✔ 2.温泉 〜 温泉に入ろう 3 〜
──*──*──*── クレーター温泉
セロにお姫様抱っこされたままクレーター温泉に入った。
温泉の色は薄紫色で綺麗だ。
背景は夜空で沢山の星が様々な光を放って輝いている。
クレーター温泉は温泉の色と背景を変える事が出来るんだ。
けど、オレは星空を見ながら温泉に浸かるのが好きなんだ。
目の前で火山が噴火する背景とか、巨大な生物が走り回ってる背景とか、巨大な生物が海中の中を泳ぐ背景とか、猛吹雪の中で巨大な象が群がってる背景とか、色々と試したけど無難なのは星空な気がする。
夕陽をバックにした背景も無難だとは思うけど、オレは暗い方が好きだなぁ。
セロのお姫様抱っこから解放されたオレは、温泉の上にプカプカと浮いているプニプニして弾力のあるスライムに掴まった。
真ん中に穴が空いてない浮き輪みたいな物かな。
にゅいが居てくれたらにゅいに掴まるんだけどなぁ。
此に掴まってないとオレはバタ足を出来ないし、行きたい方向に進めないんだ。
にゅいが居てくれたら、オレがバタ足をしなくても行きたい方向ににゅいが泳いでくれるから、すっごく楽なんだよなぁ。
にゅいが恋しい。
だけど、トイチにはにゅいが必要だしなぁ……。
フィンも頼りにはなるけど、地理とか言葉とか生活習慣とか法律とか憲法とか常識とか〈 大陸の法則 〉とか分からない事だらけだから、やっぱりにゅいは必要になるんだよなぁ…。
にゅいが分裂してくれたら良いのに──って思うけど、半分に分けたりは出来ないみたいだし…。
もう1体賢者の石を作っても良いと思うんだけど、セロは作ってくれない。
作れない事はないらしいんだけど、新しく賢者の石を作るなら古い賢者の石を〈 テフ 〉に変換させないといけないらしい。
オレに懐いてくれてるにゅいが消えちゃうのは嫌だ。
にゅいはオレの大事な家族なんだ。
にゅいが消えちゃうなんて、オレには耐えられない事だ。
さて、何処迄進んでみようかな?
あんまり遠く迄泳ぐと戻るのが大変なんだよな…。
セロの姿がない。
洗面脱衣室で羽織ってるバスローブを脱いでるのかも知れない。
セロフィート
「 ──マオ、あまり遠くへ行かないでください 」
マオ
「 ──セロ! 」
洗面脱衣室から出て来たセロは、スッポンポンだ。
マオ
「 ──前を隠せぇぇぇええええええーーーーーーーーッッッ!!!! 」
とは言っても、裸の状態のセロには隠す様な箇所なんてある訳がない。
だって、セロには隠す様な物が一切付いてないからだ。
だって…、セロは人形だから。
人間の姿,形に似せて作られた人形には、毛穴,体毛,乳首、そして────。
下腹部にある男が男である為に必要不可欠な男の象徴── 神から授かりし聖なるムニャムニャ ──なんて物が付いてる訳がないんだ。
でも、其でもだ!
オレとしては、タオルで前を隠してもらいたい!!
腰にタオルを巻いて、下腹部を隠して入って来てほしいんだ!!
オレの我儘だって分かってるけど……、セロ程の美貌の持ち主なんだから、オレの細やかな思いを分かってほしいんだ。
まぁ、セロに言っても無駄なんだけど……。
だってセロは、「 はぁ? 何です、今更 」みたいな如何にもな顔をしてオレを見てくれてるからだ!
何はともあれ、オレはセロと楽しい入浴時間を過ごしたい。
セロと一緒にクレーター温泉を堪能して満喫するんだ!
セロフィート
「 折角ですし、泳ぐ練習します? 」
マオ
「 しないよ!
オレは泳げなくていいんだ。
にゅいが居てくれる限りはな! 」
セロフィート
「 今は居ませんけど? 」
マオ
「 いっ…良いんだよ!(////)
兎に角、オレは泳ぐ練習はしないの!
なぁ、セぇロぉ〜〜〜〜。
其よりさ、洗いっこしようよ! 」
セロフィート
「 はいはい。
マオの気が済む迄付き合います 」
マオ
「 セロ〜〜〜(////)」
オレは温泉の中でセロに抱き付いた。
好きな相手との裸の付き合いって、最高だな!!




