✔ 1.宿泊室 5 〜 事件の謎を解き明かそう 5 〜
マオ
「 ………………ぅんん…… 」
何時の間にか、オレは眠ってしまっていたらしい。
どのくらいの時間、眠っていたんだろう??
オレの頭の下は、適度に柔らかくて、適度に固い感じがした。
鯔の詰まり、心地好い──って事を言いたいんだけど…、分かる??
目を開けてみたら、見覚えのある顔が視野に入った。
──セロだっ!!
戻って来たんだ!
でも、何時??
知らない内にオレが眠っちゃってた時なんだろうけど…。
今のオレの体勢からして、オレの頭はセロの膝の上にあった。
オレはセロに膝枕をされている状態なんだ!
きゃ〜〜〜〜〜〜っ(/////)
マオ
「 …………セ、セロ…(////)」
オレがセロの名前を出すと、セロは優しく微笑んでくれた。
聖母様っ!!
慈母聖母様がオレに、優しく微笑んでくれている!!
セロフィート
「 マオ── 」
あぁっ、セロの優しい声だ(////)
オレが何かをやらかした時に耳にする事の多い音程の声色だ。
……………………うん??
オレは何かをやらかしたのか??
何をやらかしたって言うんだろう??
オレは何もやらかしてないぞ。
──うん。
ないったら、ない!!
マオ
「 何? 」
セロフィート
「 ワタシが居ないからと御行儀の悪い事してますね 」
マオ
「 …………へ??
何の事?? 」
セロフィート
「 惚けてます? 」
マオ
「 ──へ?? 」
セロフィート
「 言わないと分かりません? 」
マオ
「 ……………………何の事だか……。
オレ、何かやらかしちゃってるの?? 」
セロフィート
「 ルームシューズと靴下ですけど? 」
マオ
「 ………………へ??
はぃ?? 」
セロフィート
「 マオ… 」
ルームシューズと靴下……だと??
……………………………………あぁ゛っ!!
そうだった!!
オレは、やらかしていたんだ!
ルームシューズを脱ぎ捨てて、靴下も脱ぎ捨ててたんだ。
完全に忘れてた!!
寝惚けてた。
うん、寝惚けて、記憶が飛んでた事にしよう!
マオ
「 ………………彼の…其の……御免なさい…。
寝惚けてて…記憶が飛んでました…… 」
セロフィート
「 本当です? 」
マオ
「 信じてください!!
お願いします! 」
セロフィート
「 其の体勢で言われても… 」
うわぁっ!!
そうだった!
オレ、今はセロに膝枕されてる状態だったの忘れてたっ!!(////)
セロは別に怒ってる訳じゃない。
オレが知ってる限りで言えば、セロは今迄に怒った事がない。
オレは怒ったり、怒っているセロを見た事がないんだ。
“ 恋愛感情 ” が無いのと同様、 “ 怒り感情 ” も無いのかも知れない。
歴代のセンダイさん達の中には無駄に怒りっぽいセロも居たみたいだけど……。
セロは呆れた様な、困った様な表情でオレを見ている。
マオ
「 …………御免なさい…。
ちゃんと揃えます… 」
セロフィート
「 宜しい 」
セロの声色は静かで落ち着いていた。
名残惜しいけど、セロの膝から頭を上げた。
ルームシューズも靴下も脱ぎ捨てたままの状態で置かれている。
セロはオレが散らかした物を片付けたりしない。
必ず散らかしたオレに片付けさせるんだ。
此は躾ですか??
自分で散らかした物を自分で片付けるのは、至極当然の事だけど…。
身体を起こしたオレは、ベッドから下りると脱ぎっぱなしのルームシューズを履いて、脱ぎ捨ててある靴下を拾った。
ちゃんと靴下を入れる専用の箱に入れた。
セロの右横に腰を下ろしてベッドに座ったオレに対して、セロは「 良く出来ました 」と言って頭を撫でてくれた。
完全に子供扱いされてる!!
いや、オレが悪いんだけれども…。
其よりもだ、大事なオレを放ぽって、セロが一体全体今迄何処に居たのかが激しく気になる所だ。
此処は確りと追及して、確かめなければいけない所だぞ、オレ!
マオ
「セロは何処に居たんだよ?
大食い大会の申し込み用紙を出した後、居なくなっただろ!
黙って居なくなるとか、マジで止めてほしいんだけど!」
セロフィート
「 遊戯室に居ましたけど? 」
マオ
「 遊戯室って……。
遊戯室で何してたんだよ! 」




