✔ 1.宿泊室 6 〜 事件の謎を解き明かそう 6 〜
セロフィート
「 新しい手品を思い付いたので皆さんに披露してました 」
マオ
「 手品??
吟遊詩人が手品って……。
懐かしいけど… 」
セロフィート
「 ガッポリして来ました♪ 」
マオ
「 はぁ?
ガッポリぃ?? 」
オレが間の抜けた様な声を出したら、セロが布袋を出した。
布袋は見ただけでも重そうで、硬貨が沢山入ってるのが分かる。
マオ
「 …………重そうだな… 」
セロフィート
「 持ってみます? 」
セロはオレに布袋を持たせてくれた。
布袋は思った以上に、 “ ずっしり ” としていて重い。
此の中に何れだけの硬貨が入っているんだか、オレには想像も付かない。
マオ
「 どんな手品で騙し取ったんだよ?
イカサマでもしたのか? 」
セロフィート
「 イカサマはしてません。
しなくてもガッポリ出来ます 」
イカサマは否定したのに、騙し取ったのは否定しないのかよ?
騙したけどイカサマはしてないって、どゆことだよ!?
マオ
「 セロ、どんな手品をしたのか見せてよ 」
セロフィート
「 おや?
気になっちゃいます? 」
マオ
「 其の言い方!
明らかに悪い事して来たって事だよな? 」
セロフィート
「 ふふふ♪
此、何か分かります? 」
否定しないんかい!!
そう言ったセロが手の上に出したのは、見た事のないカラフルで四角い…………何だ??
マオ
「 何此?? 」
セロフィート
「 此は玩具です 」
マオ
「 はぁ?
玩具ぁ??
此で何するんだよ? 」
セロフィート
「 色を揃えます 」
マオ
「 色?
此のカラフルな色を揃えるのか?
どうやって?? 」
セロの掌の上にある四角いカラフルな玩具を見ても、どうやって色を揃えたら良いのかオレには分からない。
だって、初めて見る玩具だもんなぁ…。
セロフィート
「 こうして──、色の付いている面を動かして、1面を1色に揃えます。
6面とも揃える事が目的の遊びです 」
マオ
「 へぇ…!
そうやって動かすんだ?
1面だけならオレでも何とか揃えられるかもだけど、6面は難しそうだな 」
セロフィート
「 頭脳系の遊びです 」
セロが玩具を動かして、遊び方を教えてくれた。
セロフィート
「 ルービックキューブと言う名前です。
他の大陸で流行している人気の玩具です 」
マオ
「 知らない大陸で流行ってるんだ?
へぇ…此が人気なんだ…………へぇ… 」
セロフィート
「 此を使った手品を披露しました。
見ます? 」
マオ
「 うん、見たい! 」
ルービッ──、長いから言い難い!
もっと言い易い短い名前にすれば良いのに!
例えば〜〜〜、ルビキュ〜ブとか??
良いかも、ルビキュ〜ブ!!
マオ
「 セロ! 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 其さ、『 ルビキュ〜ブ 』って名前で、《 セロッタ・カンパニー 》で販売したらどうかな? 」
セロフィート
「 分かってますね。
勿論、其のつもりです 」
わぁおぅ★
其、犯罪だ・ぞ★
言ったオレも悪いけどな!
マオ
「 名前は?
ルービ…なんちゃらって長い名前で売るのか? 」
セロフィート
「 『 ルビキュ〜ブ 』で良いです。
大きさは3種類出します 」
マオ
「 大きさ? 」
セロフィート
「 男性の掌サイズ,女性の掌サイズ,子供の掌サイズを用意します。
其と面の色の組み合わせが違うのを何種類か用意します。
暗い中でも遊べる様に色には蛍光色を使います。
面の中央には《 セロッタ・カンパニー 》のロゴマークを入れて売り出します 」
マオ
「 ロゴマークなんてあったっけ? 」
セロフィート
「 マオが知らないだけで、ちゃんとあります。
発売記念の限定品には、中央にロゴマーク入りの宝石を使います 」
マオ
「 宝石?!
宝石を入れるのか? 」
セロフィート
「 限定品ですし。
1個10.000Uです 」
マオ
「 1ま…?!
高くないか? 」
セロフィート
「 宝石入りですし。
普通のルビキュ〜ブの値段は、大を2.000U,中を1.500U,小を1.000Uで販売します 」
マオ
「 ………………売れるのかよ? 」
セロフィート
「 売れるに決まってます。
遊戯室で38個も売れました 」
マオ
「 はぁ?
売ったの?!
直売り?! 」