セロフィート
「 死亡者の棺を用意し、納棺させます。
身元確認を済ませ、教会の地下へ運ばせます。
応急処置に必要な道具を揃えなければいけません。
やる事は幾らでもあります 」
マオ
「 どうせ全部〈 器人形 〉にさせるんだろ?
セロは回復魔法を使ってくれないのか? 」
セロフィート
「 残念ですけど、使えません。
因みに〈 器人形 〉は魔法の類いを一切使えません 」
マオ
「 マジかよ…。
セロって回復魔法使えないのか?
凄い魔法を沢山使えるのに!? 」
セロフィート
「 ワタシにも使えない魔法はあります。
ガッカリしました? 」
マオ
「 …………。
セロに回復魔法のコツを教えてもらおうと思ってたから残念かな… 」
セロフィート
「 魔法のコツは自分で掴まなければ意味ないです 」
マオ
「 スパルタ〜〜! 」
セロフィート
「 傷の消毒と手当ては〈 器人形 〉がします。
マオは回復魔法に専念してください 」
マオ
「 うん。
分かったよ 」
セロフィート
「 魔法を上達させる秘訣は、毎日魔法を使い、身体に魔法を慣らせる事と、地道にコツコツと熟練度を上げ、コントロールを出来るようになる事です。
身の丈に合わない強力な魔法を使わず、極力弱い低級魔法から熟練度を上げて、基礎と土台を作ってください。
良いです? 」
マオ
「 う、うん…。
やってみるよ 」
セロフィート
「 宜しい。
マオとワタシは正午には《 ライナノット 》を出ます。
それ迄は思う存分好きなだけ、人間助けしてください 」
マオ
「 セロ〜〜(////)
正午って言ったら、後2時間しかないじゃんか! 」
セロフィート
「 2時間もあれば十分です。
いってらっしゃい 」
笑顔でセロに手を振られたオレは、取り敢えず宿主の所へ向かった。
──*──*──*──*──
オレはセロが付けてくれた〈 器人形 〉と一緒に軽傷の街民の傷口を回復魔法を掛けて治して回る。
回復魔法を使うのに慣れてない所為なのか、たった1回の回復魔法を使うだけなのに、攻撃魔法を連続してブッ放つよりも疲れる事が分かった。
回復魔法って攻撃魔法よりも集中力やコントロールが難しいんだ。
別の〈 器人形 〉が教会から連れて来てくれた神父とシスターも癒しの魔法が使えるらしくて、〈 器人形 〉とペアになって負傷者の治療に当たっている。
オレより役に立ってるぅ〜〜。
トイチ,オレの使う回復魔法と神父,シスターの使う癒しの魔法は微妙に違うらしい。
何が違うのか〈 ノマ 〉のオレには分からないけど……。
セロと約束した正午まで、後30分しかない。
何れだけの人に回復魔法を掛けれるんだろう。
頑張らないと!!
熟練度の低いオレの回復魔法は効果が弱いから怪我人1人に対して回復魔法を10回する。
少しは熟練度、上がったかな?
何れだけ熟練度が上がったのか分かればいいのに!
後でセロに交渉してみよう。
器人形
「 ──お疲れ様です、マオ様。
次は此方の方をお願いします 」
マオ
「 分かった 」
オレは〈 器人形 〉が消毒してくれた怪我人の元へ移動した。