✔ 3.犯行現場 9 〜 事件の調査 9 〜
だから、≪ アレンカルダ大陸 ≫の陸民には、セロが手品を披露してる様に見えるらしい。
そんな訳で、タンダレル警部もセロが手品を披露している様に見えた様で……。
「 暢気に手品なんかするな! 」って、タンダレル警部はセロを怒っている。
だけどセロは何時もの笑顔でタンダレル警部をスルーしている。
セロの手の中にある手紙は鳥の姿に変わると、左右の翼を元気良く羽ばたかせて大空へ飛び立って行った。
ワトスン:マオ
「 ホームス、今の鳥は?
手紙が鳥に── 」
ホームス:セロフィート
「 封筒に宛名を書いてもらったでしょう?
宛名先へ飛んで行きました。
此なら誰かに妨害される事もないです 」
ワトスン:マオ
「 妨害って??
妨害する奴が居るのか?? 」
ホームス:セロフィート
「 逆に “ 居ない ” と考える方がどうかしてます。
此処では “ 居る ” と考える方が自然です 」
ワトスン:マオ
「 そ、そう言うもんなのか? 」
ホームス:セロフィート
「 そう言うものです。
──さて、無能警部、貴族令嬢が殺害後、若しくは殺害時に変態露出狂達が目撃された証言は上がってます? 」
タンダレル
「 あ…… 」
ワトスン:マオ
「 あ?
タンダレル警部、『 あ… 』って何?? 」
ホームス:セロフィート
「 若しかして、未だ調べてません? 」
タンダレル
「 そ…其は──。
おい、どうなんだ?
其処等編の捜査は出来てるのか? 」
お巡りさん
「 えっ……いぇ、あの……、未だ其処迄は…… 」
タンダレル
「 そうか… 」
お巡りさん
「 すみません… 」
ホームス:セロフィート
「 お巡りさんが謝る事ないです。
変態露出狂の目撃証言はワトスンとワタシで聴き込み調査します。
無能警部、良いですね? 」
タンダレル
「 あ、あぁ…。
其は構わないが? 」
ホームス:セロフィート
「 行きましょう、ワトスン 」
ワトスン:マオ
「 う、うん 」
ホームス:セロフィート
「 無能警部、ワタシには優秀で有能な情報屋が付いてます。
『 エレファント・ザ・リッパー事件 』『 妊婦殺害事件 』『 貴族令嬢殺害事件 』について知りたい情報があれば、提供料1万Uで1つ提供しましょう 」
タンダレル
「 オイ!
金を取るのか?
無償で提供したらどうなんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 探偵は商売です。
慈善事業でしてません。
情報は大事な商品です。
無償で提供する訳ないです 」
タンダレル
「 オレ達は協力関係にあるんじゃないのか? 」
ホームス:セロフィート
「 協力してません。
捜査の依頼を受けた分だけ可能な範囲で手伝うだけです 」
タンダレル
「 ホームス……お前… 」
ホームス:セロフィート
「 提供料1万Uはサービス価格です。
《 ホームス探偵事務所 》と専属契約している無能警部への慈悲です 」
ワトスン:マオ
「 慈悲って……。
ホームス、本当の提供料は幾ら何だ? 」
ホームス:セロフィート
「 そうですね…。
5万Uです 」
今、決めたよな…。
うん。
絶対に今、決めた!!
タンダレル
「 5万Uだと?!
高いじゃないか! 」
ホームス:セロフィート
「 其が1万Uなのは破格でしょう?
ワトスンがポロっと漏してしまった情報は、仕方無いですし、無料にしときます 」
タンダレル
「 は?
そんなの有ったか?! 」
ワトスン:マオ
「 はははは……。
御免な…ホームス……。
オレのうっかりで… 」
セロ……、若しかしてオレがポカした尻拭いをしてくれたのかな??
もう、セロめっ(////)
大好きだよ!!
ホームス:セロフィート
「 ワトスン、次からは気を付けつてください 」
ワトスン:マオ
「 う、うん…(////)」
ホームス:セロフィート
「 行きましょう、ワトスン 」
セロはオレの左手を握ると歩き出した。
犯行現場にタンダレル警部とお巡りさん達を残して────。