✔ 2.路地裏 4 〜 殺害現場巡礼 4 〜
ブラウン男
「 まさか……、知らなかった訳じゃないよね? 」
マオ
「 本当に御免なさい…。
以後気を付けます 」
ブラウン男
「 そうだよ。
もう、入っちゃ駄目だよ、坊や。
お父さんもですよ。
ちゃんと子供を見てないと。
親の監督不行き届き…………親……ですか?? 」
セロフィート
「 親子に見えます? 」
ブラウン男
「 ………………兄弟…………ですかね?? 」
セロフィート
「 兄弟に見えます? 」
ブラウン男
「 えぇと…………、幼児…誘拐?? 」
ブラウン男は何故かオレを見ながら、そう言った。
幼児…だと??
幼児ってオレの事かよ?!
マオ
「 一寸、お兄さん!
オレは成人だけど!! 」
ブラウン男
「 えぇっ?!
君、成人なの?!
見えないなぁ……。
子供だよね? 」
マオ
「 大人だよ!! 」
人を『 幼児 』とか『 子供 』とか失礼極まりない奴だ!!
マオ
「 一寸、お兄さん!
初対面のオレに対して失礼じゃないの? 」
ブラウン男
「 御免よ… 」
セロフィート
「 マオ…。
許しておあげなさい 」
マオ
「 セロだって誘拐犯と間違えられたんだぞ!
名誉毀損だろ 」
セロフィート
「 誤解は解けましたし 」
マオ
「 未だ解けてないよ! 」
ブラウン男
「 …………本当に御免よ。
オレ…僕はケレディ・ダタンネ。
ライナノット警察署に勤務してる警察官なんだ。
今は『 エレファント・ザ・リッパー事件 』を解決させる為に捜査している最中なんだ。
僕は殺害現場を巡回してる最中で── 」
セロフィート
「 成る程…。
其の勤務中に犯行現場に立ち入っていたマオとワタシを見付けた訳ですね 」
ケレディ
「 そうだね… 」
マオ
「 だからって、オレのセロを誘拐犯扱いするのは許せない!!
オレの幼児呼ばわりもだぞ!! 」
セロフィート
「 マオ…。
お止めなさい。
ケレディさんが困ってます。
謝ってくれてますし… 」
マオ
「 セロが怒らないから、オレが代わりに怒ってるんだぞ! 」
セロフィート
「 有り難う、マオ。
ワタシを思うマオの気持ちは嬉しいです(////) 」
マオ
「 だろ!(////)」
セロフィート
「 ケレディさん、ワタシのマオがすみません 」
ケレディ
「 い、いえ…。
僕の誤解だった訳ですし…。
えぇと……申し訳無い序でに職務質問して良いですか? 」
マオ
「 はぁ?
職務質問?!
何でだよ! 」
セロフィート
「 マオ…。
落ち着いてください。
どうどう…です 」
マオ
「 オレは馬じゃないよ! 」
ケレディ
「 えぇと…… 」
セロフィート
「 彼の名前は “ マオ・ワトスン・シンミン ” です。
ワタシの養子で、助手です 」
マオ
「 へ? 」
おぃおぃ、『 マオ・ワトスン・シンミン 』って誰だよ?
助手って何の??
マオ
「 セロ…? 」
セロフィート
「 ワタシは “ セロッタ・ホームス・シンミン ” です。
マオの養父で探偵をしてます 」
──はぃ??
セロッタ・ホームス・シンミン??
探偵って──、何言ってんだ??
マオ
「 セロ…さん…?? 」
ケレディ
「 探偵……ですか?
…………探偵っぽくない格好をしてますけど… 」
セロフィート
「 はい♪
今は旅人に変装してます 」
ケレディ
「 変装って…… 」
セロフィート
「 本物の探偵は何処に潜んでいるか分からない犯人に気付かれない様、自身が探偵である事を隠して調査するものです 」
ケレディ
「 は…はぁ……そうなんですか?? 」
養子とか養父とか助手とか探偵とか何だよ。
何だってセロはそんな嘘を……。
ケレディ
「 彼の…じゃあ、探偵である事を証明する証明パスの提示をしてくれますか? 」
セロフィート
「 どうぞ 」
探偵の証明パスの提示──なんていきなり言われても探偵じゃないのに持ってる訳がない。
いや……セロだし、大丈夫だろうな。
ほら、言ってる傍からセロは探偵の証明パスとやらを警察官のケレディさんに見せてるし。
きっと秒で、〈 テフ 〉で証明パスを構成したに決まってる。
此は立派な犯罪だ・ぞ★
ケレディ
「 ──確かに正真正銘の証明パスですね。
セロッタさんは── 」
セロフィート
「 ケレディさん、ワタシの事は『 ホームス 』、マオの事は『 ワトスン 』と呼んでください 」
ケレディ
「 …………分かりました。
ホームスさんとワトスン君ですね。
改めて宜しくお願いします 」




