✔ 3.宿泊室 2 〜 ティータイム 2 〜
セロフィート
「 鏡、見ます? 」
そう言ったセロは、姿見を出してくれた。
オレは直ぐ様、姿見の前に立った。
鏡に映った自分の姿を見たオレの口から思わず「 み゛に゛ゃ゛ぁぁぁぁぁあああああああああッッッ!!!! 」って大声が出た。
こんなに大きな自分の声を聞いて、自分でも驚いてる。
一体何処から出るんだか。
そんな事より、鏡に映ってるオレの姿だけど──、人間の姿なのは変わらない。
だけども、耳が無くなってて……、耳の代わりに頭の左右に獣耳が付いていた。
なんじゃこりゃぁ゛ぁぁぁぁあああああああッッッ!!!!
黒色の獣耳だ。
ピンとは立ってなくて、左右にヘタっている。
元気のなさそうな獣耳だ。
後ろからは黒色のフサフサした尻尾みたいなのが揺れているのが見える。
なんじゃこりゃぁ゛ぁぁぁぁあああああああッッッ!!!!
口を開けたら……犬歯かな??
小さく尖った歯が生えていた。
なんじゃこりゃぁ゛ぁぁぁぁあああああああッッッ!!!!
オレの身体が大変な事にーーーーーーッッッ!!!!
どうなってんの?!
何で獣耳とか尻尾とか犬歯とか生えてんの?!
首輪…………こんなの犬みたいじゃんかっ!!
抑、何だよ、フェンリルって!!
犬人間?!
オレ、犬人間にされちゃったの?!
此もセロとの約束を破った事に対する罰なのか??
酷いっ!!
確かに、 “ オレに罰を与えれば良いじゃないか ” 的な事は言ったけどっ!!
こ…此は流石にあんまりだ!!
マオ
「 何だよ、此!?
何でオレが犬人間になってるんだよ!
どゆこと!!
取れないのかよ?
生えてんの、此?? 」
セロフィート
「 犬人間…です?
フェンリルは遥か昔に絶滅したと言われる幻の種族です。
偉大なる人狼王──をイメージしてみました♪」
マオ
「 知るかよ、そんなの!!
元に戻せぇぇぇぇ!! 」
オレは手を握って拳にすると、ポカポカッとセロを叩いた!
セロフィート
「 似合ってますし、可愛いです♪ 」
マオ
「 似合わなくて良いよ!!
戻せって言ってるだろ!! 」
セロフィート
「 戻りません 」
マオ
「 はぁあ゛!?
『 戻らない 』って……。
ま、まさか…ずっと此のまま??
犬人間のままなのか?? 」
セロフィート
「 今は無理です。
薬の効果が切れる迄は其のままです 」
マオ
「 はぁぁぁあ?!
薬の効果が切れるのって何時だよ?? 」
セロフィート
「 さぁ?
何時でしょう?
ワタシにも分かりません 」
マオ
「 分からないのかよ!? 」
セロフィート
「 さぁさ、マオ──、お茶の時間を始めましょう 」
マオ
「 こんな格好でお茶の時間をしたかった訳じゃないんですけど!! 」
セロフィート
「 『 「 あ〜ん 」をしたら許す 』と言ったのはマオです。
笑って許してください♪ 」
マオ
「 許せるかボケェェェ〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!!!! 」
セロフィート
「 静かにさない 」
マオ
「 きゃうん?! 」
セロは手に持っている鎖をクイッと前に引っ張った。
そしたら、オレの首輪が引っ張られて、変な声が出た!?
マオ
「 な、何するんだよ! 」
セロフィート
「 首輪を引っ張りましたけど? 」
マオ
「 見れば分かるよ!!
何で引っ張ったんだよ!!
ウェッてなっただろ! 」
セロフィート
「 マオが吠えるからです 」
マオ
「 吠え──?!
吠えてないだろ!! 」
セロフィート
「 座りなさい 」
マオ
「 ちょっ──、止めろ!
鎖を上下に揺らすな゛ぁ゛〜〜〜!! 」
セ…セロめぇ!!
何でオレに鎖付きの首輪を着けたんだよ!!
マジで何プレイだよっ!!
マオ
「 分かったよ!
座れば良いんだろ? 」
オレはセロを一睨みしてから、座る為に椅子を後ろに引いた。
セロフィート
「 マオ、ワタシの膝の上に座ってください 」
そう言ったセロは、またまた鎖をクイッと引っ張った!
だから、止めて!!
オレは鎖を引っ張られたり、上下に揺らされたりしても困るから、オレは大人しくセロの膝の上に座った。
セロの膝の上は座り心地が好過ぎる。
良い香りがする。
美味しい紅茶と美味しいお茶菓子の匂いだ。
セロがオレの頭を撫でてくれる。
時々、獣耳を触って来る。
マオ
「 うみゅぅ〜〜〜(////) 」
──ハッ!!
何だ!?
今の声は何だよぉ〜〜〜〜〜!!(////)
恥ずかしいっ!!
実は、次回作の伏線だったりするとか、しないとか……。
書きたいな~~とは思っています。