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愛の歌  作者: Dust
4章
103/194

100話

「ようやく来たか・・・我が弟よ。」

「義兄上・・・。」

玉座の間へ入った舜は辺りを見回す。

リーンとセロはすぐに目に入ったが、キアラが見当たらない。

「安心しろ、3人とも殺すつもりは無い。」

「・・・義兄上、先に何故戦争を求めたのか・・・お聞きしても?」

ネビロスは舜の目を真っ直ぐ見る。

「お前は魔力者の生まれた理由を知っているか?」

「・・・・・・いえ。」

「10年前、はるか彼方の宇宙から。おそらく何億年もかけて落ちてきた隕石がある。」


「隕石?」

舜もネビロスの目を真っ直ぐ見てその真偽を確認する。

「ああ。そしてその隕石は―生物であった。魔力を持つ者を餌として喰らう。その為に人間に魔力を吸わせ、魔力者は生まれるのだ。」

「・・・餌。」

舜の頭に色々な疑問が浮かんでくる。

「人間は魔力を取り込んだ後、その身体の中で増幅させる。わざわざ分け与える理由は増幅後の魔力が目的だ。」

「・・・分からない。宇宙空間をどれだけの速度で動こうが・・・仮に生物が産まれられる惑星が他にあったとしてもこの惑星に来るまでには果てしない距離があるだろうから、膨大な時間がかかるはず。その間、魔力を持つ生物を食うことは出来ないだろうに・・・何故、この星に来てから魔力を求める・・・?」


ネビロスはくくくと笑う。

「やはり、我が弟は優秀だ。少なくとも腹を満たすためではないだろう・・・が。今大事なのは奴が魔力を増幅させた人間を食うということだけだ。」

舜は頷いて、別の疑問を口にする。

「それで・・・何故、戦いを。」

「人間は元々、辺りの魔力を吸えるらしい。成熟期間に満たぬ者が魔力を吸うと、その魔力に適応し、魔力者へとなる。個人差はあるが・・・身に覚えがあるのではないか?」

漣が魔力者へ目覚めた時は、ちょうど自分とローグ2人が争っている時だった。

舜は頷いて話の続きを促す。


「大事なのはここからだ。魔力に適応したものは辺りの魔力を更に吸い続け、力を増やし続ける。だが・・・大気中にある魔力程度では何十年かけても微量にしかならぬ。大量の魔力がある場所に何回も何回も赴くか・・・異常な量の魔力がある場所に行かなければ劇的には強くなれん。」

「・・・竜の里とか、ですか。」

ネビロスは首を振る。

「確かにあそこの魔力濃度は高い。地上で暮らすよりは強くなれるだろう。だが、それでもかなりの時間を要しなければ我らは強くなれぬ。」

舜は考える。

まだ、戦う理由には繋がらない。


「・・・覚えがないか?異常な魔力が吹き出すタイミングに。」

「吹き出す・・・?・・・まさか!?」

魔力者はコアというものがある。

魔力が足りなくなると、かつてのオーフェのように内から身体を吹き飛ばさんとする程の魔力を放ち。

壊されるとあの子供たちのように異常な魔力を放ちながら身体を消滅させてしまう。

そう、魔力者は魔力者になった時点で異常な魔力を身体に秘めるのだ。

「・・・ふっ、思い浮かんだようだ。―なら次だ。魔力者が死んだ時・・・その内にある膨大な魔力はどうなると思う?」

「・・・制御を失った魔力は・・・大気に・・・?」


「そうだ。魔力者は魔力者を殺せば殺す程、その相手の魔力を受け自身の魔力を増大させる。お前のその異常な防御力も、魔力を異常に使う能力でありながら連発が出来る理由も全て―お前が、大量に殺してきてくれたおかげだ。」

舜の息が乱れる。

沢山の人を殺してきた。

とうの昔に慣れたことであったはずなのに。

その事実が何故か今になって重くのしかかってくる。

「俺とお前、膨大な魔力を持つ2人。片方が片方の贄となりて、強くなる。全てはあの、人間を餌にする化け物を超えるため。そして、舜。我が弟よ。俺はお前を兄として殺す。お前にこれ以上背負わせない為に。お前にこれ以上殺させない為に。誰よりも優しいお前が、これ以上未来で傷付かぬように。構えよ!」


その声に舜はハッとして武器を握る。

「だから、お前が傷付くのはこれで最後だ。後は過去のものだ。十三人目の(グノーシス・)後悔と救済(プロスフォラ)!」

舜の足元と黒い空間が現れる。

何本もの腕がそこから舜を掴もうと激しく動く。

「・・・っ!?」

斬り捨てようとしたものの、その手が止まった。

腕の持ち主が、分かってしまった気がした。

それは―今まで舜が殺してきた相手たちだった。

舜は腕に引き込まれ、沈んでいく。


「・・・おい、何をぼうっとして・・・なんだ!?」

周りの目からは突然、舜が意思をなくしたかのように下を向いて動かなくなり。

その後、その胴へ強大な魔力が斬り裂いた。

舜の身体は斬られた場所から血を吹き出す。

「くっ!?」

身を隠していたキアラが舜を抱え、その場から必死に離れた。

強大な魔力は天井まで届くほどだった故に、舜のいた場所へ瓦礫が落ちてくる。

「・・・おい!しっかりしろ!おい!」

キアラは布で舜の傷口を押さえ、巻き付ける。


「過去への罪悪感が多ければ多いほど、その一撃は強さを増す。・・・ここまで強大なものになったのは我が父ラース以来だがな・・・。精神世界で苦しむ前に、今楽にしてやる。」

そんなネビロスの前にリーンとセロが立ち塞がる。

そんな中、舜は己の罪と精神世界で向き合っていた。

愛「パンパカパーン!100話きねーん!」

漣「記念って言えるほど楽しい内容の回じゃないね。」

怜「・・・まあ・・・記念は記念。」

雪「それで今回あとがきは何かやるの?」

咲「それが・・・ヒロインだけ集めて後は何も決めてない!だと。」

愛「出来ればコメント返しとかしたいですねぇ。何かコメント来たらものによっては次回返すとか。」

漣「あとは前々から書きたがってるらしい私たち女子5人のみの飲みとか。あとがきにおまけとして書いちゃう?」

咲「のみの・・・飲み・・・ぷぷ・・・。」

雪「そんなこんなでまた次回へ。」

怜「・・・読んでね。」

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