10.街中 3 〜 辺り一面の…… 4 〜
マオ
「 セぇロぉーーーー!! 」
名前を呼んでも返事はない。
先ずは霧を晴らさないと!
オレは「 エアーサークル 」と叫んで、霧を消し飛ばした。
霧が晴れると、また爆音が聞こえて来る。
やっぱり、霧が爆音を遮断してるんだ!
何でかは分からないけど。
オレは霧を消し飛ばしなら走る。
何かがオレの方に飛んで来た!
何だろう?
飛んで来たのを見ると、瓦礫だった。
他にも細かい瓦礫や大きな瓦礫がヒュン、ヒュン──と飛んで来る!
危ないっ!!
こんな速さの瓦礫が直撃したら、怪我なんかじゃ済まないよ!
人が居なくて幸いだ。
マオ
「 セぇロぉーーーー!!
居ないのかーーー!! 」
もう1度セロの名前を呼んでみたけど、やっぱり返事はない。
マオ
「 セロ…。
何処に居るんだよぉ… 」
ヤバい!
涙腺が緩んで来た(////)
セロに会いたい!
セロの声を聞きたい!
セロに抱き付きたいっ!!
ぐすっ……と涙を拭っていると、オレの足下が突然光り出した。
マオ
「 ──何だ?! 」
光が消えるとオレは、誰かに抱きしめられた。
誰だ?!
──いや、誰かなんて分かってる。
マオ
「 ──セロぉ! 」
オレを抱きしめてくれてるのは、オレが探していたセロだった!
マオ
「 やっと会えた! 」
セロフィート
「 マオ、どうして来ました? 」
マオ
「 『 どうして 』って、セロがチェックアウトしに行ったきり戻って来ないからだろ! 」
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 オレを置いて≪ 街 ≫を出たのかと思ったんだぞ! 」
セロフィート
「 マオを置いて出たりしません 」
マオ
「 ……うん… 」
セロフィート
「 デクスラさんには会えました? 」
マオ
「 うん、会えたよ。
セロを心配してたよ。
おっちゃんから『 「 人手が足りないから手伝ってほしい 」って言われた 』って聞いたけど、何だったんだ? 」
セロフィート
「 怪我人が出たので避難をさせる為に手伝って欲しかったそうです。
今は結界魔法陣の中に避難してもらってます 」
マオ
「 其の為の結界魔法陣だったんだな。
怪我人は大丈夫なのか? 」
セロフィート
「 心配要りません。
結界魔法陣には体力回復,状態変化回復,身体回復等の治療効果の魔法を掛けてます。
怪我人の怪我は回復してます。
結界魔法陣の中に居れば安全です 」
マオ
「 セロが人助けをしてくれたのは嬉しいよ 」
セロフィート
「 人間助けはしてません。
あくまで一時的な処置です。
結界魔法陣には制限時間があります 」
マオ
「 制限時間?? 」
セロフィート
「 そうです。
結界魔法陣が消えれば、化物の餌食になります 」
マオ
「 ──えっ?!
彼の合成昆虫の餌食って何だよ…。
襲われて喰べられる──って事か? 」
セロフィート
「 そうです。
──今、≪ 街 ≫は〈 ゼノバ教団 〉のカインから襲撃を受けてます 」
マオ
「 ──えっ?!
〈 ゼノバ教団 〉の幹部って──。
セロを邪魔してる奴等だよな?
また、なのかよ?! 」
セロフィート
「 そうです。
懲りずに邪魔されてます。
もう少し早く≪ 街 ≫を旅立っていれば、被害は出なかった筈です。
失態でした 」
マオ
「 …………オレ…の所為…なのか?
オレが…セロとデートをしたがったから…。
セロとデートをしなかったら、もっと早く≪ 街 ≫を出れた筈だし… 」
セロフィート
「 マオ… 」
マオ
「 …………セロが何時も滞在日を短くしてるのには、ちゃんとした理由があったんだな… 。
なのにオレは…… 」
セロフィート
「 マオ、自責はおよしなさい。
人形のワタシにはセスンを〈 テフ 〉へ変換する事は出来ません。
≪ 街 ≫の中で魔法を使えませんし… 」
マオ
「 ≪ 街 ≫が消し飛んじゃうんだろ? 」




