セロフィート
「 破壊された建物も修復済みです。
行方不明者は出てませんけど、負傷者,死亡者は出ました。
死亡者には棺を手配します。
負傷者には応急処置ぐらいはしても良いです。
済んだら≪ 街 ≫を出ましょう。
良いですね、マオ 」
マオ
「 ──セロ!
手当てして良いのか? 」
セロフィート
「 止めてもするでしょう。
ワタシも鬼ではないですし、今回は大目に見ます 」
マオ
「 セロぉ!(////)」
思いがけないセロの優しさが嬉し過ぎて、オレはセロの腰に抱き付いた。
セロフィート
「 デクスラさん達が待ってます。
戻りましょう 」
マオ
「 うん!
制限時間ギリギリって言ってたけど、本当に間に合ったんだよな?
おっちゃん達、ちゃんと無事だよな? 」
セロフィート
「 安心してください 」
マオ
「 うん…… 」
不安だ…。
毎度の事だけど……、セロの言う『 安心してください 』を信じると痛い目に遭うんだよなぁ〜〜。
実際に宿主の無事な姿を見ないと安心は出来ない。
セロと一緒に宿主達を守る為に張られていた結界魔法陣の場所を目指して歩いた。
霧が晴れたお蔭で歩き易い。
セロが言った様に建物や道は既に修復されていて、瓦礫が落ちていない。
オレが斬り捨てて殺した合成昆虫の死骸も残骸も、飛び散った紫色の気持ち悪い液体も跡形なく消えている。
本当にカインの襲撃があったのか疑ってしまう程、全てが元通りに戻っていた。
霧が酷くて周りが見えなかったから、何れだけの被害が出ていたのか、オレには分からない。
エアーサークルで霧を消して進んでたけど、周りの状況を確認したり把握したりする様な余裕なんて、テンパってたオレには無かったし……。
セロの古代魔法って本当に凄いよな!
戦闘にも使えたらいいのに!!
暫くセロと歩いていると、人集りの中に宿主の姿を見付けた!
マオ
「 ──おっちゃんだ!
無事だったんだ。
良かったぁ! 」
セロフィート
「 マオ、手当てするのは良いですけど、回復魔法は使えます? 」
マオ
「 ──へ??
回復魔法??
確か……トイチが色々な回復魔法を覚えてたとは思うけど? 」
セロフィート
「 其の様子を見ると回復魔法を使った事は無さそうですね 」
マオ
「 へ?? 」
セロフィート
「 マオ、魔法は覚えただけ、使えるだけでは役に立ちません。
毎日使い、熟練度を上げながら、魔法のコツを掴まなければなければ無意味です。
熟練度が低ければ、コントロールもままならず、威力,範囲,効果も少なく、応用も出来ず、いざと言う時に困ります。
活かせない魔法程、無駄なモノはないです 」
マオ
「 そう…なのか?
……じゃあ、オレはどうしたら良いんだよ? 」
セロフィート
「 先ずは魔法を使い、熟練度を上げる事です。
軽傷者に回復魔法を使ってください。
臨時の救護として〈 器人形 〉を現場へ向かわせてます。
マオに〈 器人形 〉を1体付けます。
確り熟練度を上げてください 」
マオ
「 いきなり実践なんだな…。
よし、やってみるよ! 」
セロフィート
「 宜しい 」
マオ
「 セロはどうするんだ? 」
セロフィート
「 ワタシは〈 器人形 〉に指示を与えます。
負傷者を休ませる場所を確保させ、軽傷者 〜 重傷者を色分けをさせ、重傷者は医師と看護師に見てもらう為に病院へ搬送させます 」