✔ 3.犯行現場 6 〜 事件の調査 6 〜
セロさぁ〜〜〜ん!!
今は死体じゃなくて、オレを見てくれよっ!!
タンダレル警部のオレを見る視線がチクチク刺さって怖いんだよ!!!
ホームス:セロフィート
「 ──ワトスン、此の死体を見て何か思いません? 」
ワトスン:マオ
「 な…何かって──何?? 」
ホームス:セロフィート
「 気付きません? 」
ワトスン:マオ
「 気付くって?? 」
ホームス:セロフィート
「 違いにです 」
ワトスン:マオ
「 違い?? 」
何だよ、違いって??
何が『 違う 』って言うんだろう?
ホームス:セロフィート
「 娼婦の殺害手口と酷似してるのは分かりますね? 」
ワトスン:マオ
「 う、うん。
分かるけど…。
其がどうしたんだ? 」
ホームス:セロフィート
「 違いに気付きません?
足りない工程に気付きません? 」
ワトスン:マオ
「 足りない??
………………何が足りないんだ?
{ そんな事より、タンダレル警部がオレを責める様な目で睨んでるんだ!
何とかしてよ! }」
ホームス:セロフィート
「 『 そんな事 』ではないです。
大事な事です。
娼婦の死体を良く良く思い出して、比べて御覧なさい 」
ワトスン:マオ
「 そんな…… 」
ホームス:セロフィート
「 タンダレル警部は娼婦の死体と貴族令嬢の死体の違いには気付いてますね? 」
タンダレル
「 ──は??
いきなり何だ?
娼婦と貴族令嬢の死体に違いがあるのか? 」
ホームス:セロフィート
「 タンダレル警部は娼婦の死体を何体確認しました? 」
タンダレル
「 11体だが?
其がどうした? 」
ホームス:セロフィート
「 11体の死体を確認したのに、違いに気付きません?
足りない工程が分かりません? 」
タンダレル
「 ………………いや、だから、何が足りないんだ?
娼婦の死体と殺害手口は一致しているだろう! 」
ホームス:セロフィート
「 ……………………無能警部 」
タンダレル
「 何ぃ?!
無能だと?!
オレの何処が無能だ!! 」
ホームス:セロフィート
「 貴方は今から無能警部です。
『 エレファント・ザ・リッパー事件 』を解決させれないのも仕方無いですね… 」
タンダレル
「 言わせておけばっ!!
なら、ホームス!
お前は気付いてるのか!
娼婦と貴族令嬢の死体の違いと足りない工程に!! 」
ホームス:セロフィート
「 気付いたから聞いてます。
ワタシが教えなければ気付けません?
本当に無能ですね 」
セロは、タンダレル警部に対して “ 無能 ” を此見よがしと連呼している。
おぃおぃおぃ、此処でタンダレル警部を怒らせたら拙いんじゃないのかよ!?
セロは何を考えてるんだよ〜〜〜。
………………娼婦の死体と貴族令嬢の死体には “ 違い ” がある??
足りない工程がある…………そんな事ある訳がな…………い゛ぃ??
いや、待て!
一寸待て!
本当に待って!!
そう言われると本当に “ 何か ” が足りない様に思えて来るから不思議だ。
何か違う?
何が足りない??
娼婦の死体と貴族令嬢の死体…………あっ!!
若しかしたら、若しかするかも知れない!!
娼婦の死体には有った工程と貴族令嬢の死体には無い工程……。
ワトスン:マオ
「 ──ホームス!
オレ、分かったかも知れない!! 」
ホームス:セロフィート
「 おや?
気付けましたか。
ワトスン、無能警部に教えてあげてください 」
ワトスン:マオ
「 う、うん。
娼婦と貴族令嬢の死体の違いと足りない工程は此だよ! 」
タンダレル
「 此とは?? 」
ワトスン:マオ
「 え〜と(////)
コホン!
首回りに細いストローみたいなのが刺されてないんだ。
だから血の川が出来てない。
其に、肝心のメッセージカードが見当たらないよ。
切られた胸の上に置かれてたんだよね?
無いでしょ? 」
タンダレル
「 …………確かに…うむ。
そうだな。
メッセージカードは見てない。
確かに首回りにも刺さっていないな。
成る程な、違いと足りない工程は此の2つか! 」
ワトスン:マオ
「 未だあるよ。
死体に放尿がされてない。
犯人達は娼婦を殺害した後、必ず死体に向かって放尿をしてただろ? 」




