ケレディ
「 あっ、証明パスはお返ししますね。
其でですけど──、ホームスさんとワトスン君は旅人を装って何をしてたんです? 」
セロフィート
「 『 エレファント・ザ・リッパー事件 』を独自で調査してました。
『 エレファント・ザ・リッパー事件 』が迷宮入り事件の仲間入りをするのも秒読み──と言う噂を聞きましたし 」
ケレディ
「 えぇっ?!
其、何処から漏洩したんですか?!
未公開の情報なのに!! 」
マオ
「 そうなの?! 」
セロフィート
「 ワタシには信頼の置ける優能で優秀な情報屋が協力してくれてます 」
ケレディ
「 …………調査をするのは構いませんけど、勝手に立ち入り禁止の中に入るのは勘弁してくださいよ 」
マオ
「 …………。
ケレディさんは『 未公開の情報 』って言うけど、雑誌に載ってるよ 」
ケレディ
「 えぇっ?!
雑誌ぃ?!
何で雑誌なんかに…… 」
セロフィート
「 警察官も捜査官も寝る間も惜しんで事件の捜査をしてます。
にも関わらず事件は一向に解決へ近付いてません。
多くの名探偵も協力しているにも関わらず、犯人の手掛かりも、目撃者も、目撃情報もあるに── 」
ケレディ
「 其は言わないでほしいんですけど…… 」
セロフィート
「 半年間に起きた殺害事件を1度も未然に防ぐ事すら出来ない。
無能揃いです? 」
ケレディ
「 …………そ、其を言われると耳が痛いんですけど……。
でも、我々は真摯に、ド真剣に、『 エレファント・ザ・リッパー事件 』に向き合って捜査してます!
必ず次の夜間に起こる事件を未然に防いでみせますよ!! 」
セロフィート
「 来週です? 」
ケレディ
「 今週ですよ! 」
セロフィート
「 はて…?
今週は昨夜と明日の夜しかない筈ですけど? 」
ケレディ
「 そうですよ。
昨夜は奇数日でしたけど、事件は起きなかった。
だから、明日の夜よるに必かならず起おきます。
何ど処こが現げん場ばになるかは分わかりませんが、至いたる場ば所しょに我われ々われが見み張はりをしてます。
絶ぜっ対たいに阻そ止ししてみせます!! 」
セロフィート
「 其それはオカシイです 」
ケレディ
「 はぁい?
何なにがオカシイんですか? 」
セロフィート
「 ケレディさんは下したっ腹ぱさんです? 」
ケレディ
「 下したっ腹ぱぁ?!
ま、まぁ…新しん人じんルーキーではありますけど…」
セロフィート
「 昨さく夜や、『 エレファント・ザ・リッパー事じ件けん 』が起おきたそうです 」
ケレディ
「 ──へ??
昨さく夜や?
はぃぃい??
いやだなぁ、何なにを言いい出だすんですか!
昨さく夜やに事じ件けんなんて起おきてませんよ。
冗じょう談だんは止やめてください! 」
セロフィート
「 おや?
本ほん当とうに知しらされてません?
新しん人じんルーキーさんは信しん頼らいされてません? 」
ケレディ
「 はぁあ?!
そんな訳わけないですよ!
新しん人じんルーキーだって仲なか間まです。
ちゃんと先せん輩ぱい達たちから信しん頼らいされてますよ! 」
セロフィート
「 其それなら『 エレファント・ザ・リッパー事じ件けん 』が起おきた事ことを知しらされてないのは何な故ぜです? 」
ケレディ
「 そ、其それは……。
手て違ちがい……そう、何なにかの手て違ちがいですよ!
先せん輩ぱいに確かく認にんしてみますし! 」
セロフィート
「 そうです? 」
ケレディ
「 …………仮かりにですけど、昨さく夜やに事じ件けんが起おきたとしてですよ?
何なんでホームスさんが知しってるんですか? 」
セロフィート
「 ワタシには頼たよれる味み方かたが居います 」
ケレディ
「 情じょう報ほう屋やですか…。
昨さく夜や、事じ件けんが起おきたなんて事ことが若もしも嘘ウソだったり冗じょう談だんだったら許ゆるされませんよ! 」
セロフィート
「 事じ実じつです。
ワタシに会あえて幸こう運うんでしたね、ケレディさん 」
ケレディ
「 幸こう運うんって…… 」
セロフィート
「 此これをどうぞ 」
ケレディ
「 何なんですか? 」
セロフィート
「 チラシです 」
ケレディ
「 チラシ?? 」
セロフィート
「 依い頼らいを募ぼ集しゅうしてます。
もし、助たすけが必ひつ要ようなら此こ処こを訪たずねてください。
ホームス探たん偵てい事じ務む所しょは警けい察さつが御お手て上あげした未み解かい決けつ事じ件けん,迷めい宮きゅう入いり事じ件けん等などを専せん門もんに独どく自じに調ちょう査さし、解かい決けつさせます。
ケレディさんが依い頼らいをしてくれるなら、今こん回かいに限かぎり依い頼らい料りょうを半はん額がくで受うけても良よいです 」