✔ 2.飲食店 5 〜 美味しい夕飯 5 〜
前の大陸には人間だけじゃなくて、亜人種も多かった。
セロ曰く、〈 時空の亀裂 〉を渡って来た亜人種が独自の文化を築いたらしい。
元から暮らしてる人間には亜人種が脅威の対象なのは変わらない。
だけど、幼い頃から特殊な鎖を強制的に、無理矢理付けられて育った亜人種は本来の力を封印されて、人間から奴隷の様に酷い扱いを受けていた。
見るに見兼ねたセロが、国王に交渉して一国を買い取った訳だけど、其の時オレはセロの傍に居なかった。
だから、セロがどんな交渉を国王としたのかは分からない。
国を買い取った後、国民を〈 テフ 〉に変換しようとしたから、オレは必死になって止めた。
合成獣の餌にしようとしたのも勿論、止めた。
セロが発動した魔法陣── 国がスッポリと入ってしまう程に超~~~巨大だった ──に依って、国民は人っこ1人居なくなったけど、何処に消えてしまったのかは分からない。
セロは「 心配しなくて良いです 」なんて言ってたけど、不安で仕方無かった。
特殊な鎖を外されて、本来の力を取り戻した亜人種は種族の垣根を越えて、協力し合って新しい生活を送り出した。
セロは亜人種が暮らし易い楽園を作ったんだ。
他国から攻め込まれない様に、他国に攻め込まない様に、結界魔法陣に守られている。
其の後、どうなったのかオレには分からない。
セロに聞いても『 後の事は知りません 』って言われて其っきりだし。
まぁ…要は、セロの懐具合は無限大って事だ。
仮に食事代が10万Uしたとしても、大した出費にならない。
注文した料理を完食したオレは、デザートも注文した。
主食のレパートリーも多いけど、デザートのレパートリーも多くて食べ甲斐がある。
セロは如何にも高そうなお酒を注文して飲んでる。
値段を聞くのが怖いな…。
セロがお酒を飲んだ夜は、『 いいこと 』をしてくれる事が増えて来た。
だからって訳じゃないけど、今夜も『 いいこと 』してくれるかな??
ついつい期待しちゃうんだよなぁ(////)
デザートを食べ終えたオレは、締めにホットティルクって言う飲み物を注文した。
セロもオレと同じ飲み物を注文してくれたのが嬉しい(////)
今日は散々な目に遭わされた訳だし、オレから『 いいこと 』をせがんでも許されると思う!
今日に限ってはセロに拒否権なんてないんだ!!
セロフィート
「 マオ?
どうしました?
恐い顔してますけど 」
マオ
「 へ?
してないよ! 」
セロフィート
「 そうです?
何か思う事があるなら話してください。
マオとワタシは “ 夫婦 ” ですし 」
きゅぅぅぅぅうん(////)
セロから笑顔で『 夫婦 』って言われたぁぁぁぁあッッッ!!!!
ふぁあ〜〜〜〜〜っだよ!
ふぁあ〜〜〜〜〜〜(////)
オレの中で喜びのラッパが鳴ってる!!
ぱぁあ〜〜〜〜かな??
オレ、ラッパは知ってるけど、音を聞いた事がないんだ。
だから、『 ふぁあ〜〜〜 』や『 ぱぁあ〜〜〜 』は、あくまでオレの頭の中でイメージされた音だ。
まぁ…早い話が、セロから『 夫婦 』って言われたのが「 嬉し過ぎて、テンションが上がっちゃったよ〜〜〜〜 」って事を表現したかったんだ(////)
マオ
「 セロ…、一寸…さ、飲み過ぎなんじゃないか? 」
セロフィート
「 そうです?
ははぁ…さては、マオ。
自分が飲めないから拗ねてます? 」
マオ
「 違うわっ!!
そりゃ飲みたいけど!
…………トイチに迷惑掛けちゃった事もあるし…。
……ニュイリがセロを連れて来てくれなかったら、どうなってたか…。
今、思い出しても、ゾッとするんだ…… 」
セロフィート
「 そうでしたね。
ワタシとの約束を破って、トイチと酒場で飲んでましたね。
死人が出なくて幸いでした 」
マオ
「 うん…。
だから、オレ…お酒は “ 飲まない ” って決めたんだ。
飲みたいけど… 」
セロフィート
「 殊勝な心掛けです 」