✔ 4.商店街 〜 課金屋でカッキーン 1 〜
──*──*──*── 商店街
──*──*──*── 課金屋
課金屋に入ったセロは、受け付けカウンターへ向かうと受付嬢に話し掛けた。
課金屋には受け付けカウンターが3つあって、セロは空いてる真ん中の受け付けカウンターに居る受付嬢と話していた。
受付嬢から何かを手渡されたみたいだ。
マオ
「 セロ… 」
セロフィート
「 番号札を貰いました。
呼ばれる迄、待ちましょう 」
そう言ったセロはオレの背中に手を当てる。
オレはソファーのある場所に促された。
セロの左隣に座ったオレは、記念トロフィーを抱き抱えたままセロに事情を聞く事にした。
マオ
「 セロ、課金屋で何を課金するんだ? 」
セロフィート
「 此です 」
セロが見せてくれたのは何かの券らしい。
オレは今、翻訳ルーペを目に掛けてないから、アレンカルダ文字が読めなくて券に何が書かれているのかさっぱり分からない。
マオ
「 セロ、何て書いてあるんだ?
オレには読めないよ 」
セロフィート
「 此は “ 万食券 ” と言います 」
マオ
「 万食券?? 」
セロフィート
「 そうです。
大食い大会の出場者は15名居ましたね 」
マオ
「 うん 」
セロフィート
「 過去の優勝者の倍率は1番低く、2倍となってます。
出場回数の多い常連の倍率は3 〜 6倍、出場回数が少なかったり、出場しても優勝が出来ていないと倍率は7 〜 9倍です。
マオの様に初出場なら倍率は10倍でした。
掛け金は100U 〜10.000U迄です。
1人10枚迄万食券を買う事が出来ます。
ワタシは倍率が10倍のマオに賭け、1枚10.000Uで万食券を10枚買いました。
1枚10.000Uの万食券は、10万Uの価値があります。
10万Uの万食券が10枚あるので100万Uの価値があります 」
マオ
「 えぇと……じゃあ、100万Uの万食券を100万Uの現金に課金しに来たって事か? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 えぇと……オレが優勝したから、セロは見てただけなのに100万Uもガッポリ出来た──って事か? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 汚い!!
大人は汚い!!
大食い大会を賭け事に利用するなんて、汚過ぎるだろ! 」
セロフィート
「 痛ましい事件で≪ 街 ≫は沈んでます。
少しでも活気を出して盛り上げる為に考えられた案なのでしょう。
マオに賭けたのはワタシだけみたいですし、ワタシの1人勝ちです♪
次回からは掛け金の額が100U 〜 1.000Uに変更されるかも知れませんね 」
マオ
「 有り得るよな…… 」
セロフィート
「 マオ、食べ終わるのに時間掛けてましたね。
計算してました? 」
マオ
「 違うよ。
セロがクッキーに盛った薬の副作用の所為で何時ものペースで食べれなかったんだよ!
内心、ハラハラしてたんだぞ! 」
セロフィート
「 副作用未だ続いてます? 」
マオ
「 途中で治ったよ。
だから、時間内に食べきれたんだ 」
セロフィート
「 次は副作用がなるべく早く消えるのを作るとしましょう 」
マオ
「 またオレに食べさせる気かよ… 」
セロフィート
「 当然です。
マオ、頼りにしてます♪ 」
マオ
「 お手柔らかにしてくれよな。
其と首輪は着けないからな! 」
セロフィート
「 首輪はセットです。
次も着けてもらいます 」
マオ
「 嫌だよ〜〜〜!! 」
オレが駄々を捏ねていると、「 青の67番の番号札をお持ちの御客様、御待たせ致しました。受け付けカウンター迄御越しください 」って、お客を呼び出すアナウンスが流れた。
マオ
「 セロは何番の番号札なの? 」
セロフィート
「 赤の72番です 」
マオ
「 赤なんだ…。
じゃあ、未だ未だ呼ばれそうにないな〜〜 」
セロフィート
「 そうですね。
課金に来た理由は伝えてます。
準備に時間が掛かるのかも知れません 」
マオ
「 100万Uだもんな… 」