✔ 1.宿泊室 8 〜 事件の謎を解き明かそう 8 〜
マオ
「 『 イカサマだ! 』って言われなかったのか? 」
セロフィート
「 種と仕掛けあっての手品です。
イカサマ呼ばわりするのは、お門違いです。
種と仕掛けを駆使して相手を騙して楽しませまるのが手品です 」
マオ
「 そっか…だから、イカサマは否定したのに騙した事は否定しなかったんだな? 」
セロフィート
「 分かってくれました? 」
マオ
「 うん、まぁな…。
宿泊客にもさせたの? 」
セロフィート
「 勿論です。
実際にルビキュ〜ブを触ってもらいましたし、回して色をバラバラにしてもらいました。
紙袋の中へ入れてもらって、口を折り曲げてもらいました。
紙袋を上下に振るのはワタシがしますけど、紙袋の口を開けて、ルビキュ〜ブを取り出してもらうのも宿泊客にしてもらいました。
宿泊客へルビキュ〜ブを手渡してからは、ワタシはルビキュ〜ブに触れてませんし、ルビキュ〜ブ自体に何かする事も出来ません。
此の手品のポイントは、紙袋を振るのは、 “ 必ず自分である事 ” です。
此さえ守れば、其以外の事は誰にさせても何の問題もないです。
好きなだけルビキュ〜ブを触ってもらって構いませんし、紙袋を確認してもらっても構いません 」
マオ
「 ふぅん?
紙袋に仕掛けがしてあるのか? 」
セロフィート
「 さぁ?
どうでしょう。
気になるなら、種明かししてみます? 」
マオ
「 種明かしかぁ…。
出来た試しが1度も無いんですけど…… 」
セロフィート
「 ふふふ。
マオの書いた『 エレファント・ザ・リッパー事件 』の推理は中々のものです。
あれ程の推理が出来たのです。
種明かしも出来ます 」
マオ
「 推理??
…………あ゛っ?!
若しかしてオレの──。
見ちゃったのか?? 」
セロフィート
「 テーブルの上に置いたままでしたし 」
うわぁっ(////)
置きっぱなしのまま寝ちゃってたんだ、オレ!
恥ずかしいっ!!(////)
オレがセロに見せる予定だったのにぃ!!
勝手に見られたぁぁぁぁあああああああッッッ!!!!
いや、読まれたぁぁあああああ!!!!
マオ
「 勝手に読むなんて、酷いじゃないか!
プライバシーの侵害だよ! 」
セロフィート
「 プライバシー…です?
そんなのマオに無いです 」
マオ
「 酷いっ! 」
セロフィート
「 酷くないです。
マオはワタシだけのマオ。
ワタシと契約した瞬間から、プライバシーは無いです 」
マオ
「 そんな…… 」
セロフィート
「 嫌です? 」
マオ
「 …………嫌だよ… 」
セロフィート
「 そうです?
なら、心臓を返しましょう 」
マオ
「 へ??
心臓を返す?? 」
セロフィート
「 そうです。
マオとは契約解除になります。
心臓を返すと人間は死亡しますけど、マオは〈 皇 〉の生まれ変わりです。
心臓を返しても死にはしません 」
マオ
「 …………契約を解除したらオレはどうなるんだよ?
セロは?
セロはオレだけのセロじゃなくなるのか? 」
セロフィート
「 当然です。
マオがワタシだけのマオではなくなる訳ですし、ワタシがマオだけのセロフィートではなくなります 」
マオ
「 嫌だよ、そんなの!!
オレはセロだけのマオで居たいし、セロにはオレだけのセロで居てほしいんだ!
心臓は返してくれなくて良いよ!
契約解除なんて嫌だ!! 」
セロフィート
「 プライバシーが無いの嫌なのでしょう? 」
マオ
「 …………無くていいよ 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 セロだけのマオで居られるなら……プライバシーなんて要らない 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 うん…。
マオはオレと契約解除したいの? 」
セロフィート
「 まさか。
ワタシはマオを手離したくないです。
マオと契約解除したい訳ないでしょう 」
マオ
「 ──だよな!
そうだよな!
オレはセロを信じてたよ! 」
セロフィート
「 そうです? 」
マオ
「 『 心臓を返す 』なんて言われたからビビったよ! 」
セロフィート
「 マオが望みましたし 」
マオ
「 別に望んでないよ!
もう、2度と『 心臓を返す 』とか『 契約を解除する 』なんて言うなよな! 」
セロフィート
「 そうします 」
マオ
「 約束だからな! 」
オレは立ってるセロの腰に抱き付いた。
セロフィート
「 マオ…。
甘えん坊さん 」
マオ
「 良いの!
セロに甘えるのは、オレの特権なんだからな! 」
セロフィート
「 はいはい(////) 」
セロは子供を慈しむ母親の様な表情でオレを抱き寄せてくれた。
今夜はセロと『 いいこと 』したい!!
マオ
「 セロ、オレの推理は合ってるのかな?
的外れな所とかない? 」
セロフィート
「 知りたいです? 」
マオ
「 うん。
だって、推理なんて初めてしたんだぞ。
気になるよ 」




