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愛の歌  作者: Dust
5章
131/228

128話

「新しく来た連中はどうだ?」

「血の気が多い。が、連携自体は取れるようにしてある。」

男はくくくと笑う。

「竜が地に伏しているのも束の間だけ。四凶のうち3人が死した今、新たに天に立つのは我らよ。」

ローグの残党が今、1つにまとまっていた。

(・・・ほんとにこいつらで大丈夫なのか?)

(フーロちゃん、今回俺らはあくまでアウナリトの戦力の再調査。こいつらは死んでも構わないんすよ。)

その中にフーロとシュネールもいる。

(しかし・・・カオス様が気にされる程のものか?)

(まあ気にはしてるだろうけど・・・あれ?フーロちゃんあの命令がカオス様本人からのものってまだ信じてる?)

「・・・どういう―」

(しーっ、今は目立っちゃ駄目っすよ。あとであとで!)


時を同じくして。

「・・・やはりお前か。」

「ええ、ふふ。相変わらず愛に溢れていて心地いい・・・どう?私と後で愛し合わない?」

肩から胸を通った2本の線のような布がへその上で交差してそのまま背中に巻きついてるだけの露出の高い服。

胸が小さい故か、その布は上から覗けば見えてしまいそうで、とてもナイスバディとは言えないながら見るものに劣情を抱かせられる女がカオスの前に立っている。

「変わらぬな、伝道師。」

「うん、変わらず愛のままに生きてるわ。」

カオスは表情を変えずに葉巻を吸う。

「あの2人なら大丈夫。それは愛情深いあなたが1番知ってるでしょ。」

「・・・・・・。」

カオスはデバイスを見る。

いつの間にか自身のデバイスから2人に出された指示は、カオス自身が出すべきか悩んでいたものであった。


「・・・うげ!アピアルじゃん。」

「あら・・・Y9ちゃんごきげんよう。相変わらず本当の愛を探してるのね。どう?今日出会った事に乾杯♡って事で一夜を共にしてみるのは。」

「ヤダ。なんかカオスたんから変な指示が飛んできたと思ったらアピアルのせいか。相変わらず手癖悪いんだ。」

ふふっと愛の伝道師・アピアルは笑う。

「愛が為させた技よ。いつか貴女にも分かる日が来るわ。」

「そんな愛なら一生来なくていいかな。」

カオスは煙をゆっくりと口から吐いた。

「それで・・・お前はどうする予定だ?」

「もちろん、今は貴方の愛の邪魔はしないわ。だけど、愛に悩む者がいる。愛ゆえに苦しむものがいる。私はいつも通り他人の愛の成就を見てイキたいだけ♪うふふ、要するに今日はただのご挨拶、ついでに誰かつまみ食い出来ないかなぁって思ってるだけよ。」


「・・・それでカオスたん、これY9ちゃんも行って確実に成功させに行った方がいい?」

「性交!?今性交の話した!?やだずるい私として!」

「黙ってて。で、どするの?」

カオスは数秒考えた後、葉巻を咥えて喋る。

「あいつらにとってもいい経験になる、か。伝道師の指示通り動いてもらえるか。」

「え、じゃあ今から指示を変えていい?私と愛し合・・・。」

「それじゃあ全て終わったあとあの2人回収だけね。」

「この無視の仕方もなかなか好ましいプレイ・・・!」

Y9は無視を決め込んでその場から一瞬で消えた。

「・・・じゃあ、またね。ああ、あと貴方の愛は深くていいけれど・・・それを自分にも向けてあげてね。ばーい♡」

短いスカートから見える綺麗な脚でそのままアピアルもその場を後にした。


「・・・あ、ほら機嫌直して。カオス様から直々に同じ司令出たっすよ。」

「元より機嫌を悪くしたつもりは無い!」

「いやめっちゃ怒ってんじゃん・・・。」

2人は一時的にローグの集団の元を離れ、話し合っていた。

「はぁ・・・ん、カオス様より更に追記?ローグ残党についてもよく見ておけ・・・。カオス様はこんな奴らにも何かを・・・?」

「いやぁ、フーロちゃん。甘く見たら駄目っすよ。新しく入ったやつ以外は実際連携が異様に取れてる、それに情報収集能力も高い。少なくとも第1陣は捌き切れる地力はある。」

「・・・第1陣?」

笛の音がなる。

「ほーら、来たっすよアウナリトからの第1陣が。」

シュネールはフーロの前でカッコつけてニヤリと笑った。

「俺と、このローグ残党どちらもこのタイミングで来るって予想してたっすからね。後はその第1陣の判断がどれだけ早いか・・・。」

「御託はいいから行くぞ。戦いの様子をよく見ねば。」

「あ!・・・まあここまでズバズバ当ててたらかっこついたしいいか!」

2人はローグ残党に紛れ込む、決して自身達が戦わぬように気配を消しながら。


「はー、ヤダヤダ。なんでやる気のない私がリーダーなんだろ。」

「ムイムイ、煩い。何回も言わなくていいでしょ。」

イームの能力で数人がローグ残党のいる基地の近くまで降り立つ。

「で、そこのローグ組。気を付けるべき事は?」

「分かんねぇっす!でも少なくとも個人個人は私より下っすよ!」

えーっ!とムルシーにムイムイは抗議の声をあげる。

「それじゃあ分かんなーい!から帰ろ!」

「行くぞ。」

イームはまともな会話がムイムイともローグ組とも成立しないと踏むと先にローグの基地へと歩を進めた。

「なんでこうなるかなぁ・・・まあ敵の戦力見るだけでもやるかぁ・・・。」

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