✔ 3.犯行現場 5 〜 事件の調査 5 〜
警察官の移動手段として使用されている馬車に乗って到着した場所は、犯行17回目に使われた殺害現場だった。
17回目と言えば、最初に起きた『 エレファント・ザ・リッパー事件 』から5ヵ月目の第1週目に起きた『 エレファント・ザ・リッパー事件 』だ。
ワトスン:マオ
「 ──此処が……そうなんだ? 」
此の場所は初めてだ。
タンダレル警部以外の警察官は、お巡りさんかな?
お巡りさんは、タンダレル警部に向かって、ビシッと敬礼して挨拶をしている。
偉そうには見えないんだけど、警部な訳だし、やっぱり偉いのかな?
ホームス:セロフィート
「 貴族令嬢の死体はアレですね。
ワトスン、拝見しましょう 」
ワトスン:マオ
「 う、うん…… 」
いよいよ、貴族令嬢の死体と御対面か。
ホームス:セロフィート
「 ワトスン?
ワタシが居ます。
怖くないです 」
ワトスン:マオ
「 べっ別に怖がってないし! 」
とか言いつつ、オレはちゃっかりセロの腕に抱き付いた。
セロの腕に抱き付いてるオレを見て、タンダレル警部が「 成人ねぇ… 」って呟きながら笑ってる。
聞こえてるんですけど!!
セロと立ち入り禁止と書かれているリボンの下を潜って、貴族令嬢の死体に向かって歩いた。
貴族令嬢の死体には、シーツが被せられている。
烏につつかれない為に被せてあるらしい。
タンダレル警部がシートを取り外す。
外されたシートは、お巡りさんが受け取った。
貴族令嬢の無惨な死体が露になる。
確かに殺され方は、彼の映像で何度も見せられた方法と酷似はしている。
ドレスは上から下迄が乱暴に破かれていて、胸から腹部迄に鋭利な刃物で切り裂かれた痕がある。
切り口からは臓器が出されていて、2つの乳房が丁寧に切り取られている。
下腹部からは、子宮が摘出されてるのが分かる。
下着は何処にも見当たらなくて……。
2つの眼球も抉り取られている。
勿論、眼球の抉り取られた穴には、男性の大事な部分に付いている筈の睾丸が入れられている。
彼の4人の手口と同じだ。
犯人は彼の4人なんじゃないのか?
だけど……、1人殺すのに4人だろ?
たったの一夜の間に、大勢の貴族令嬢が一斉に──なのかは分からないけど、殺されたのは事実な訳で……。
そうなると4人で大勢の貴族令嬢達を殺すには無理がある訳で……。
…………他にも同じ手口で殺害する奴等が居るって事なのか??
他の貴族令嬢の死体も同じ手口なのかな?
ワトスン:マオ
「 タンダレル警部、他の貴族令嬢も同じ手口で殺害されてるのか? 」
タンダレル
「 うん?
あぁ…そうだな。
『 エレファント・ザ・リッパー事件 』と同じ殺害手口で間違いない。
勿論、他の犯行現場の貴族令嬢の死体も同様の手口だと言う情報は上がっている 」
ワトスン:マオ
「 マジかよ…。
じゃあ、犯人──殺人鬼は複数居るって事になるよな?
たったの4人で大勢の貴族令嬢を殺害するなんて不可能だもんな? 」
タンダレル
「 はぁ?
4人で…だと??
オイ、其はどういう事だ? 」
ワトスン:マオ
「 へ?
何が?? 」
タンダレル
「 『 何が?? 』じゃない!
犯人が4人とはどういう意味だと聞いてるんだ。
犯人の事を知かってるのか?
殺人鬼は変態露出狂ではないのか? 」
あれれんれぇ〜〜〜〜〜〜??
此って…バレたら拙いヤツかな??
ど…どうしたら良いんだ??
セロ──、オレに助け船を出してくれ!!
ワトスン:マオ
「 ホームス… 」
オレは2つ瞳を涙で潤ませながら、セロに視線を向けた。
だけど、肝心のセロは貴族令嬢の死体を食い入る様にガン見している最中だった。




