──*──*──*── 飲食街
レジで会計を済ませてくれたセロとポンジュ食しょくルノ店てんを出でると、地じ面めんが白しろい化げ粧しょうをしていた。
いや、地じ面めんに雪ゆきスノーが積つもってるだけなんだけども。
だけど、オカシイよな?
雪ゆきスノーが降ふる程ほど寒さむくなかった筈はずだ。
今いまはメッチャ寒さむいけどな!
今いまは確たしか…………何なん月がつだっけ??
マオ
「 セロ、今いまってさ何なん月がつだったかな? 」
セロフィート
「 5月がつの終おわわりです 」
マオ
「 5月がつ…。
なぁ、5月がつに雪ゆきスノーって降ふるもんなのかな?? 」
セロフィート
「 場ば所しょに依よっては降ふるのではないです? 」
マオ
「 だけどさ、雪ゆきスノーが降ふる前ぜん兆ちょうはなかったよな? 」
セロフィート
「 前ぜん兆ちょうがなくとも降ふる時ときは降ふります。
人じん知ちを凌りょう駕がするのが大だい自し然ぜんの力ちからです 」
マオ
「 ……今こん夜やは冷ひえそうだな…。
何い時つから降ふりだしたんだろう? 」
セロフィート
「 マオとワタシがポン飲いんジュ食しょくルノ店てんへ入はいった後あとに決きまってます 」
マオ
「 そうだけど… 」
セロフィート
「 コートを持もって来きて良よかったですね 」
マオ
「 そだな。
雪ゆきスノーに濡ぬれなくて済すむもんな。
積つもったら雪ゆきダルマスノーマン作つくれるかな? 」
セロフィート
「 明あ日すが楽たのしみです? 」
マオ
「 一寸ちょっとな。
明日あしたも雪ゆきスノーが降ふってたら、雪ゆきスノーが降ふる中なかで娼しょう婦ふが殺ころされるのかな? 」
セロフィート
「 どうでしょう。
雨あめレインでも殺さつ害がいするみたいですし、雪ゆきスノーでも殺さつ害がいするのではないです? 」
マオ
「 起おきないでほしいな… 」
セロフィート
「 無ム理リでしょう。
警けい察さつ官かん,捜そう査さ官かん,名めい探たん偵ていは揃そろいも揃そろって無む能のうですし。
昨さく夜や、事じ件けんが起おきてなければ明あ日すの夜や間かんに起おきるのは間ま違ちがいないでしょう 」
マオ
「 …………そだな…。
其それにしても風かぜが冷つたいな。
其それに向むこうの空そらが光ひかってるし。
何なんでか遠とおくでゴロゴロ音おとが鳴なってるし…。
セロ、何なにもしてないよな? 」
セロフィート
「 はい?
何な故ぜワタシに聞ききます? 」
マオ
「 前ぜん科かがあるだろ 」
セロフィート
「 仮かりにワタシの仕し業わざとしても、此この程てい度どで済すむものですか。
≪ 街まちベリチェスト ≫と比くらべてみなさい 」
マオ
「 確たしかにそうだけど…。
凍こおり漬づけになったりしないだろうな? 」
セロフィート
「 ワタシは無む関かん係けいです。
明あ日すの事こと迄まで知しりません 」
マオ
「 セロが関かん係けい無ないなら仕し方かた無ないよな… 」
セロフィート
「 マオ…。
夫ふう婦ふになって長ながいですし、そろそろワタシを疑うたがうのは止やめてください 」
マオ
「 う、うん……御ご免めんな…。
前ぜん科かがあるからって疑うたがうのは駄ダ目メだよな…。
気きを付つけるよ 」
セロフィート
「 ワタシの前ぜん科かにしないでください。
≪ 街まちベリチェスト ≫の件けんは、マオの提てい案あんだった事ことを忘わすれないでください 」
マオ
「 えぇっ?!
オレの提てい案あんだったっけ?? 」
何なにか引ひっ掛かかりを感かんじるのはオレの気きの所せ為いだろうか…。
セロフィート
「 マオの忘わすれん坊ぼうさん。
さぁ、宿やど屋やカラクザ亭ていへ戻もどりましょう 」
マオ
「 だな… 」
ポン飲いんジュ食しょくルノ店てんの前まえで立たち話ばなしをしていたけど、セロに言いわれて歩あるく事ことにした。
マオ
「 宿やど屋やカラクザ亭ていに着ついたら何なん時じぐらいになるかなぁ? 」
セロフィート
「 何なに事ごとも無なければ、21時じ半はん頃ごろでしょうね 」
マオ
「 何なにも無なければ……。
そうだな… 」
宿やど屋やカラクザ亭ていへの道どう中ちゅう、何なにも起おきない事ことを祈いのろう。
マオ
「 明日あしたはどうするんだ?
まさか明日あしたも犯はん行こう現げん場ばを巡めぐりしないよな? 」
セロフィート
「 全すべての犯はん行こう現げん場ばを巡じゅん回かい出で来きてませんし、マオがしたいなら── 」
マオ
「 オレは嫌やだぞ!
もう犯はん行こう現げん場ば巡めぐりなんてしたくないからな!!
娼しょう婦ふが殺さつ害がいされる場ば面めんなんて見みたくないよ! 」
セロフィート
「 そうです?
残ざん念ねんです…。
変態露出狂エレファントマンが目もく撃げきされた現げん場ばに行いきます? 」
マオ
「 …………ま、まぁ、其それなら別べつに良いいかな?
実じっ際さいに歩あるいた時じ間かんと走はしった時じ間かんを調しらべてみれば、変態露出狂エレファントマンが複ふく数すう存そん在ざいしている事ことを証しょう明めい出で来きるもんな! 」
セロフィート
「 マオでは歩ほ幅はばが違ちがい過すぎます。
折せっ角かくですし、ケレディさんに手て伝つだってもらうとしましょう 」
マオ
「 え゛っ?!
でもケレディさんは警けい察さつ官かんだろ?
捜そう査さの邪じゃ魔ましちゃ拙まずいんじゃないのか? 」
セロフィート
「 何なにを言いいますか。
お近ちか付づきになった誼よしみで捜そう査さの協きょう力りょくをしてあげます。
ケレディさんの手て柄がらにすれば、先せん輩ぱい達たちから見み直なおされます 」
セロフィートの被害者が、また1人増えようとしています。
ケレディ、ファイト!!