何か怒ってるよね?
マオ
「 彼の…… 」
深緑コートの男
「 子供は立ち入り禁止だ!
とっとと出て行け! 」
男の年齢は20代後半 〜 30代前半…ぐらいかなぁ?
意外と若いんだな。
ケレディさんは20代前半だと思う。
マオ
「 “ 子供 ” じゃ、ないよ。
オレはちゃんと成人してる!
《 ホームス探偵事務所 》の助手だよ 」
唯でさえ背が低いのに此処で舐められたら本当に追い出され兼ねない。
此処で弱く出たら負けだ!
オレは強気で言い返して、男の前に名刺を出した。
深緑コートの男
「 探偵の助手だと?
本当に成人してるのか?
嘘を吐いても調べれば判るんだぞ!
…………《 ホームス探偵事務所 》……聞いた事ない名前だな 」
マオ
「 最近、開業したんだよ 」
深緑コートの男
「 其で?
名刺を配って営業か?
場所を弁えろ!
此処は── 」
マオ
「 知ってるよ。
変態露出狂に妊婦が殺された現場だろ?
名刺を渡してるのは序で。
オレはケレディさんを知ってるか聞いて回ってるんだ 」
深緑コートの男
「 ケレディ…だと?!
ボウズ、ケレディを知ってるのか?? 」
マオ
「 オレは、マオ・ワトスン・シンミン。
“ ボウズ ” じゃないよ!
昨日の夕方、別の殺害現場で会ったけど?
オジサン、ケレディさんを知ってるの? 」
深緑コートの男
「 オジ……。
誰が “ オジサン ” だ。
オレは未だ、独身だぞ。
“ お兄さん ” と呼べ。
若しくは、 “ タンダレル警部 ” だな。
──ケレディはオレの後輩だ。
犯行現場の巡回へ出たきり、昨日から戻って来ていない。
本当にケレディと会ったのか? 」
独身なんだ?
要らない情報だよ…。
ワトスン:マオ
「 会ったよ。
けど、直ぐに『 警察署へ戻らないといけない 』って言って、行っちゃったよ。
何でケレディさんは警察署に戻ってないんだろう??
事件の事をセロが話したら、『 先輩に確認する 』って言ってたのに…… 」
タンダレル
「 事件の事だと?
どんな事だ! 」
ワトスン:マオ
「 どんな事って……。
一昨日の夜よるに『 エレファント・ザ・リッパー事じ件けん 』が起おきた事ことをセロが話はなしたんだ。
そしたらケレディさん、スッゴく否ひ定ていしてたよ。
セロのデマだった訳わけだけど、《 宿やど屋や街がい 》で配はい布ふされてた号ごう外がいを読よんだら、本ほん当とに『 エレファント・ザ・リッパー事じ件けん 』が起おきてた事ことを知しって吃びっ驚くりしたんだ 」
タンダレル
「 …………嘘ウソじゃないだろうな? 」
ワトスン:マオ
「 嘘ウソなんて言いわないよ。
ケレディさんは、オレのセロを誘ゆう拐かい犯はん扱あつかいしたんだぞ! 」
タンダレル
「 ………………。
其それでだ、 “ 君きみのセロ ” とやらは何ど処こで何なにをしてるんだ? 」
ワトスン:マオ
「 あっちで探たん偵てい達たちと話はなしてるんじゃないかな?
職しょく業ぎょう柄がらライバルの筈はずなんだけど…。
ほら、背せが高たかくて、オレとお揃そろいの白しろいコートの人ひとだよ 」
タンダレル
「 アレか……。
遠とお目めで見みても探たん偵ていには見みえないんだが? 」
ワトスン:マオ
「 旅たび人びとを装よそおってるから 」
タンダレル
「 旅たび人びと……ね。
何なんで旅たび人びとの振ふりなんてしてるんだ? 」
ワトスン:マオ
「 事じ件けんの調ちょう査さをし易やすい様ようにらしいけど?
オレにセロの考かんがえは分わからないよ 」
タンダレル
「 オレも探たん偵ていが考かんがえてる事ことは分わからんな。
取とり敢あえず、 “ 君きみのセロ ” とやらにも話はなしを聞きくとしようか 」
ワトスン:マオ
「 分わかったよ。
セロを呼よんで来くるから此こ処こで待まってて 」
タンダレル警けい部ぶを其その場ばに残のこしたオレは、親したしそうに探たん偵てい達たちと話はなしているセロを呼よびに行いった。
ケレディさんの先せん輩ぱいに会あえないかもって諦あきらめてたけど、会あえて良よかった!
ワトスン:マオ
「 ──セロ!
ケレディさんの先せん輩ぱいと会あえたよ! 」
セロフィート
「 現げん場ばでは、“ ホームス ” と呼よんでください。
ワトスン君くん、良よいです? 」
ワトスン:マオ
「 ……分わかったよ、ホームス… 」
んんっ??
此この反はん応のうは──、意い外がいとノリノリなんじゃないか??
若もしかしたら、若もしかするかも知しれない!?
期き待たい、大だいかも!!
ホームス:セロフィート
「 ケレディさんの先せん輩ぱいに会あえました? 」
ワトスン:マオ
「 うん。
セ──…ホームスにも話はなしを聞ききたいんだってさ。
{ ケレディさん、現げん場ば巡じゅん回かいに出でたきり戻もどって来きてないらしいよ }」