晴れのち曇り、時々ラグナロク
ぼんやりと僕は朝のテレビを見ていた。
画面内のお天気お姉さんが笑顔で言った。
「今日の天気は、曇りのち雨でしょう」
僕はため息をついた。今日は凜琉ちゃんとデートの日なのに...最悪だ。
どうかこれが夢でありますように、と僕は頬を引っ張った。
すると,僕はベッドのなかで目を覚ました。良かった、さっきのは本当に夢だったようだ。
そして僕はベッドからでて、テレビをつける。
今日の天気は晴れになってくれ。
画面内のお天気お姉さんが笑顔で言った。
「今日の天気は、雨でしょう。また明日香市には大雨警報がでています」
僕は息をのんだ。さっきの夢より悪い天気じゃないか。それも僕が住んでいる明日香市にとんでもない豪雨がくるらしい。
どうかこれが夢でありますように、と僕はもう一度頬を引っ張った。
すると、僕はベッドのなかで目を覚ました。良かった、さっきのも夢だったようだ。
そして僕はベッドからでて、テレビをつける。
お願いします。僕は外で凜琉ちゃんとデートがしたいんだ。
画面内のお天気お姉さんが笑顔で言った。
「今日の天気は、雷のちラグナロクでしょう」
僕は虫の息だった。
―――ラグナロク、それは世界の『終末の日』―――。
お天気お姉さんは笑顔で世界の終わりを告げた。
もはや頬を引っ張る気にもなれなかった。これ以上天気が悪くなるのはごめんだ。
ただ良い天気で凜琉ちゃんとデートしたかっただけなのに。
まさか僕の身勝手な行動で、世界が終わるなんて......。
外はこの世の終わりを告げるように、風が強く吹き荒れ、雷がけたたましい音をたてて地上に降り注いでいた。
ぼんやりと寿命が世界と一緒に尽きるのをまっていると、携帯が鳴った。凜琉ちゃんからだ。
電話がつながると僕は申し訳なく言った。
「もしもし、凜琉ちゃん。ごめんね。僕のせいで世界が終わっちゃって」
すると、怒ったような口調で凜琉ちゃんが言った。
『まだ諦めるのは早いよ、勇くん。いまからでも世界の崩壊を止められる!』
「どうやって?! それって痛いの?」
『つべこべ言わないでいますぐ来て! みんながあなたを待っているのよ』
凜琉ちゃんに叱咤され、僕は立ち上がった。
世界が終わる? 上等! 受けて立ってやる。
そして僕、勇奏ロキは仲間のもとへ向かった。
終
初めての投稿です。
まさか主人公がラグナロクを起こしてしまったロキだったとは。
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