✔ 2.宿泊室 3 〜 今夜も『 いいこと 』 1 〜
セロと『 いいこと 』するのは初めてじゃない筈なのに、直前になると何時もドキン…ドキン…って──、心臓は無いけどオレの胸は高鳴るんだ。
オレの右手の上にはセロの左手が重ねられている。
セロはオレより大きな大人の手で、オレの左頬に触れて来た。
体温を感じないセロの柔らかい掌がオレの左頬を優しく撫でてくれる。
此は夫婦が『 いいこと 』する前に必ずする愛撫と言われるスキンシップだ。
──って事は、セロが教えてくれた。
セロがオレの身体の彼此にチュッチュして、キスマークを付けるのも愛撫らしい。
オレだってセロの身体にキスマークを付けたい!!
誰かに見せる訳じゃないけど、セロがオレだけのセロだって言う証を付けたいんだ。
だけど…、其は出来ない。
セロは人形だから、セロの身体にキスマークは付けられない。
オレの身体はセロのキスマークだらけなのに…。
セロはオレの身体にキスマークを付けるだけ付けたら、『 虫に刺された痕に似てる 』って言って、面白がるんだ。
嬉しいけれど、堪っもんじゃない。
はぁ……。
セロはオレの額に柔らかい唇を軽く付けてくれる。
擽ったい(////)
オレの唇とセロの唇が触れて重なる。
口を通って、セロの息がオレの体内に入って来たのが分かった。
其から先の事は覚えていない。
だって、オレは全てをセロに委ねたからだ。




