✔ 2.路地裏 2 〜 殺害現場巡礼 2 〜
娼婦は白目を剥いて仰向けに倒れた。
其からオレは信じられない様な、世にもおぞましい光景を見る羽目になった。
こんな残忍で酷い事を人間がするのかよ!
はっきり言って説明したくない。
娼婦とイチャコラしてた男も何時の間にか仮面を付けていた。
4人の男達が代わる代わる娼婦の身体を容赦なく傷付けていく。
娼婦は眼球を抉り取られ、両方の乳房を切り取られ、子宮を摘出された…。
男の1人が袋を取り出している。
中に入っている “ 何か ” を取り出した男は、眼球を抉り取って出来た穴の中に、手に持っていた “ 何か ” を入れている。
あれが睾丸なんだろう。
誰のだよ?!
酷い事をする奴等だ!!
別の男が娼婦の首に細いストローみたいなのを刺し込んでいる。
真ん中の穴から血が流れ出て来た。
うん?
4人の男がズボンを脱ぎ出した。
ズボンなんか脱いで何を始めるんだろう??
…………………………放尿した。
ケバい娼婦の死体の上で、4人の男達が放尿を!?
大人だよね?!
大の大人が殺した娼婦の死体に尿を掛けるなんて!!
スッキリしたのか男達は面白可笑しく笑い合っている。
ズボンを上げた1人の男が “ 何か ” を取り出し、娼婦の平らな胸の上に “ 何か ” を置いた。
あれはメッセージカードかも知れない。
やる事を終えた4人の男達は血塗れの仮面を付けたまま路地裏から出て行った。
男達の姿が見えなくなると同時に暗くて夜だった路地裏が明るくなった。
マオ
「 ………………今のは一体…何だったんだ?? 」
セロフィート
「 実験は成功しました。
先程の一部始終は3方の壁と地面が目撃した記憶を映像化させたものです 」
マオ
「 えっ……。
じゃあ、さっきのは本当に実際に起きた事なのか? 」
セロフィート
「 娼婦が殺されたでしょう。
どうやって殺害されたのか判りましたね 」
マオ
「 ………………全部が衝撃的だったよ…。
殺人鬼は4人だったんだな…。
其にだよ、新聞にも雑誌にも載ってなかったけど、娼婦の死体は放尿されてた……。
楽しそうに愉快そうに笑ってた。
人を殺して、はしゃいでた… 」
セロフィート
「 『 見たくない 』と言ってませんでした? 」
マオ
「 …………怖いもの見たさで見ちゃったんだよ!
今のが最初の殺害事件なんだな? 」
セロフィート
「 そうです 」
マオ
「 此処で…此の場所で……半年前に1人目の娼婦が犠牲に…… 」
セロフィート
「 では、次の犯行現場へ行きましょう 」
マオ
「 はぃ?!
次の現場?! 」
セロフィート
「 当然です。
幾つか殺害場面を見なければ答え合わせになりません。
最低でも後11ヵ所は巡礼します 」
マオ
「 『 巡礼 』言うな!
11ヵ所も巡回するのかよ?
あんな光景を後11回も見ないといけないのかよ?!
オレ、嫌だよ!! 」
セロフィート
「 マオ、嫌なら見なければ良いです。
ワタシの後ろで目を瞑ってなさい 」
マオ
「 でも……声が聞こえるし… 」
セロフィート
「 大した大きさではないです。
魔法陣の中にいるマオとワタシにしか聞こえませんし、映像も見えません。
リアルに見えても壁と地面の記憶です。
触れませんし、何も怖くないです 」
マオ
「 セロは平気かも知れないけど、娼婦が惨殺される場面を何度も見たら気が変になるよ!!
正気を保てなくなる!! 」
セロフィート
「 何を今更。
人ならマオも殺してるでしょう。
慣れてください 」
マオ
「 慣れたくない!!
セロぉ〜〜〜。
オレ、こんな答え合わせ嫌だよ!
オレの心が病んじゃうよ!! 」
セロフィート
「 マオ…。
君、そんなに繊細です? 」
マオ
「 酷いーーーーーーッッッ!!!!
オレの心は何時の時代も繊細だぞっ!! 」




