☀「 セロ 」アレンカルダ大陸 ／ ライナノットの街 ／ 自称★名探偵セロッタ・ホームスの迷宮事件簿

ライナノットの街 「 三日目 」

✔ ３．犯行現場 ２ 〜 推理しよう ２ 〜

ワトスン：マオ

「 そうなんだ…。

　 身（み）元（もと）確（かく）認（にん）してもらう時（とき）しか遺（い）族（ぞく）は死（し）体（たい）を見（み）れないの？ 」

ウィズパー

「 そうだね。

　 先（ま）ずは行方（ゆくえ）不（ふ）明（めい）届（と）けの中（なか）から、続（ぞっ）行（こう）中（ちゅう）の届（とど）け出（で）を集（あつ）めるんだ。

　 其（そ）の中（なか）から死（し）体（たい）と似（に）た条（じょう）件（けん）の届（とど）け出（で）を集（あつ）めたら、家（か）族（ぞく）に身（み）元（もと）確（かく）認（にん）をしてもらう為（ため）に教（きょう）会（かい）へ出（で）向（む）く様（よう）に連（れん）絡（らく）するんだ。

　 行方（ゆくえ）不（ふ）明（めい）届（とど）けが出（だ）されてない場（ば）合（あい）もあるから、死（し）体（たい）と似（に）た条（じょう）件（けん）の家（か）族（ぞく）が住（す）んでる家（いえ）を探（さが）して、身（み）元（もと）確（かく）認（にん）をしてもらう為（ため）に教（きょう）会（かい）へ出（で）向（む）いてもらうよ 」

ワトスン：マオ

「 そっか…。

　 家（か）(遺（い）)族（ぞく）(族（ぞく）)は辛（つら）いね… 」

ウィズパー

「 そうだね…。

　 事（じ）件（けん）が解（かい）決（けつ）したら、死（し）体（たい）は火（か）葬（そう）されて、遺（い）骨（こつ）は骨（こつ）壺（つぼ）に納（おさ）められて墓（ぼ）石（せき）に納（の）骨（こつ）される事（こと）になってるんだ。

　 ──火（か）葬（そう）は魔（ま）法（ほう）(マジック)で１体（たい）ずつ別（べつ）々(べつ)にするんだ。

　 １体（たい）の遺（い）骨（こつ）に１つの骨（こつ）壺（つぼ）が用（よう）意（い）されて、全（ぜん）骨（こつ）を魔（ま）法（ほう）(マジック)で圧（あっ）縮（しゅく）して骨（こつ）壺（つぼ）に納（おさ）めるんだ。

　 遺（い）骨（こつ）が骨（こつ）壺（つぼ）に入（はい）ると、骨（こつ）壺（つぼ）の前（ぜん）面（めん）に故（こ）人（じん）の情（じょう）報（ほう）が現（あらわ）れるんだ。

　 其（それ）を元（もと）にして、墓（ぼ）地（ち）にある沢（たく）山（さん）の墓（ぼ）石（せき）から、唯（ゆい）一（いつ）の家（いえ）墓（はか）を探（さが）して納（のう）骨（こつ）するし、見（み）付（つ）からなければ慰（い）霊（れい）墓（はか）に納（のう）骨（こつ）されるんだ。

　 御（ご）遺（い）体（たい）室（しつ）の遺（い）体（たい）は引（ひ）き取（と）り手（て）が居（い）るから、火（か）葬（そう）せずに遺（い）体（たい）のまま帰（まえ）す事（こと）になってるよ 」

ワトスン：マオ

「 そっか…。

　 事（じ）件（けん）が解（かい）決（けつ）する迄（まで）、遺（い）体（たい）は家（か）族（ぞく）の元（もと）に帰（かえ）れないんだね…。

　 だけど、腐（ふ）敗（はい）しない状（じょう）態（たい）でちゃんと保（ほ）管（かん）してもらえてるのは幸（しあわ）せだね。

　 事（じ）件（けん）が解（かい）決（けつ）さえすれば、家（か）族（ぞく）の待（ま）つ家（いえ）に帰（かえ）れるんだもんな… 」

ウィズパー

「 そうだね。

　 家（か）族（ぞく）が生（い）きている間（あいだ）に事（じ）件（けん）が解（かい）決（けつ）出（で）来（き）れば──だけどね 」

ワトスン：マオ

「 そうじゃない事（じ）件（けん）もあるの？ 」

ウィズパー

「 山（やま）程（ほど）あるよ。

　 迷（めい）宮（きゅう）入（い）りした未（み）解（かい）決（けつ）事（じ）件（けん）。

　 教（きょう）会（かい）の地（ちか）下（か）には、家（か）族（ぞく）が生（い）きている内（うち）に事（じ）件（けん）が解（かい）決（けつ）出（で）来（き）ずに帰（かえ）れない遺（い）体（たい）が沢（たく）山（さん）あるんだ。

　 遺（い）体（たい）を引（ひ）き取（と）って葬（そう）儀（ぎ）をして、火（か）葬（そう）して、家（いえ）墓（はか）を探（さが）して納（のう）骨（こつ）迄（まで）してくれる親（しん）戚（せき）なんて、そうそう居（い）ないよ。

　 引（ひ）き取（と）り手（て）に拒（きょ）否（ひ）されてしまう事（こと）が多（おお）いんだ 」

ワトスン：マオ

「 …………そうなんだ… 」

ウィズパー

「 まぁ、神（しん）官（かん）(プリースト)に色（いろ）々(いろ)としてもらえるから、未（ま）だ幸（しあわ）せな方（ほう）ではあると思(おも)うよ。

　 明（あ）日（す）は我（わ）が身（み）だね 」

ワトスン：マオ

「 ウィズパーさんは家（か）族（ぞく）と暮（く）らしてないの？ 」

ウィズパー

「 僕（ぼく）は孤（こ）児（じ）(ニターン)だからね。

　 両（りょう）親（しん）は居（い）ないんだ 」

ワトスン：マオ

「 孤（こ）児（じ）(ニターン)なの？？

　 だけど、孤（こ）児（じ）(ニターン)なのに警（けい）察（さつ）官（かん）になれるなんて、ウィズパーさんは凄（すご）いね！ 」

ワトスン：マオ

「 ははは。

　 此（こ）の国（くに）ではね、孤（こ）児（じ）(ニターン)は幼（おさな）い頃（ころ）から警（けい）察（さつ）官（かん）になる為（ため）の教（きょう）育（いく）を受（う）ける事（こと）になってるんだよ。

　 孤（こ）児（じ）(ニターン)になったら、警（けい）察（さつ）官（かん）育（いく）生（せい）施（し）設（せつ）で暮（く）らす事（こと）になるんだ。

　 狭（せま）いけど１人（り）部（べ）屋（や）を与（あた）えられて、食（しょく）事（じ）の心（しん）配（ぱい）もしなくて良（い）いし、毎（まい）晩（ばん）お風（ふ）呂（ろ）にも入（はい）れるし、日曜日（サーシャ），土曜日（ンーアル），祝日（エーレト）は警（けい）察（さつ）学（がっ）校（こう）も休（やす）みで外（がい）出（しゅつ）出（で）来（き）るんだ。

　 訓（くん）練（れん）は厳（きび）しくて大（たい）変（へん）だけど、ちゃんと評（ひょう）価（か）をしてもらえるから頑（がん）張（ば）り甲（が）斐（い）はあるよ 」

ワトスン：マオ

「 そうなんだ？

　 平（へい）日（じつ）だけ警（けい）察（さつ）学（がっ）校（こう）で勉（べん）強（きょう）したり、訓（くん）練(れん)したりするんだね。

　 孤（こ）児（じ）(ニターン)じゃなくても、警（けい）察（さつ）官（かん）になれるの？ 」

ウィズパー

「 勿（もち）論（ろん）なれるよ。

　 警（けい）察（さつ）学（がっ）校（こう）に通（かよ）っているのは孤（こ）児（じ）(ニターン)だけじゃないからね 」

ワトスン：マオ

「 孤（こ）児（じ）(ニターン)だからって嫌（いや）がらせとか差（さ）別（べつ）とか受（う）けたりしないの？ 」

ウィズパー

「 なくはないかな。

　 でも、皆（みんな）警（けい）察（さつ）官（かん）を目(め)指(ざ)してるからね。

　 警（けい）察（さつ）学（がっ）校（こう）の生（せい）徒（と）は、警（けい）察（さつ）官（かん）のタマゴだからね。

　 悪（あく）事（じ）に手（て）を染（そ）めるとペナルティが課（か）せられる様（よう）になってるんだ 」

ワトスン：マオ

「 ペナルティ？？

　 ペナルティって何（なに）？？ 」

ウィズパー

「 １年（ねん）間（かん）で１００Ｐ（ポイント）を与（あた）えられるんだけど、警（けい）察（さつ）官（かん）の生（せい）徒（と）らしかぬ事（こと）をするとＰ（ポイント）が減（げん）少（しょう）するんだ 」