?」

「金・・・?それは・・・大きな実験が出来るくらいの額を貰えたり・・・?」

入国の時と同じようにドンと金を置く。

「持ち合わせならかなりある。だから、早く、教えろ。」

その金額に目を輝かせながらにまーっと笑ってツォーは指を鳴らす。


スクリーンが降りてくる。

「いいだろう。私が見つけた貴重な生命体について教えようとも。私はこの最強の生命体を倒すために今様々な自立型兵器を作っている。この生命体を倒すのは生命を超えた機械しかないと確信してるのでね。」

前置きと共に、スクリーンに映像が映し出された。

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